マインドフルネスのそもそもの意味
マインドフルネス(mindfullness)とは、言葉の意味通りに訳すと、「心が満たされていること(状態)」となります。これだけでは、ちょっとよくわからないな、という感想を持つ方が多いのではないでしょうか。
今、話題になっているのは、このマインドフルネスを意図的に作り出すことで、ストレスをおさえ、日々のパフォーマンスが上がり、健康にもよい、という内容のプログラムで、代表的な方法としては、瞑想のような形をとることが多いようです。
イスに腰掛け、姿勢を整え、視線を落とし、呼吸に集中する。
座禅によく似たスタイルをとりますが、実際、マインドフルネスというプログラムは禅の考えを取り入れているそうです。
心を落ち着けて、自分の感情や状態を感じること。ストレスの源となる緊張状態を解き、脳がリラックスする状態を作る。呼吸など基礎的な身体の動きにフォーカスすることをステップとしているのは、そこに集中することで雑念や邪念を一時的に取り払うためです。
高ストレスの現代を生き抜くための、新しい方法
情報過多、高ストレスの現代社会で、力をうまく抜くことができずにうつ病などの神経症を患う人は増え続けています。また、ガンや脳卒中、心臓病、あらゆる病が、ストレスによってひきおこされるということも広く知られるようになりました。
そんな中で新たに注目を浴びているのがこの「マインドフルネス」。
実際、脳科学的な効果が認められたという報告や、企業が研修に取り入れて社員のパフォーマンスが向上した、教育現場ではマインドフルネスの実践によって学力の向上がみられた、などとも言われ、瞑想状態が心身にもたらす良い効果を期待して多くの人々が取り入れた結果、爆発的に流行しているようです。
マインドフルネス的な状態を意識する
そんなにすごい効果があるのならぜひ実践してみたい!と思ったら、メソッド通り静かに座って瞑想をするというパターンにこだわらず、まずは瞑想状態に近いことが自分の生活の中であるかどうか、考えてみましょう。
マインドフルネスがこのような脚光を浴びる以前から、瞑想の健康効果は言われてきました。そして、人がなにかに没頭していたり、単調な行為に集中しているときの脳は、限りなく瞑想状態に近いということも知られています。
例えば、釣り。日本でもヘラブナ釣りは病気療養の回復期には勧められたりすることがあったようですが、フィンランド式瞑想法として、アイスフィッシングが政府観光局のサイトで紹介されています(参照:フィンランド政府観光局公式HP)。
人によっては、車を運転する、自転車に乗る、ランニングやウォーキングをする、こういった状況も、ただ進むための行為に集中するという意味では瞑想状態、マインドフルネス的な状態になっているといえるかもしれません。
行くあてもなくドライブにでかけるとなぜかすっきりするのは、運転している間は信号や道路標識をみながらアクセルとブレーキのタイミングに集中して、余計なことを考えていないからなのでしょう。
また、無心になって料理をしているとストレス解消になる、絵を描くことに没頭しているとリフレッシュする、などなど…。
このように、マインドフルネス的な状態になっていることって、以外と日常生活の中にたくさんあって、かつて
は「気分転換」と言われていたようなことも、意識してみればすべて、ある意味では「マインドフルネスな時間」になるのかもしれません。
マインドフルネスについて調べると、五感で感じること、今の状態をただ感じること、などその実践法も詳しく書いてあることはありますが、とちょっと難しいな、と思う場合はこうやってまずは自分がどんなときにリラックスしているのかを知り、意識的にそういう時間を持つようにすることから始めてみるのも手です。

フィンランド式瞑想 - アイスフィッシング — VisitFinland.com
http://www.visitfinland.com/ja/kiji/finlandshiki-meisou-icefishing/アイスフィッシングは、フィンランド人が大好きな冬のアクティビティ。シンプルなことがポイントで、アイスフィッシングをするということは、瞑想だとすら言えるのです。
オン・オフの切り替え、そしてゆるむこと
今やメンタル健康法として大人気のマインドフルネスについても、ただ頭をからっぽにして時間を過ごすことが誰にでも効果があるわけではないという検証も出てきています。
適度な緊張感と、それをゆるめる時間を持つこと。オンとオフの切り替え。
なーんだそんなこと、と思うかもしれませんが、まずはそこから。マインドフルネスプログラムの実践によって、どんな効果があるのかは、それこそ人それぞれです。一時的に話題になったり注目を集めるような健康法は、それをかたったセミナー商法なども生まれやすいので、注意して。自分に合った方法から試してみるという感じで、いいのではないでしょうか。
メンタルの健康は、幸せに日々を生きていくためにはとても大事なことです。このマインドフルネスブームも、そのことに多くの人が気付くようになるための、きっかけなのかもしれませんね。
好奇心旺盛なくいしんぼうの酒飲み。子どもにまつわること、働き方、生き方、すこやかな身体と心をつくるものに興味津々。