欧米で大注目の暮らし方 “Hygge(ヒュッゲ)”なライフスタイルとは?

欧米で大注目の暮らし方 “Hygge(ヒュッゲ)”なライフスタイルとは?

”Hygge” この言葉を見たことがありますか? 欧米では数年前から流行りはじめ一気に普及した、あるライフスタイルを指す言葉です。 デンマーク語で、広くは「心地よい生活」といった意味の”Hygge”(ヒュゲ、ヒュッゲ)。いまこの”Hygge”が日本でも注目を集め始めています。


Hygge(ヒュッゲ)とは日本の”わびさび”のようなもの?

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広くは「心地よい生活」といった意味の”Hygge”。欧州での注目の高まりを受け、2016年にはBrexsit(イギリスのEU離脱)、Trumpism(トランプ主義)とならび、”Hygge”がイギリスの流行語候補にもなったようです。
その後アメリカへ広がり、最近日本でもいくつかのメディアで取り上げられるようになってきました。Hyggeスタイルといった形で、ライフスタイル系の業界(インテリア、ファッション、レジャー)でも最先端の形として取り入れられつつあります。

Hyggeというデンマーク語をぴったり表す日本語はないようですが、日本人にとっての「わびさび」のようなものといえばわかりやすいでしょうか。「わびさび」という言葉も、他国語に訳すときになかなかバシッとはまる言葉がない概念でありながら、日本人の精神文化、行動様式を理解するのに非常に大切なキーワードであるように、”Hygge”もデンマークの伝統的な生活のベースとなる、デンマーク人の精神性、暮らしかたの基本のようなものです。

Insragramで#Hyggeというタグを検索すると、17万件ほどの投稿がヒットします。ただ、それらをみていっても、見た目に必ずしも画一的な特徴があるわけではなさそうです。おそらく、Hyggeというのは人生の価値観のようなものというのがしっくりくる説明になるでしょう。

そんな”Hygge”、基本的なイメージは「ぬくもり、ほっこり、リラックス、素朴、シンプル、無理しない、自分らしい暮らし」といったところでしょうか。暖炉で薪がもえる炎の暖かさ、キャンドルライトのゆらめく灯り、大切な人と、またひとりで、ホットワインをのんでリラックスする時間、時間をかけて編み上げる手編みのセーター、派手ではないけれど肌触りがよい素材の服、上質な食材でじっくり作るお料理、etc..こんなビジュアルで表現されているのが、Hygge的ライフスタイルです。

世界で最も幸福な国! Hygge(ヒュッゲ)を大切にするデンマーク

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では世界の大きな流れの中で、この古いようで新しい価値観は、どのようなことをきっかけに注目されるようになったのでしょうか。

北欧デンマークといえば、国連の世界幸福度レポートでも上位の常連となっている、いわば「世界で最も幸福な国」です。もともと、福祉や教育、労働環境など、国民の人権が十分に尊重されるような社会制度が整っているデンマークの人々が、伝統的にHygge的価値観をもって暮らしてきたことは、とても象徴的です。幸せとは、「自分らしくあること」「自分の身の丈で暮らすこと」「足るを知る、ということ」という価値観があったからこそ、社会制度にもそれが反映されているのだと思います。

デンマークの人々は、しばしば、いわゆるワークライフバランスという観点でON・OFFの切り替えが徹底しているといわれてきました。無限に利益を追求するような企業活動、不安定な生活におびえて長時間労働を受け入れざるを得ない労働者、といった景色は見られません。しかし同時に、仕事における時間の無駄を徹底的にそぎ落とし、労働時間を短縮することで、生産性の高さもしっかりと保っています。

だれもが人間らしく生活するための制度作りを重視する意識、そいうった制度を維持するための効率化された経済活動、この両輪によって、物質的、精神的な生活の質の高さが実現されているのです。

Hyggeがデンマーク人、デンマークという国のDNAだとすれば、自由(Freedom、Liberty)はまさにアメリカ的価値観、アメリカ人のDNAといえます。自由主義が世界を発展させてきたことも事実ですが、そのネガティブな側面に疲れてしまった人々の心が、今、Hygge的な価値観、暮らし方に強く惹きつけられているのだと思います。

古来の日本人の暮らしに通じるHygge(ヒュッゲ)

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グローバル化によって日本にもアメリカ的な経済活動、価値観が浸透してきたこの数十年ですが、じつはわたしたち東洋人もHyggeに通じる価値観をもっていて、その意味でもHyggeは日本人にとても親和性があります。

「喫茶去(きっさこ)」という言葉をご存じでしょうか。元は禅宗の書物に出てくる一句ですが、「お茶を一杯召し上がれ」という意味で、茶席の禅語として茶道でもよく用いられています。

「客人の貴賤・貧富・賢愚・老若職業などにとらわれることなく、さりげなく出された一碗の茶。
たとえ茶道具は粗末で、茶や菓子は十分なものでなくとも、真心込めて出された一碗の茶。
お茶を出すものとして、あるいはいただくものとして、知るべき本当の茶の心が「喫茶去--お茶をおあがり」という短い言葉の中に込められているのです。」

なにかと比べることなく、自分の本来の姿や心のありようを見つめ、また相手のことも尊重する姿勢、そこに精神の平安と充足をみるという教えは、今こそ振り返るべき境地なのではないでしょうか。

Hygge(ヒュッゲ)とはアラフォーの私たちにこそ大切な価値観

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わたしたちアラフォーは、人生の選択肢があまりにも多すぎて、迷えばすかさず競争を煽られる毎日。厳しさの中で刺激を受け向上することももちろんあるでしょう。

それでも、日々の幸福度を上げるためのひとつの方法として、選択の基準を「心地よさ」に置くこと、競争から降りることは「怠惰」ではないこと、誰かと自分を比べるのをやめること、自分のありたい姿でいること、このような実践を通じてHygge的価値観をもって暮らすことこそわたしたちアラフォーにとって必要なことではないでしょうか。



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この記事のライター

好奇心旺盛なくいしんぼうの酒飲み。子どもにまつわること、働き方、生き方、すこやかな身体と心をつくるものに興味津々。

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