【アラフォーがキャリアを考える時 #8】働き続けたいあなたへ~「我慢」せず主張し、仲間を見つけよう!

【アラフォーがキャリアを考える時 #8】働き続けたいあなたへ~「我慢」せず主張し、仲間を見つけよう!

キャリアコンサルタント朝生容子さんの連載もいよいよ今回が最終回。女性が働くということを考えた時、社会や家族などのしがらみのなかで、困難が待ち構えていることもあります。そんな日々を精一杯送るすべての女性たちへ朝生さんからのメッセージです。


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「働く」のはお金のため?

先日行われた大学時代のサークルの集まりで、女性が働くことということについて、改めて考える経験をしました。

私が数年前に会社を辞め、フリーランスのキャリアコンサルタントとして働いていることを伝えたとき、ある先輩からこんなことを言われましたのです。

「だんなさんは大企業勤務なんだ。じゃあ、別にそんなに一生懸命働かなくてもいいじゃん」

確かに私は、定収のある夫のおかげで、収入が安定しないフリーランスであっても、明日の生活を心配する必要はありません。先輩の言葉には、「夫が妻を養っているなら、妻は、わざわざ外に出て働かなくてもよいではないか」というニュアンスと、「外で働くことは大変で負荷の多いもの」という前提を感じました。


経済的心配がないなら、外で働く必要はないのでしょうか?
キャリアを中断する人は、結婚などで経済的心配がなくなったから、離職しているのでしょうか?

男女の伝統的役割分担は、「愛情」ではなく「搾取」?

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こうした割り切れない思いを、鮮やかに切り取って見せてくれたのが、昨年、ドラマとしても大ヒットした漫画「逃げるは恥だが役に立つ」(以下、「逃げ恥」)でした。

大学院まで出たものの就職に失敗、かつ派遣切りにあって無職となった主人公、森山みくり。彼女が、父親の知人の津崎平匡の家で家事代行の仕事を始めたところから物語はスタートします。その後、お互いの事情から「契約結婚」という形態をとりながら、同居することになります。しかし、一緒に生活をするうちに、お互いに惹かれ合い、最終的に本当の結婚に至るというお話でした。

みくりは、平匡からのプロポーズを聞くうちに、嬉しさと同時に、もやもやとした疑問が湧いてきます。恋愛関係になる前の家事代行業を請け負っているうちは、家事について現金で報酬をもらっていました。ところが、平匡の言葉から、結婚後、みくりは「主婦」として、無償で家事労働をすることを想定していることがわかったからです。

結婚によって、みくりの生活は保障されます。働いて収入を得る必要はありません。しかし、その「仕事」が、自宅の「家事」であったとしたら?今まで有償で行っていたものが、「結婚」を経たことで「愛する人のために行う」ものとして無償提供することになるのでしょうか?

疑問を抱いたみくりは、平匡にこう指摘します。「それって“愛情の搾取”です」と。

「家族を養うのは男の甲斐性」という言葉に象徴されるように、夫が外で働いて収入を得て妻が家にいてもらうことは、もしかしたら、夫からすると、外の世界の厳しさから妻を守る愛情表現の一種であるかもしれません。平匡さんも、無意識にそう考えていたのではないでしょうか。

ところが、妻のみくりからすると、それは「愛情」というより「搾取」であると感じてしまう。その大きな認識ギャップを「逃げ恥」は提示したのでした。

平匡は、契約結婚をするにあたり、家事業務の報酬として、各種生活費を差し引いたうえでの月給19万4千円を支払う雇用契約を結びました。その算出の基となったのが、内閣府経済社会総合研究所が2011年に算出した専業主婦の無償労働評価額(年齢平均)の 304.1 万円です。

しかし、現実には通常の結婚において、家事労働に現金報酬を支払うことは稀です。家事代行業者であれば金銭を払っていても、妻が専業主婦として家事全般を担った場合は支払わないでしょう。

そこには、「家族への愛情があるなら無償労働は当たり前」といった隠された前提があります。夫が、自分が外に出て厳しい世界から妻を守る代わりに、妻には家事労働で愛情表現を求めているとも解釈できるのではないでしょうか。

もちろん「愛があるならお金はいらない。好きな人のためなら喜んで家事をするわ」という人もいるでしょう。その価値観は否定しません。しかし「逃げ恥」のみくりは、そうしたタイプではありません。仕事がないからといって実家に居候することを良しとせず、経済自立のために市議会議員立候補の可能性まで探る女性です。

平匡さんが当初、想定した「みくりが無償で家事、自分は外で働き続ける」という家庭像は、愛情のようであって、実はみくりの価値観や意欲を軽視したものだったのです。それは、本当の愛情とは言えません。

働き続けられる環境への阻害要因の一つは女性の「我慢」

私は、女性の多くは、みくりのように、自分がどうしたいかをもっと主張することが必要であると感じています。女性からキャリアの相談を受ける中で、「我慢」している人が多いことが非常に気になっているからです。結果的に、その「我慢」が、女性自身の働きやすい環境作りを阻害しているようにも思えます。

日本は男女の賃金格差の大きい国です。厚生労働省の2016年の調査によると、フルタイムで働く女性の平均賃金は男性の賃金の73%です。先進国の中でも日本は、韓国、エストニアに次いで3番目に格差が大きいことが報告されています(経済協力開発機構(OECD)2014年調査)。

その理由は様々で複雑に絡み合っていますが、女性の働くことと直接関係するものとしてあげられるのが、「職場での男女の職種の差(例:一般事務は女性が担い、管理職は男性)」「女性がキャリアを中断することによる昇格・昇進の差」「女性の非正規雇用の多さ」です。

この3つはお互いに関連しあっており、共通して根底にあるのは、「家事・育児労働は女性が担うもの」という意識です。

たとえば、共働きの夫婦に子供が生まれた場合を考えてみましょう。(もちろん例外はありますが、一般論として考えてください)

夫の方が、給与が高い職種についている可能性が高く、将来を考えても昇格の可能性が高いので、経済的要因から妻の方が退職をする方が合理的と考えられます。妻が仕事を続けたとしても、育児との両立を考えて、仕事をセーブします。

両立が難しくなった場合、育児のために妻がフルタイム勤務を諦め、離職します。
復職するにしても、両立を考えて、負荷や責任がそれほど重くない仕事を求めます。あるいは、会社や上司が、両立の負担を考慮して、責任の重くない仕事を与えます。その結果、契約社員や派遣などの仕事に就く可能性が高くなります。

両立を考えて責任の重くない仕事を担当したとしても、「子どもを犠牲にしてまで続ける仕事ではない」と考え、離職することも少なくありません。

もし、あなたが「働き続けたい」と考えても、現状のビジネスの仕組みの中では、妻の方が働くことをセーブしたり、諦めたりすることの方が、合理的になってしまうのです。その結果、女性の「働きたい」という感情は、押し殺されたままになってしまいます。

もっと感情的に! もっとつながりを!

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この状況を変えるのは、女性側が「働きたい」という思いを伝え続けていくことだと思います。ここでは、理屈だけで考えないで。あなたの感情を大切にしてください。

平匡さんのように(もしかしたら、あなたの会社の上司も)、女性を保護することが愛情や配慮であるという意識を持っている男性は根強くいます。「良いこと」と思い込んでいて、確かにありがたいことではあるので、なかなかそれを否定するのは女性にとっても勇気がいります。しかし、そこで遠慮や我慢をしていては、いつまでたっても状況は変わらないでしょう。

また、個々ではパワーが足りないので、女性同士がつながり、まとまった声とし伝えていくことも重要です。仲間が伝える姿を見て、自分も一歩踏み出せることもあります。男女雇用均等法世代の私として心強いのは、私たちの時代にはあまり見られなかった、女性同士のネットワークが、ここ最近、あちこちで生まれていることです(時に、男性も巻き込んで)

日々の忙しさに追われていると、つい横のつながりを持つ余裕を見失いがちです。しかし、自分の思いを明らかにし、強めていくのは、仲間からの刺激が効果的です。ぜひ、仲間を見つけていく一歩を踏み出してください。私もその仲間の一人です。

キャリアコンサルタント 朝生 容子



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この記事のライター

2012年にキャリアコンサルタント・研修講師として独立。社会人のキャリア相談に乗るほか、セミナーや研修講師、執筆等に取り組む。

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