【アラフォーがキャリアを考える時 #7】部下に対してやってはいけないこと、やるべきこと

【アラフォーがキャリアを考える時 #7】部下に対してやってはいけないこと、やるべきこと

アラフォーになると上司という立場で部下をマネジメントする方も多くいらっしゃるでしょう。いざ、マネジメントしようとするとどうしていいか分からない…。部下が自分のいうことを聞いてくれなかったり、どう仕事をお願いすればいいかわからない、というお悩みを持っている方も多いです。そこで今回は現代のリーダー像についてお話します。


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「上司」という役割にまつわる誤解

「アラフォー」は、社会人人生で転機を迎える人が多い年頃です。

前回「更にステップアップしたい!そう感じたらやるべきこと」では、キャリアの天井にぶつかった場合を取り上げましたが、一方で、昇進し、“初めて部下を持つ”という転機を迎える方もいます。

部下を持つということは、これまでの働きが評価されてのことですから、おめでたいことではあります。しかし、部下にどう接したらよいか、戸惑ってご相談に来られる方も少なくありません。

私がこれまで受けた「部下との接し方」のご相談を振り返ると、上司としてのあり方について、かなり誤解があるように思います。特に多いのが、「上司である自分がすべて意思決定し、部下はその決定に従って動くべきだ」というもの。今回は、そうした誤解を解きほぐしていきたいと思います。

自分の命じたことに従わない部下に悩んだIさんの例

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数年前にご相談に来られたIさんも、そんな上司のイメージを持った方でした。営業部門から新規事業部門に異動となり、初めて部下を持つことになりました。

Iさんを抜擢してくれた上司が、カリスマ性があり情熱的で、部下をぐいぐい引っ張っていく方だったそうです。そんな上司を見てきたIさんも、「部下に対してはあんなふうに接しなくては」と思っていたそうです。

ところが、Iさんは着任早々、壁にぶつかります。いかに熱く命じても、部下は反論してなかなか従ってくれません。日が経つにつれ、部下との距離は開くばかり…。

「部下たちは、新規事業のために各部署から集められた精鋭たち。それなのに、私はロクな成果を上げられないんです」

このままだと、自分は降格になるかもしれない…と思い詰めて相談にいらっしゃいました。

女性がチームのトップになると、注目度も高いこともあり、成果を出そうと肩に力が入ります。自分の考え通りに部下に動いてもらいたいと、強い態度に出てしまうことがあります。逆に、部下に「命じる」ことに抵抗があり、自分で仕事を抱え込んで悩む人もいます。

どちらのケースも、「部下に命令するのが上司の役目」と思い込んでいる節があります。

「部下に奉仕すること」が現代のリーダー像

ここで改めて考えたいのが、「リーダーの役割」です。「命令しなくては」と思うのは、チームの成果を挙げなくてはいけないという責任感があるからですよね。

実は、成果をあげる理想的なリーダーの在り方は、学術的な研究でも、時代と共にその定義が変わってきています。最近、注目されているのが「サーバント・リーダー」というものです。

「サーバント」とは「奉仕者」という意味。つまり、リーダーとは、部下を自分に従わせることが求められるのではなく、部下が働きやすいよう、成果を出しやすいよう、「奉仕する」存在であるといわれるのです。

こう考えると、上司だからといって、部下に強く命令することが役割として求められているわけではないことがお分かりいただけると思います。

「奉仕する=部下の機嫌をとること」ではない

サーバント・リーダーの概念をもとにすると、組織の形も変わってきます。従来は社長がトップにあるピラミッド型の組織の形も、現場で実際に作業している人が上にくる逆ピラミッド型に描かれるのです。

では、「部下が気持ちよく働くために奉仕する」には、上司は部下より下手に出なくてはならないのでしょうか? 部下のご機嫌を取る必要があるということでしょうか?

そうではありません。

ここでいう「奉仕」は「自分のことを部下から良い人と思ってもらうため」といった理由ではありません。極めて経営的かつ、現実的な目的によるものです。

以前は、ビジネス経験豊かなリーダーがトップにあり、意思決定したことを組織に命じ、部下は命令通りに動くことが求められていました。過去の経験が生きる時代であれば、リーダーは経験にもとづいて、それだけ的確な決断ができたのです。

しかし今は、ビジネスの環境が目まぐるしく、そして大きく変わる時代です。環境が変わった時に、従来のようなピラミッド型の組織で、いちいちトップに意思決定を求めていたら、対応が間に合いません。また下手をすると、過去の経験からの判断は通用しないこともあります。今はお客様との接点の第一線を預かる人が、的確に判断し対応することが求められます。

したがって、リーダーの役割は、自分がすべてを決めて部下に命じることから、第一線の現場にいる部下が的確な対応をとれるよう、様々な形で支援することに移ってきているのです。

組織の成果を高めるのに必要な「安心感」

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では、部下を甘やかすことではないとしたら、上司が行うべき「支援」とは、具体的にどんなことを指すのでしょうか?

前述のIさんは、私に相談された後、「自分が何でも決める」というスタンスを止められました。積極的に、わからないことはわからない、と伝えるようにしたそうです。

「徐々に部下との垣根が低くなり、協力してくれるようになりました。自分が『できないリーダー』であることを白状するようで、部下から信頼されなくなったらどうしよう?と心配していたのですが、それも杞憂でした」
Iさんは、そんな風に語られていました。

ここで疑問に思われる人も多いと思います。上司が、自分がわからないことを告白することが、なぜ部下の「支援」につながるのでしょうか?それは、チーム内の「心理的安全性」が関係しています。

「こんなことを言ったらチームメイトから馬鹿にされないだろうか」、あるいは「リーダーから叱られないだろうか」といった不安を、チームのメンバーから払拭することを専門用語では「心理的安全性」と呼びます。米国Google社が、生産性の高いチームを研究したところ、こうした心理的安全性が高いことが間接的にではあるものの、チームの生産性を高めるカギであることがわかったそうです。

そうした心理的安全性は、自分をさらけ出すことで醸成されるといいます。Iさんのとった、自らの弱い部分を部下にさらけ出す行動は、部下にとっても、安心して自分の弱い部分を見せられることにつながったのでしょう。

自分の弱点をさらけ出すと同時に、Iさんは、「チームリーダーとして、これは自分で必ずやりとげる」部分を、部下たちに伝えたそうです。自分が不得意な部分を示すことが「上司が部下に甘えている」と思われないように、チームリーダーとして求められる重要な役割が何かを考え、それを担うことを伝えたそうです。

「上司」の役割は、チーム全体の成果を高めることです。そのためには、「自分が完璧でないといけない」わけではないのです。チームメンバーが自分の「弱点」について、上司から攻撃されないか不安に感じずに済むような雰囲気をつくることが大切です。そして、その第一歩は、上司自らが自分の弱点をさらけ出すことなのです。

キャリアコンサルタント 朝生 容子



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この記事のライター

2012年にキャリアコンサルタント・研修講師として独立。社会人のキャリア相談に乗るほか、セミナーや研修講師、執筆等に取り組む。

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