「冷却期間の別居」にちょっと待った! 困った事例から学ぶ別居のポイント【離婚を考えた時知っておくべき知識 #7】

「冷却期間の別居」にちょっと待った! 困った事例から学ぶ別居のポイント【離婚を考えた時知っておくべき知識 #7】

「冷却期間の別居」と言う聞こえの良い言葉。周囲から薦められている人もいるでしょう。しかし、その聞こえの良い「冷却期間の別居」という言葉が、ひとり歩きしてしまい、安易に別居に踏み切って後悔する妻は実はとても多いのです。別居は上手く活用すれば、良い手段なのですが、奥深いのです。夫婦喧嘩の絶えない日常=冷却期間の別居 とい


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「冷却期間の別居」聞こえはいいけど、こんな問題が

夫婦喧嘩が絶えず、どうにもならない夫婦関係。そこで、周囲などから冷却期間の別居を薦められたAさん。

夫婦で話し合い、しばらく「冷却期間の別居」をすることにしました。1か月間妻が実家に戻る形で別居して、お互い頭を冷やし、再び話し合って同居に戻るという計画でした。

その後、どうなったか?

1か月経とうとする頃に、再び妻が夫のいる自宅に戻ろうと話を持ち掛けても、もはや夫の態度はガラッと変わり、冷たい対応なのです。当初の約束もどこかへ行ってしまい、「もう帰ってこなくて良い。離婚を進めたい」とのこと。

Aさんにとっては、修復を考えての別居のはずでした。夫の予期せぬ変化に困ってしまっている状態です。

次に、Bさんの事例をご紹介します。

夫と性格の不一致。嫌で嫌で、家を出て一人暮らしを始めたBさん。

夫からは、Bさんに対し「戻ってきてくれ」も「じゃあ、離婚しよう」と言ってくる気配もありません。この先、どうしようかということについては特に計画もなく家を出たため、月日がどんどん経って貯蓄も減っていきます。

1年経ち、状況はこのまま変化がありません。

ただ、生活の苦しさもあり、「自分が安易な考えで家を出てしまった。本当はこれぐらい我慢するべきだったのではないか?」という後悔がムクムクと頭をもたげ、今となっては後悔ばかりの別居生活を送っています。

どちらも、よくある事例です。
何が問題かというと、「出口」をどうするか?全く考えずの、”とりあえずの別居”という点です。専門家が「冷却期間の別居」をアドバイスしてきた場合は、その別居後の可能性とそれぞれの対応方法についても、確認しておくことが大切です。

前述のAさんBさんのような状況に陥っている方は、出口についてろくに考えていないことが多いです。周囲や専門家にすすめられたという程度か、「その時、考えましょう」と言われて、納得してしまったんですね。

本気の覚悟がつくまでは、安易に別居しない

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DVのケースなど、当てはまらないケースもありますので、個々の判断は必要ですが、基本的なスタンスとしては、「離婚を決意するまでは自分から別居はしない」ということが鉄則です。“離婚の決意”というのは、“すぐに離婚を進める”ということと同じ意味合いではありません。

中途半場な気持ちで別居すると、別居の間は新たな喧嘩がないために、段々気持ちが落ち着いてきて「私、やりすぎちゃったかしら? 我慢が足りなかったかも」と言う気持ちになり、修復の余地があったのかも、と考え始めます。

目の前から逃げ出したいだけの別居は、もう嫌なことが新たに起きないために離婚に突き進むエネルギーも沸いてこず、かといって「また修復か?」となると、「今さら家に戻れるかしら?」とズルズルしてしまうのです。

または、Aさんのように、覚悟がまだできていないのに、離婚の方向に加速していってしまうこともあります。つまり、「冷却期間の別居」というのは、その出口を考えていないことに問題があります。1か月後に話し合って、また同居を考えていたということですが、気持ちの変化の可能性について、あまりにも考えなさすぎです。

”別居”という大きな一線を越えてしまったAさん夫婦。今まで喧嘩が絶えなかった状態で別居すると、最初の1週間程度は「大変なことになった」とショックを受けている状態ですが、徐々に慣れていきます。そして生活が落ち着いて楽になるんですね。そんな中、またあの喧嘩の絶えない日常に戻りたいと、相手が思うかどうか? 1か月は思ったよりも長いです。一人でいることに慣れることも人によってはできてしまいます。

Aさんのような事態に陥った方は多いです。その上で、「冷却期間の別居」が最善策かどうか、他に方法はないかを考えるのです。

しかし「どうせ同居を続けていても、離婚になるんでしょう?」と思われるかもしれません。もしも離婚になってしまったとしたら、同じ結果と言えますが、妻の気持ちは大きく異なります。

「安易に家を出て、自ら離婚への道筋をつくってしまった」と、悔みきれない心境に陥ります。

「こんなに悪化して、もうこの夫婦関係は修復の余地が無い!」と納得して離婚に踏み切るのとは、大きく異なるのです。

別居は奥深い。期間でも大きな違いが出てくる

離婚を考えていないなら、冷却期間の別居にしろ、里帰りにしろ、期間は出来る限り短い(1日など)方が良いでしょう。そして、そもそも他に策がないのか、よく考えることです。

私自身、冷却期間をおくための別居というのは、カウンセリング時に全くアドバイスしておりません。おススメしておりません。里帰りも、出来る限りしないほうが良いと思っています。どうしても里帰りする場合は、2,3週間程度にしておいた方が良いでしょう。体調の問題など、事情がある場合は、ケースバイケースです。里帰りというしっかりとした名目があっても、里帰りによる夫婦関係悪化(浮気の問題)というのは、起きてしまうのです。

別居と同居を何度も繰り返す夫婦もいます。性格の不一致等で、どうしても夫婦関係が上手くいかず、年単位で別居しているけれど、また同居する夫婦もいます。離婚はとにかく避けたい、別居同居を繰り返しても、婚姻関係を続けたいという考え方もあります。

ここをどう考えるかは、妻の価値観によりますが、もし、「本当に無理だったら離婚する」という考えの方ならば、離婚の覚悟ができるまで、別居せず同居していた方が良いです。よほど頭に来た場合も1日程度の家出にしましょう。

離婚の覚悟が出来てから、上手に別居を使う

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ここまでは、離婚の覚悟ができていない段階での別居について説明してきました。

どちらかというと自分から望んだ別居というのは、離婚を覚悟した場合か準備ができ次第離婚しよう、という考えに至ってから策として使うものです。離婚したいのに、夫が応じてくれないケースでは、効果的に別居を使うことが多々あります。ただ、内容証明郵便を使ったりすることもありますので、専門家のサポートをお薦めします。

夫との力関係で、同居のままだと怖くて協議できない、というときも別居を使います。夫の凶暴さも妻なら予め想定できることが多いと思います。そうであれば、同居時に、自分達だけの協議で離婚を進めるのか、居場所を隠して代理人を立てて協議するのか等も事前に計画を練って準備をしておきたいところです。

もうこの結婚生活は限界だけど、生活費の関係でまずは別居、ということもよくあります。夫と別居についてどれくらい合意できそうなのか、夫の経済力、信頼度などをもとに、計画と策を練ってから別居の行動を起こすのです。つまり、別居は安易に進めるものではなく、事前に可能性を探り、様々な方法を考えたうえで、策として用いるのがベスト、とういことです。

別居は、”とりあえずする”ものではないことがお分かりいただけましたでしょうか? 知識をつけて、出来る限りベストを尽くし、平穏な日常を取り戻してくださいね。

離婚カウンセラー 阿部 貴子

【関連】WOMe編集部チェック!「婚姻費用」ってなに?

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「婚姻費用」という言葉をご存知でしょうか?別居をするならぜひ知っておいて欲しい言葉です。「婚姻費用」とは夫婦と未成年の子どもが生活をしていく上で必要なお金です。家賃や食費、光熱費、衣服費などの生活費です。夫婦は収入の高い低いに関わらずそれぞれ婚姻費用を分担する義務があります。

別居していてもそれは変わりません。婚姻費用は夫婦の年収と子どもの年齢、人数などによって異なります。別居の場合にはまず夫婦で婚姻費用について話し合います。それで決まらない場合には裁判所に申し立てて調停委員を交えた話し合いで決めます。妻より収入の高い夫が支払ってくれない場合には婚姻費用分担請求をすることができます。

必ず泣き寝入りなどはせず、婚姻費用を受け取るようにしましょう。



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この記事のライター

一橋大経済学部卒、大手保険会社勤務後、専業主婦経験ありのアラフォー2女児の母の行政書士 離婚カウンセラー。

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