【アラフォーがキャリアを考える時 #7】部下に対してやってはいけないこと、やるべきこと

【アラフォーがキャリアを考える時 #7】部下に対してやってはいけないこと、やるべきこと

アラフォーになると上司という立場で部下をマネジメントする方も多くいらっしゃるでしょう。いざ、マネジメントしようとするとどうしていいか分からない…。部下が自分のいうことを聞いてくれなかったり、どう仕事をお願いすればいいかわからない、というお悩みを持っている方も多いです。そこで今回は現代のリーダー像についてお話します。


▶この記事をWOMeのアプリでサクサク読もう♡ コスメから大人の恋愛事情まで…

「上司」という役割にまつわる誤解

「アラフォー」は、社会人人生で転機を迎える人が多い年頃です。

前回「更にステップアップしたい!そう感じたらやるべきこと」では、キャリアの天井にぶつかった場合を取り上げましたが、一方で、昇進し、“初めて部下を持つ”という転機を迎える方もいます。

部下を持つということは、これまでの働きが評価されてのことですから、おめでたいことではあります。しかし、部下にどう接したらよいか、戸惑ってご相談に来られる方も少なくありません。

私がこれまで受けた「部下との接し方」のご相談を振り返ると、上司としてのあり方について、かなり誤解があるように思います。特に多いのが、「上司である自分がすべて意思決定し、部下はその決定に従って動くべきだ」というもの。今回は、そうした誤解を解きほぐしていきたいと思います。

自分の命じたことに従わない部下に悩んだIさんの例

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

数年前にご相談に来られたIさんも、そんな上司のイメージを持った方でした。営業部門から新規事業部門に異動となり、初めて部下を持つことになりました。

Iさんを抜擢してくれた上司が、カリスマ性があり情熱的で、部下をぐいぐい引っ張っていく方だったそうです。そんな上司を見てきたIさんも、「部下に対してはあんなふうに接しなくては」と思っていたそうです。

ところが、Iさんは着任早々、壁にぶつかります。いかに熱く命じても、部下は反論してなかなか従ってくれません。日が経つにつれ、部下との距離は開くばかり…。

「部下たちは、新規事業のために各部署から集められた精鋭たち。それなのに、私はロクな成果を上げられないんです」

このままだと、自分は降格になるかもしれない…と思い詰めて相談にいらっしゃいました。

女性がチームのトップになると、注目度も高いこともあり、成果を出そうと肩に力が入ります。自分の考え通りに部下に動いてもらいたいと、強い態度に出てしまうことがあります。逆に、部下に「命じる」ことに抵抗があり、自分で仕事を抱え込んで悩む人もいます。

どちらのケースも、「部下に命令するのが上司の役目」と思い込んでいる節があります。

「部下に奉仕すること」が現代のリーダー像

ここで改めて考えたいのが、「リーダーの役割」です。「命令しなくては」と思うのは、チームの成果を挙げなくてはいけないという責任感があるからですよね。

実は、成果をあげる理想的なリーダーの在り方は、学術的な研究でも、時代と共にその定義が変わってきています。最近、注目されているのが「サーバント・リーダー」というものです。

「サーバント」とは「奉仕者」という意味。つまり、リーダーとは、部下を自分に従わせることが求められるのではなく、部下が働きやすいよう、成果を出しやすいよう、「奉仕する」存在であるといわれるのです。

こう考えると、上司だからといって、部下に強く命令することが役割として求められているわけではないことがお分かりいただけると思います。

「奉仕する=部下の機嫌をとること」ではない

サーバント・リーダーの概念をもとにすると、組織の形も変わってきます。従来は社長がトップにあるピラミッド型の組織の形も、現場で実際に作業している人が上にくる逆ピラミッド型に描かれるのです。

では、「部下が気持ちよく働くために奉仕する」には、上司は部下より下手に出なくてはならないのでしょうか? 部下のご機嫌を取る必要があるということでしょうか?

そうではありません。

ここでいう「奉仕」は「自分のことを部下から良い人と思ってもらうため」といった理由ではありません。極めて経営的かつ、現実的な目的によるものです。

以前は、ビジネス経験豊かなリーダーがトップにあり、意思決定したことを組織に命じ、部下は命令通りに動くことが求められていました。過去の経験が生きる時代であれば、リーダーは経験にもとづいて、それだけ的確な決断ができたのです。

しかし今は、ビジネスの環境が目まぐるしく、そして大きく変わる時代です。環境が変わった時に、従来のようなピラミッド型の組織で、いちいちトップに意思決定を求めていたら、対応が間に合いません。また下手をすると、過去の経験からの判断は通用しないこともあります。今はお客様との接点の第一線を預かる人が、的確に判断し対応することが求められます。

したがって、リーダーの役割は、自分がすべてを決めて部下に命じることから、第一線の現場にいる部下が的確な対応をとれるよう、様々な形で支援することに移ってきているのです。

組織の成果を高めるのに必要な「安心感」

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

では、部下を甘やかすことではないとしたら、上司が行うべき「支援」とは、具体的にどんなことを指すのでしょうか?

前述のIさんは、私に相談された後、「自分が何でも決める」というスタンスを止められました。積極的に、わからないことはわからない、と伝えるようにしたそうです。

「徐々に部下との垣根が低くなり、協力してくれるようになりました。自分が『できないリーダー』であることを白状するようで、部下から信頼されなくなったらどうしよう?と心配していたのですが、それも杞憂でした」
Iさんは、そんな風に語られていました。

ここで疑問に思われる人も多いと思います。上司が、自分がわからないことを告白することが、なぜ部下の「支援」につながるのでしょうか?それは、チーム内の「心理的安全性」が関係しています。

「こんなことを言ったらチームメイトから馬鹿にされないだろうか」、あるいは「リーダーから叱られないだろうか」といった不安を、チームのメンバーから払拭することを専門用語では「心理的安全性」と呼びます。米国Google社が、生産性の高いチームを研究したところ、こうした心理的安全性が高いことが間接的にではあるものの、チームの生産性を高めるカギであることがわかったそうです。

そうした心理的安全性は、自分をさらけ出すことで醸成されるといいます。Iさんのとった、自らの弱い部分を部下にさらけ出す行動は、部下にとっても、安心して自分の弱い部分を見せられることにつながったのでしょう。

自分の弱点をさらけ出すと同時に、Iさんは、「チームリーダーとして、これは自分で必ずやりとげる」部分を、部下たちに伝えたそうです。自分が不得意な部分を示すことが「上司が部下に甘えている」と思われないように、チームリーダーとして求められる重要な役割が何かを考え、それを担うことを伝えたそうです。

「上司」の役割は、チーム全体の成果を高めることです。そのためには、「自分が完璧でないといけない」わけではないのです。チームメンバーが自分の「弱点」について、上司から攻撃されないか不安に感じずに済むような雰囲気をつくることが大切です。そして、その第一歩は、上司自らが自分の弱点をさらけ出すことなのです。

キャリアコンサルタント 朝生 容子



本サイトに記載する情報には充分に注意を払っておりますが、この記事の情報及びこの情報を用いて行う利用者の判断について、完全性、正確性、有益性、特定目的への適合性、その他一切について責任を負うものではありません。この記事の情報を用いて行う行動や、判断・決定は、ご自身の責任において行っていただきますようお願い致します。

この記事のライター

2012年にキャリアコンサルタント・研修講師として独立。社会人のキャリア相談に乗るほか、セミナーや研修講師、執筆等に取り組む。

関連する投稿


独立・開業に必要な経営ノウハウが知りたい!【じぶんのお店 独立・開業ノウハウ】

独立・開業に必要な経営ノウハウが知りたい!【じぶんのお店 独立・開業ノウハウ】

独立・開業を目指す時に必ず気になるのは“お金”のコト。いざ開業したのは良いけれど、どのくらいの年収になるのか、確定申告などどうしたらいいのか、そもそもどんな時に潰れてしまうのか…。スタートする前に心構えとして知っておきたいお金の話についてお伝えします。


2018年今年こそ独立開業したい!【じぶんのお店 独立・開業ノウハウ】

2018年今年こそ独立開業したい!【じぶんのお店 独立・開業ノウハウ】

2018年がスタートしました! 新年の抱負にどんなことを思いましたか? 今年こそ、夢を叶えるために独立・開業を決意した方もいるのではないでしょうか? そんなあなたの背中を押す、珠玉の記事を5つご紹介します。きっとお役に立つこと間違いなしですよ。


1日1分!40代からの基礎代謝アップのコツ【更年期は人生が輝くチャンス #11】

1日1分!40代からの基礎代謝アップのコツ【更年期は人生が輝くチャンス #11】

「20代は食べても食べても体型が維持できていたのに、今は空気を吸うだけで太る気がします‥」どうしても年齢とともに基礎代謝は下がりがちです。基礎代謝が下がると、カラダに脂肪がつきやすくなるだけでなく、体温が下がり、免疫力の低下にも影響します。そこで、今回は生活の中でも無理なくできる基礎代謝アップの方法をご紹介します。


男性上司の態度が冷たい気がします…【“ロジかわ”で男女間のお悩み解消!#2】

男性上司の態度が冷たい気がします…【“ロジかわ”で男女間のお悩み解消!#2】

職場の人間関係は、日常生活でとても大事なもの。毎日、顔を会わせる人たちなので、円滑なコミュニケーションがとれたらいいですよね。今回は、職場の男性上司のことで悩んでいるアラフォー女性の相談を、「ロジかわ」思考で解消します。


【エモまと】私の人生このままでいいのかな? そんな迷いもアラフォーあるある!

【エモまと】私の人生このままでいいのかな? そんな迷いもアラフォーあるある!

【エモまと】とは“エモーショナルなまとめ記事”の略称。つまり、気分で読みたい記事をご紹介する、ということなんです。WOMeで掲載されている記事の中からあなたの気分にぴったりのものをテーマごとに5つ厳選。泣きたいとき笑いたいときなんだかしょんぼりしちゃってるとき。WOMeの記事を読んで、満たされてくださいね。


最新の投稿


差別にグサッ!「だから結婚できないんだ」と言わせない生き方とは?【神崎桃子の恋愛指南 #29】

差別にグサッ!「だから結婚できないんだ」と言わせない生き方とは?【神崎桃子の恋愛指南 #29】

「だから結婚できないんだ」なんて、本当に大きなお世話ですよね。そんなこと言われたら怒りで頭が爆発してしまいそうです。しかし…恋愛コラムニスト神崎桃子さんのコラムを読むと言われてみれば…と胸が痛くなることも…。最終的に「確かにそうだよね!」と思える納得の結末なのでぜひ最後までお読みください。


「AVON(エイボン)女性年度賞2017」授賞式に行ってまいりました!

「AVON(エイボン)女性年度賞2017」授賞式に行ってまいりました!

2018年1月29日(月)マンダリン オリエンタル ホテルにて「AVON(エイボン)女性年度賞2017」の授賞式が行われました。高い志と情熱、行動力をもって信じた道を歩み続ける女性たちを応援し続けることを目的に今年38回目を迎える「エイボン女性年度賞」。今年も各界の第一線で活躍する素晴らしい女性たちが受賞しました。


「恋愛してから結婚♡」そのこだわりは捨てましょう【菊乃流 アラフォー本気の婚活術 #16】

「恋愛してから結婚♡」そのこだわりは捨てましょう【菊乃流 アラフォー本気の婚活術 #16】

「婚活してまで結婚したいわけじゃない」「自分からガツガツ行くのはみっともない」と思って気が付いたらアラフォーだったという独身女性たち。幸せな結婚生活を送ることと自然な出会いの恋愛結婚は何の関係もないのに変にこだっていませんか? アラフォーがしがみつく執着をご紹介します。これ、捨てたほうが楽になりますよ。


宮本真知のタロット占い【2月19日(月)~2月25日(日)の運気】

宮本真知のタロット占い【2月19日(月)~2月25日(日)の運気】

あなたの心に寄り添いながらそっと背中を押してくれると評判のタロット占い師、宮本真知がお届けする週間タロット占い。直観を信じて…今週のあなたの運気は?


実践!五感を使った様々なマインドフルネスの方法【大人のマインドフルネス入門#7】

実践!五感を使った様々なマインドフルネスの方法【大人のマインドフルネス入門#7】

坐って瞑想するだけでなく、体の感覚に集中したり体を動かしたりするマインドフルネスの方法もあります。体のどこかに意識を向け続ける時間を作るだけで、不思議とモヤモヤした気持ちが晴れてすっきりします。







よく読まれている人気記事


>>総合人気ランキング
WOMeアプリダウンロードバナーPC_news_フッター