
離婚すべきか? 修復すべきか? 難題を前に一歩も前進できない
離婚すべきか? 修復すべきか? そんな難問はいくら考えても、納得の答えは得られないでしょう。迷いを抱えつつ情報を集めて、離婚を決意したところで、本当にこれで良かったのか悩むことになります。また、修復を決意しても、修復というのは貴女一人で頑張っても、そもそも夫が浮気を止めない、修復の意思がまったくないときには、難しいのです。では、いったいどうすればいいのでしょうか?
修復の迷いがあるならば、まずは修復を頑張ってみる!
夫の浮気発覚と同時に離婚につき進む妻もいますが、修復を考えるかどうかはそれまでの夫婦関係が大きく関わってきます。もともと相性が悪い夫婦も沢山います。ですから周囲を見て結論を急ごうとせず、貴女が夫との修復を望む気持ちがあって迷っているならば、まずは修復を試みましょう。
ここで知っておいていただきたいのは、
「妻力をアップさせれば、必ず夫は戻ってくる?」
ということ。これはもうそうとは限らないのです。100%な妻なんて現実的ではありません。また、妻が優れているからといって、夫は浮気しない、というものでもありません。そして夫の人格もそう簡単に変えられるものではありません。
ですから、今からできることにベストを尽くし、それ以上は自分を責めるのはやめましょう。そもそも浮気した夫が一番悪いのですから。
自ら修復の可能性をつぶさないように注意したいこと
浮気発覚の際、夫を責め立てる妻は非常に多いです。これは、ほどほどでやめておきましょう。妻に責められて洗いざらいしゃべってくれる夫もいますが、貴女の責めに対し、ウソの上塗りをしていくタイプならば、要するに「真実を話したくない」ということは明白です。
その夫に対し、貴女が責め立て続けると、夫はウソの上塗りをしていくことになります。そして、貴女も、「こんなウソだらけの信じられない夫! 堪忍袋の緒が切れる」といったように、良い方には向かいません。実際、後者のウソをつくタイプの方が圧倒的に多いです。
浮気したら白状すべき、謝罪すべき、と思い込んでいる妻は多いのですが、このタイプの夫の場合は、対応を変えないと夫婦関係は簡単に悪化します。夫婦喧嘩を繰り返すことはやめて、早い段階で状況を見極め、次に証拠集めや示談など、修復に向けて方針をたてていくことが必要です。
修復がかなわない場合は、自然に心が決まってくる
浮気相手の属性、恋愛の進行度にもよりますが、修復は簡単ではありません。貴女が美しさを取り戻す、夫の喜ぶように料理を頑張る、夫に指摘された悪いところを直す、いろいろやっても夫に響かないこともあります。
それは浮気相手とは、”新鮮さ”で負けてしまうからです。夫自身が修復したい、と思ってくれないことも多いのです。貴女が忍耐強く頑張っても、夫は相変わらず不誠実な言動を繰り返すかもしれません。その他、示談という方法もあります。あれこれやっても夫に響かないならば、”待つ”を貫くでも良いでしょう。
ただ、妻の年代や価値観によりますが、不誠実な言動を夫が繰り返す場合は、最初は離婚を躊躇していた妻も徐々に離婚の決心がついてきます。「こんな人間だとは思わなかった」「人相が変わってしまって」とは、よくこの状況で妻が発する言葉です。夫が浮気を止めれば良いのですが、期待どおりにいかない場合は、妻も疲弊し、この苦しみを終わらせたいと思うようになります。
そうなったときに、自然に離婚を前向きに考えるようになります。経済的に離婚しても生活が大丈夫ならば、離婚しようかな、と。子供の受験や学区の理由により、近々離婚するのは都合が悪い場合は、離婚の決意はしていても、タイミングを何年か先にすることもあります。必ずしも、修復不可と離婚は同じではないので焦らずに。
修復がかなっても、安心してはいけない
では、妻の努力によって夫の心が妻のもとに戻ってきた場合はどうでしょうか? これは、本当に嬉しいことですね。大きな危機を乗り越え、妻として一回りも二回りも成長したことでしょう。
ただ、安心してはいけません。また同じ女性、または、違う女性との浮気が発覚するというケースも少なくないからです。“いつ頃?”というのはケースによりますが、数か月後ということもあるし、数年後ということもあるし、10年、20年後に浮気を繰り返すこともあります。実際50代、60代の夫の浮気も多いのです。
夫に誓約書を書かせたからまずは大丈夫、と思っていますか? 甘いです。浮気夫の場合は、そんなに簡単に誘惑を断ち切れるものではありません。「この夫、また浮気するかも」と頭のどこかに留めておいた方が良いでしょう。危機が去った後は、夫に罰を与えたり、監視するのではなく、夫婦の絆を強める時期です。以前の自分に妻として反省すべきところがあるならば改め、より妻としての力を蓄えていくために、大切に過したいですね。
行政書士 離婚カウンセラー 阿部貴子
一橋大経済学部卒、大手保険会社勤務後、専業主婦経験ありのアラフォー2女児の母の行政書士 離婚カウンセラー。