
若々しい独身男性にのぼせ上がった人妻の末路
ある40代の女性。夫はサラリーマンで子どもはおらず、自分はパート勤めをしながらランニングのサークルに入って毎日を楽しんでいました。
彼女は、このサークルで自分と同じコースを毎回走る年下の独身男性と出会います。気さくな性格で若々しい体を持った彼は彼女にとって大きな刺激となり、サークル内で一緒に走る時間が増えました。
夫とは共有できない楽しさを知る彼は、年上の彼女をきちんと女性扱いしてくれる気遣いもあり、気がつけば彼女のほうがすっかり彼にのぼせ上がっていました。
彼が彼女をどう思っていたのかはわかりません。ですが、彼女をホテルに誘ったのは彼のほうから。彼女は迷うことなく彼についていってしまいます。
不倫関係となってからは、彼女は浮かれた気持ちで毎日を過ごしていました。夫は何も気づかずに機嫌の良い彼女に満足そう。そして彼女はと言えば彼に抱かれる日を指折り数える毎日です。しかし、彼女は次第に、この関係を誰にも言えないストレスが溜まり始めます。
不倫だけど、誰かにこんな幸せな私を知ってもらいたい。誰かに話を聞いてもらいたい。そんな誘惑に勝てず、彼女はサークル内で仲の良い女友達に打ち明けてしまいます。
その女友達はサークル内でも顔が広く、「情報通」などと呼ばれている女性でした。彼女が打ち明けた不倫話は、あっという間にサークル内に広がります。彼から「俺たちのことが噂になっている」と聞かされたときには、すでに何人かが彼女のことを嫌悪する目で見るようになっていました。
走ることを楽しむためのサークル内で不倫する人など、良い印象を持たれるわけがないのです。
噂が夫の耳に届くことを恐れた彼女は結局サークルを辞めることになりました。独身の彼はそれを機会に音信不通になり、彼女は彼を失っただけでなくずっと楽しんできたサークルも、自らの手でダメにしてしまったのです。
今も彼女は、いつその話が夫に知られるか怯えながら暮らしています。ランニングも楽しむ気になれず、サークルのメンバーと顔を合わせるのが怖くて大会も出られなくなりました。
安易に不倫に走ったことで、彼女は人生に大きな汚点を作りました。不倫で失うのは、バレてしまえば夫だけでなく、社会の中の大切な居場所まで自分を受け入れてはくれなくなることを、彼女は思い知ったといいます。
「バレないだろう」という油断が崩壊を招く
若い独身男性から好意を持たれることは、彼女にとってとても刺激的なことでした。肉体関係を持つようになると、女性としての魅力がまだある自分を再確認できるようで、どんどんのめり込んでいきます。
ですが、気分の高揚があればあるほど、こんな自分を誰かに知って欲しいという欲もまた出てきます。そんな心が生み出すのが、「そう簡単にはバレないだろう」という油断です。
上記の通り、彼女はサークル内の友人に不倫していることを打ち明けてしまいました。興味本位で聞いてしまったほうは、たいした罪悪感もなく周りに話してしまうのはよくある話。彼女の噂はサークル内で広がり、居づらくなった彼女は辞めざるをえませんでした。
不倫していた過去はずっと付きまとう
あんなに楽しみにしていたサークルを急に辞めた理由を、彼女は散々夫に尋ねられました。しかし「何かあったのか?」と心配そうな顔をされても、彼女は決して本当のことは言えません。友達に相談することもできず、ひとりで苦しむことになります。
彼女が今も心配しているのは、不倫していた事実がいつ夫の耳に入るかということです。サークル内には夫と共通の知り合いもいるので、どこから噂が流れてくるかわかりません。そんなこと、考えればすぐわかるのに、そんな思いを巡らせることができなくなるほど彼女は舞い上がっていたのですね。
不倫をしていた過去は、ずっと彼女に付きまといます。それは紛れもなく夫を裏切った証であり、変えようのない事実です。彼女自身が黙っていても、いつ夫が知ることになるか、彼女はいつまでも心配を抱えながら過ごすことになります。
それが、安易に不倫に走った彼女への罰なのですね。
不倫は後悔しか残さない
すべての不倫が、いつ人に知られるかという恐れを抱えています。バレてしまえば、夫からは離婚を言い渡されるかもしれず、社会の中では「不倫していた人」というレッテルを貼られて居場所を失います。
そして一度手放した信頼は、二度と戻ってはこないのです。
つかの間の快楽が残すものなど、後悔しかない。そう心得ていれば、後先考えずに不倫に走ることなどないはずです。刺激的であっても、夫以外の男性と肉体関係を持つのは人の道に外れること。そんな女性が、幸せになれるはずはないのです。
自分の幸せは自分でしっかり守れるような40代でありたいですね。
幸せ夫婦コラムニスト ひろた かおり
「自分の人生は自分で決める」がモットー。難病の自分を支えてくれた夫との生活が幸せに続くように、と強く心に誓い日々を生きる。