お願い事を気持ちよく引き受けてもらう頼み方【“心のマナー”メソッド#04】

お願い事を気持ちよく引き受けてもらう頼み方【“心のマナー”メソッド#04】

お願い事をするのが苦手…という人は多いと思います。特に相手の気持ちを必要以上に考えてしまう日本人女性ならなお更ではないでしょうか。しかし、そのせいで自分が大変な思いをしている、という場合も多いと思います。そこで、国際基準マナー講師 大網理紗さんに相手に不快な思いをさせることなくお願い事をする方法を教えていただきます。


▶この記事をWOMeのアプリでサクサク読もう♡ コスメから大人の恋愛事情まで…

大人の女性に必要なのは“寛容さ”

世界中をまわったジャーナリストの兼高かおるさんの言葉で、いつも心に留めているものが「世界で通用する美は“looks(見た目)”ではなく“behavior(振る舞いによって醸し出されるその人の雰囲気)”」という言葉です。

大人の女性にこそ美しいbehaviorが必要で、それには“寛容さ”がカギではないかと思います。誰でも両手いっぱいに荷物を抱えていたら、前がよく見えず周りにぶつかってしまうかもしれない。そんな状況で寛容さを保つのは無理です。

つい遠慮したり頑張りすぎてしまいますが、上手に荷物の量を調整して、涼しい顔でサッと荷物を運べるようになるためにも、周りに運ぶのを手伝ってもらったり、運び方を考える必要があるのです。

現代では年上・年下に関係ないニュートラルな考え方が大切

お願い事をするときのポイントは「大胆に・真剣に・丁寧に」。これは仕事をクライアントや部下にお願いするときでも、家族に対してちょっとしたお願いをするときでも、同じ姿勢が必要だと感じます。20代後半の時たまたま運良く私の案が採用され、40代の部下を持つことになりました。まだ上司としての自分の仕事にも慣れず、自分のことで精一杯だった私は毎日アタフタしていました。「たいして仕事もできないのに生意気な上司と思われたらどうしよう」と、うまく仕事を振れず部下に頼むべき雑用まで自分でしてしまい、残業三昧になり、倒れかけたことがありました。

年上の部下のほうがよほどしっかりと落ち着いていたので、もっと素直に頼ればよかったのです。学生時代、私は剣道部だったこともあり上下関係の概念がしっかりありました。それはそれで、社会にでてそれなりに役立ったように思いますが、でも現代では、年上だから年下だから…というのではなく、もっとニュートラルな考え方が必要で、それもまたコミュニケーション能力のひとつだと感じています。

「立場に関係なく、どちらからでも一歩自分から歩み寄って、思いきってお願いしてみよう!」と思える勇気。30代になって、お願い事をするのが下手だった私の苦手意識を吹き飛ばしてくれた一言がありました。

それは面倒なことをお願いしてしまったと気にしていた私に、頼んだ女性から「頼りにしてもらえてとても嬉しかったです」と書かれたメールです。こんな一言が返ってくると、「彼女にお願いしてよかった!」と思ってしまいます。「お願い事の引き受け方」というのもあるのだなと勉強になりました。

お願い事をした後の見守り方が大切

Getty logo

年上だから年下だから…は関係なくなってきたとはいえ、まだまだ慣れない部下や後輩にお願い事をするときの不安はあります。私は子どもが生まれたとき、トリニティリング(3つのリングが重なっている指輪)を購入しました。

嬉しかったその気持ちを忘れないように、家族を大切に思う気持ちをあたりまえにせず、リングを見る度に思い出すことができるようにと思い購入したのですが、その際、お店の方からこんなことを言われました。

「忙しい時などによく見ずに、向きが違ったまま無理にはめると、指から抜けなくなったり、指輪同士が擦れて傷がついたりします。忙しい時でも必ず3つのリングが同じ方向を向いていることを確認してはめるようにしてください」

お願い事をするときにも同じことがいえると思います。忙しいとつい、「わかっているだろう」「大丈夫だろう」「自分と同じ方向を向いてくれているだろう」と、よく確認せずに思ってしまいます。だからこそ“見ること”が大切なのです。

見方には「see」「look」「watch」があります。

「see」は自然と視界に入っている状態。「look」は視線を向けて見ている状態。「watch」は注意して観察している状態。

お願い事をしたら終わりではなく、そこからが新しいスタートです。この3種類の見方のうち、「どの方法でその人を見守ったらよいのかな?」という自分の目配りの方法を決めておくとよいのではないかと思います。お願い事をした後、どの程度どのような頻度でその人を見守ったらよいのか、それを考えて相手と接してみましょう。

お願いをするときに大切な2つのコト

今後も付き合っていきたい、そう思う相手であればこそ、伝えないといけないことが必ず出てきますよね。 伝え方で大切なことは2つ。

1つは「言葉のボーダーライン」を持つこと。気のおけない友人や家族などだとつい私たちは言葉のボーダーラインを忘れてしまい、相手が自分の思ったとおりに行動してくれないと、気持ちのまま言葉にしてしまったりしますが、そういう相手にこそ「言葉のボーダーライン」を持つことが大切だと感じます。

批判と非難、意見と愚痴、納得と説得etc…。似ているけれど異なる言葉の微妙な差を見逃さない。批判は異なる見解を伝えることで、非難には責める要素が含まれる。意見は冷静に分析された考えですが、愚痴はネガティブな内容です。納得には理解があり、説得には相手を丸め込むようなニュアンスが含まれるように思います。

「私の伝え方は非難になっていないか?」「愚痴ではなく意見になっているか?」など、確認しながら伝えることが大事です。

2つめは、どんな場合でも最後の締めの言葉は「感謝の言葉」にすること。以前、日本テレビの番組の取材で、お母さんからの電話をなかなか切れないと悩む大学生の女性に「感謝の言葉で締めること」とアドバイスさせていただきました。それを彼女が実践したところ、お母さんから「今日の電話は嬉しい。涙が出るほど嬉しかった」という一言が聞かれ、彼女の嬉しそうな笑顔に、私もディレクターさんも本当に感動しました。たったひとことですけれど、最後の言葉の余韻は大きい。

ですからどんな場合でも、最後の締めの言葉は「感謝の言葉」で。期待しているから、これからも一緒にやっていきたいから、というあたたかい気持ちが伝わるひとことを添えることを忘れずに。「次にまた引き受けてあげよう!」と思ってもらえるお願いの仕方をできるのが、本物の大人の女性といえると思います。

リサ・コミュニケーションズ代表 大網理紗



本サイトに記載する情報には充分に注意を払っておりますが、この記事の情報及びこの情報を用いて行う利用者の判断について、完全性、正確性、有益性、特定目的への適合性、その他一切について責任を負うものではありません。この記事の情報を用いて行う行動や、判断・決定は、ご自身の責任において行っていただきますようお願い致します。

この記事のライター

話し方&国際基準マナーのスクールRiSA Communicationsを設立。国際基準マナー講師。

関連するキーワード


心のマナー 大網理紗

関連する投稿


小さな選択の積み重ねが自分の人生を創る【大網理紗 エッセイ “自分軸”で生きるということ#8】

小さな選択の積み重ねが自分の人生を創る【大網理紗 エッセイ “自分軸”で生きるということ#8】

私たちは朝起きてから夜眠るまで、小さな選択を繰り返します。着ていく服は? メイクの色は? 朝ご飯は? 何の仕事から取り掛かる? ランチは? 誰とのアポを優先する? …小さな選択すべてが一日をつくり、自分自身を創り上げます。ですが、その“小さな選択”に私たちは敏感でしょうか? 選択にきちんと向き合っているでしょうか? 国際基準マナー講師の大網理紗さんがアトランタから発信するエッセイ第8回目です。


傷つくのを恐れて言い訳をしている自分は本当の自分と言えますか?【大網理紗 エッセイ “自分軸”で生きるということ#5】

傷つくのを恐れて言い訳をしている自分は本当の自分と言えますか?【大網理紗 エッセイ “自分軸”で生きるということ#5】

アトランタ在住の国際基準マナー講師 大網理紗さん。月に一回、アメリカで暮らす中で感じた気づきをコラム連載してくれています。今回は「傷つくことを恐れて言い訳をしている自分は本当の自分と言える?」というお話です。日本とは違う生活環境の中で大網さんが日々感じることは日本に住む私たちにもより良く生きるためのヒントをくれますよ。


小さなころから“I(私は)~”発信【大網理紗 エッセイ “自分軸”で生きるということ#4】

小さなころから“I(私は)~”発信【大網理紗 エッセイ “自分軸”で生きるということ#4】

アメリカに住む働く女性、ママたちのライフスタイルを、国際基準マナー講師の大網理紗さんの視点で発信していただくエッセイ。第4回目はアメリカは小さな子どもにも自分の意見を求め“I(私は)”発信をする国である、というお話です。


アメリカ人の母にとって働くは“当たり前”【大網理紗 エッセイ “自分軸”で生きるということ#1】

アメリカ人の母にとって働くは“当たり前”【大網理紗 エッセイ “自分軸”で生きるということ#1】

アトランタ在住、国際基準マナー講師の大網理紗さん。日本を行き来しながらお仕事を続けている大網理紗さんに、アメリカの暮らしの中で感じたこと、アメリカに住む女性の考え方や暮らしぶりについてエッセイを連載していただきます。今回はその1回目です。


愚痴ばかり言う人の対処法 【“心のマナー”メソッド#08】

愚痴ばかり言う人の対処法 【“心のマナー”メソッド#08】

ストレスが溜まっているのか愚痴ばっかり言っている人、いますよね。そういう自分自身もしらずしらず愚痴を言っている時がある…。永遠、愚痴を聞かされる方はたまったものじゃないですよね。そんな愚痴ばかり言う人の対処法を国際基準マナー講師の大網理紗さんに教えていただきます。


オススメ情報

dummy

人生100年時代 40代からの転職術

業界最多の非公開求人からご希望に沿った求人をご紹介、あなたの転職を成功に導きます。


リクルートエージェント


dummy

母であり妻であり、そして“働く女性”であり。働き続ける女性を応援!

業界最多の非公開求人からご希望に沿った求人をご紹介、あなたの転職を成功に導きます。


リクナビNEXT


最新の投稿


「たいして気持ちよくない」セックスに対する男の本音とは? 田中俊之さんインタビュー<第二回>【#FocusOn】

「たいして気持ちよくない」セックスに対する男の本音とは? 田中俊之さんインタビュー<第二回>【#FocusOn】

どうして40男は嫌われてしまうのか?その切なくとも悲しい現実と、変えることはできない過去に受けた学校教育…男性学を研究する大正大学 心理社会学部 人間科学科 准教授 田中俊之さんの著書『<40男>はなぜ嫌われるか』(イースト新書)を読めば、40男たちは自分たちがなぜこうも生きづらさを感じるのかが分かり、女性は40男たちのことが少し理解できるかも!? 田中俊之さんインタビュー第二回目です。


ベテラン助産師が教えるデリケートゾーンケアセミナー 参加レポート!(たかくら新産業主催)

ベテラン助産師が教えるデリケートゾーンケアセミナー 参加レポート!(たかくら新産業主催)

ふだんは医療従事者向けにデリケートゾーンケア アンバサダー講座を定期的に開催している、オーガニックブランドを展開するたかくら新産業。今回は初の試みとして一般消費者向けに、助産師の三宅はつえさんを講師に迎えてデリケートゾーンケアセミナーを開催する、ということで取材してまいりました!


更年期に迷子になる女性たち メノポーズカウンセラーセッション!<第二回>【#FocusOn】

更年期に迷子になる女性たち メノポーズカウンセラーセッション!<第二回>【#FocusOn】

女性であれば誰もが通る道である“更年期”。ですが、正しい知識を持っていますか?日本人女性は自分の大切な体のことでありながら“更年期”について正しい知識をも持たず、誰かに相談することもあまりないようです。そこで更年期の女性に寄り添ってくれるメノポーズカウンセラー3名に更年期に起きる症状や治療法について教えていただきました。


宮本真知のタロット占い【6月24日(月)~6月30日(日)の運気】

宮本真知のタロット占い【6月24日(月)~6月30日(日)の運気】

あなたの心に寄り添いながらそっと背中を押してくれると評判のタロット占い師、宮本真知がお届けする週間タロット占い。直観を信じて…今週のあなたの運気は?


42歳 彼氏いない歴10年 恋愛感情を思い出すにはどうしたら? 【オトナの幸せ恋愛心理術 #20】

42歳 彼氏いない歴10年 恋愛感情を思い出すにはどうしたら? 【オトナの幸せ恋愛心理術 #20】

ふと気が付けば5年以上恋愛していない…というかそもそもときめくって何だっけ?人を好きになるってどういう感情?と、とまどっている40代女性多いのではないでしょうか。20代の頃のような瞬発力の高い恋愛は40代にはふさわしくありません。では40代にふさわしい恋愛とは?恋愛コンサルタント鹿屋由佳さんに教えていただきました。


友だち追加






人気記事ランキング


>>総合人気ランキング
WOMeアプリダウンロードバナーPC_news_フッター