【アラフォーがキャリアを考える時 #3】アラフォーがついやってしまいがちなキャリアデザインの落とし穴

【アラフォーがキャリアを考える時 #3】アラフォーがついやってしまいがちなキャリアデザインの落とし穴

「このままでいいのかな?」そう考え転職を考え始める…年齢も年齢だし、最後の転職かも…と慌てて職探しをして、次の会社へ入って「あれ?こんなはずじゃなかった」と感じる。アラフォー女性のあるある話です。そこでキャリアカウンセラーの朝生容子さんにアラフォー女性が陥りやすいキャリアデザインの落とし穴について教えていただきました。


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経験や実績を積むほど“思い込み”が強くなる

アラフォーは、人生経験をある程度積み、情報網もある程度もっている年代です。そうした情報をもとにした成功体験や失敗から、自分なりの「経験則」が誰にでも多かれ少なかれあります。この経験則が、時に「思い込み」や「先入観」となって、ハッピーなキャリアを歩む上での障害となることがあります。

たとえば、第1回のAさん第2回でご紹介したBさん、どちらも「ワークライフバランスをとれるのは一般事務職」という強い思い込みを持っていました。世の中に流布する「ブラック企業」の話や、友人・知人の話などとご自身の経験から、そうした考えを持つに至ったのだと思います。また、テレビドラマなどで見る企業のOLがプライベートを楽しむ様子なども、その印象を強めたかもしれません。

一度、一般事務職の印象が強くなると、他の職種の可能性が目に入らなくなってしまうこともありがちなことです。その結果、「ワークライフバランスをとるためには一般事務職でないといけない」と強く思い込んでしまうのです。

別の世界の人との接触が自分の「思い込み」を防ぐ

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「その考えが、何を根拠に生まれたのか?」「その根拠は本当か?」などと自分の考えを常に俯瞰してみる癖をつけることで、こうした思い込みはある程度、避けられます。

また、自分とは異なる属性の人との接点を日頃から持つことで、自分の考えを客観視する機会を作ることができます。ずっと一つの会社に勤めてきた人であれば、他の会社の人と接点を持てる場に積極的に参加する。また、会社員ではないフリーランスや専業主婦の人と付き合ってみると、もっと異なった価値観に出会えるでしょう。

できれば、一定の期間お付き合いできるような場がお勧めです。習い事や何かのスクールに通ったり、サークルやNPOなど会社以外の組織に参加してみたりするのもいいでしょう。そうした出会いによって、自分が持っている常識が、必ずしも他の世界の常識でない、ということに気が付きます。これが、自分のなかで「あたりまえ」とされていることを見直す第一歩となるのです。

「資格がないと転職できない」は本当か?

転職や再就職を目指す方がよく口にする言葉に、「私は資格もないので難しいと思う」というものがあります。では、逆に、資格があれば転職できるのでしょうか?

その仕事をするための基本的知識を持っている証明として、資格は有効です。ただ、資格取得で学べるのは基礎レベルです。実務の場で成果を高めるには、資格レベル以上のスキルが必要なのです。

業務遂行能力を示す“スキル”は、実は階層を積み重ねて形成されています。(上図)「資格」は一番上のテクニカルスキルにあたります。

しかし、仕事は、テクニカルスキルだけで行うものではありません。たとえば、様々な事象から共通点や法則性を見出す「コンセプチュアルスキル」は、何か業務の改善を行うときなどには必要とされます。

また、コミュニケーションや協調性といった「ヒューマンスキル」は、社会で働く以上、誰にでも求められることは実感として理解いただけると思います。

ありがちなのは、最も外から見てわかりやすい「テクニカルスキル」にばかり目が行き、他のスキルの重要性を忘れてしまうこと。

アラフォー世代は、これまでの人生経験で、「コンセプチュアルスキル」や「ヒューマンスキル」を培ってきている方がたくさんいます。「テクニカルスキル」も必要ですが、ぜひご自分の「コンセプチュアルスキル」や「ヒューマンスキル」にも着目して、可能性をさぐってみてください。

現実を無視して「自分は例外」と思っていませんか?

思い込みや先入観は避けたほうが良いとはいえ、無視できない現実もあります。しかし、その現実を無視して、自分の希望条件を積み上げようとする方もいます。

その場合、3パターンに分けられます。

1、単に現実を知らない
2、現実を知っていても受け入れられない、もしくは自分は例外に当たると考えている
3、現実はよく認識したうえで、あえて条件を積み上げている

この中で、もっとも難しいのは“2”のタイプです。

“1”のタイプには、現実を提示することで納得していただけます。“3”のタイプは、現実を知ったうえで、希望している目的がはっきりされています。簡単ではないですが、目的達成に向けての対策は立てようがあります。それに対し“2”の方は、現実をわかっていながらそれを無視する行動をとるという、なかなか複雑な状況です。

現実を受け入れられない人は、まず希望条件の優先順位付けができていないようです。また、一度に理想のキャリアを実現しようとし、時間を追って段階的に何かを成し遂げようとする発想も不足しているように想います。

広告代理店で、約2年間、契約社員として営業の経験を積んでこられたCさんの例をご紹介しましょう。

経済的にご実家を支援する必要が生じたため、今より年収アップをしたいと転職のご相談にいらっしゃいました。さらに、この機に人事部門での正社員になりたいとのこと。Cさんの希望年収額は、現時点の1.5倍。日本での転職の場合、今の年収がよほど相場以下の場合を除き、現職と同じ仕事であればプラスマイナス1割が相場です。経験のない仕事に就く場合は年収ダウンすることも多いのです。

経験のある営業職であれば、正社員転換の可能性は高いうえ、インセンティブ制度の厚い会社を選べば、営業成績次第ではさらなる年収アップも可能です。

そこで、年収アップが最優先であれば、営業職での転職を目指した方がよいとアドバイスしました。ところが、「これ以上、年齢を重ねると人事を経験するのが難しくなる」と、あくまで職種にこだわります。結局、希望条件を少しも妥協されることはありませんでした。

この方の場合、段階を踏めば、人事部への異動の可能性はあったのではと思います。いったん営業職で転職し、新しい会社で採用の手伝いなどで人事との接点を持ち、異動を狙うという方法もあります。異動制度があるのが前提ではありますが、未経験求人がほぼない中で勝負に出るよりは、可能性は高かったのですが、残念ながら納得していただくには至りませんでした。

可能性が広がるアラフォー世代

聞いたことのある人も多いと思いますが、35歳を過ぎると日本では転職が難しくなる「転職35歳限界説」というものがあります。

しかし、『DODA』の調査によると、10年前に比べ、アラフォー世代の転職率は大幅に増えています。35~40歳の転職成功者の割合は全体の8.0%から14.6%に、40歳以上の転職成功者の割合は2.5%から16.2%になりました(DODA「みんなは何歳で転職している?
転職成功者の年齢調査(2016年下半期)」より)。

アラフォーのキャリアの可能性は広がりつつあります。それを活かすためにも、今回ご紹介した落とし穴を参考にしていただければ幸いです。

キャリアコンサルタント 朝生 容子



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この記事のライター

2012年にキャリアコンサルタント・研修講師として独立。社会人のキャリア相談に乗るほか、セミナーや研修講師、執筆等に取り組む。

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