
元祖・略奪愛! ドロドロストーリードラマ 『想い出にかわるまで』
今井美樹演じる“沢村るり子”は、石田純一演じる“高原直也”と婚約しています。ここに絡んでくるのが、松下由樹演じる“沢村久美子”。るり子の妹です。直也のことがずっと好きだった久美子は、るり子がちょっと迷いを見せた隙にするりするりと入り込み、直也を奪い、結婚までしてしまいます。当時、久美子のズルさを憎むあまり、「松下由樹を嫌い!」と言う人もいるほど、感情移入して観る人が多かったドラマですよね。ちょっとした社会現象です。そして、るり子を好きなのに、その妹と結婚しちゃう直也に本気でイライラした記憶もあるのではないでしょうか。
略奪愛のドラマということで、その後、出演者の実生活にもそのキーワードがちらついたりしたことで、たびたび注目を集めた作品でもあります。内容は、今でもしっくりきますが、ファッションはやはり時代を感じずにはいられません。当時ファッションリーダーでもあった今井美樹の太まゆ、ひさしのような前髪、真っ赤なリップ、肩パットなど、THE90年代ファッションをプレイバックできちゃいます。
ドラマの内容はかなりドロドロしていましたが、主題歌はとても前向きな曲でした。ダイアナ・ロスの「IF WE HOLD ON TOGETHER」。信じていれば夢はきっと叶うという内容ですが、略奪愛やら優柔不断やらを見せつけられたドラマなので、前向きなんかになれない! と感じていた人も多いかもしれませんね。
本当のあなたは誰? サイコパスの主人公に翻弄される『あなただけ見えない』
つい先日終了したドラマ『愛してたって秘密はある』でも、福士蒼汰が演じたキャラクターがサイコパスだった! という内容で話題を呼びました。いい男が演じるサイコパスは、ゾクゾク感が増して楽しさもアップしますよね。三上博史は野心家で冷酷な性格の“青田和馬”と心優しい穏やかな性格の“高野淳平”だけでなく、なんとなんと“明美”という攻撃的な女性を見事に演じ分けました。
このドラマ、展開が早過ぎてというより、三上博史演じる3人の人格がコロコロ入れ替わるのでジェットコースタードラマと言われていました。見逃しなんてもちろんNGですし、一瞬でもヒントや表情を見逃さないように画面を食い入るように見ていたものです。「再放送で観たい!」と思っても規制が入って放映できなそうなほど、月9とは思えない衝撃的な内容でした。淳平の恋人・恵は小泉今日子、恵の元恋人で恵に異常な執着を見せる光彦を本木雅弘が演じました。光彦の執着っぷりもなかなか見応えがありました。
しかしやはり見どころは、三上博史の怪演っぷりです。2重人格はよくありますが、性別の違うキャラをプラスした3重人格の演じ分けは見事のひとこと。狂気も美しく見えてしまうほどです。さらに、家の財産をめぐっての血族の争いがベースとなっているので、謎と陰謀と狂気が競演する、見どころだらけのドラマなのです。
ただただ織田裕二がかっこいい! クールなドクターにやられる『振り返れば奴がいる』
『踊る大捜査線』シリーズや、『お金がない』など、ちょっぴり3枚目な演技も魅力ですが、この作品では、とことんクールな織田裕二が堪能できます。織田裕二演じる“司馬江太郎”は、20代後半にも関わらず、天才的なメスさばきで名を馳せている外科医です。司馬が勤める天真楼病院にやってきたのは、石黒賢演じる正義感の強い外科医。対照的な性格を持つ2人は、ことあるごとに対立します。にらみ合っているシーンにゾクゾクしていた方も多いのではないでしょうか。
ドラマの最終回は衝撃的でした。実は石川はガンを患っており、助かる確率はほとんどゼロ。救えるのは司馬しかいない。いがみ合ってきた二人は、ドクターとクランケとして、最後の最後で力を合わせます。手術は成功し、笑顔で握手を交わした…と思った矢先に、石川の様態は急変し、帰らぬ人となってしまいます。司馬は病院を後にするのですが、街の中で、物思いにふけっていると衝撃が走ります。振り返るとそこには司馬に恨みを持ったまま病院を追われた平賀(西村雅彦)がいたのです。司馬の背中にナイフを突き立てて…。
どこまでもクールな織田裕二が観られるこのドラマの脚本は三谷幸喜。ゴールデンタイムで初めての脚本だったそうです。そしてなんといっても『振り返れば奴がいる』のヒットを後押ししたのが、CHAGE and ASKAの「YAH YAH YAH」です。ストーリーとリンクする歌詞がたくさんあって、イントロが流れただけで、体が揺れて、拳を突き出す準備をしてしまうアラフォーも多いのでは⁉
好きなものは変わらない! 今観ても違和感なしのドラマを再確認!
時代は変わっても”観たい!”と思うドラマのテーマは変わらないものですね。ドラマは流行を表しているとも言われますが、今回ご紹介したドラマは、今観てもまったく違和感がありません。懐かしみながらも、「やっぱり良くできたドラマ」と再確認できるはず。改めてその魅力を堪能してみてはどうでしょうか。
”女性のキレイ”を応援する映画を、どんどんご紹介していきます。