人生100年時代 中高年・シニアのセックス事情【すずね所長のオトナ夫婦の寝室事情#10】

人生100年時代 中高年・シニアのセックス事情【すずね所長のオトナ夫婦の寝室事情#10】

前回より人生100年時代の性への向き合い方について三松先生にお話いただいたいておりますが、今回はより踏み込んで40~79歳のセックス事情とシニア、高齢者セックスについて語っていただきます。「もうセックスしなくてもいいや」と思っている皆様。アラフォーでセックスを諦めてしまって本当にいいのでしょうか?


▶この記事をWOMeのアプリでサクサク読もう♡ コスメから大人の恋愛事情まで…

夫婦の数だけセックスがある!

前回より『いくつまでセックスできるか問題』を紐解いています。セックスの土台を築いておけばタイムリミットなどないというのが私の論理です。セックスにスタンダードはありません。誘い方も、体型も、かける時間も、そして何歳までするかも。満足感は人によって様々なのですからカップルでスタンダードを決めてゆけばよいと思います。そして年齢による体力の衰えや、相手との関係性の変化でセクシャルデザイアーも変動するのですから、スタンダードも柔軟に替えてゆくのが理想です。

いつまでも若い頃のように、ぶつかりあい、高みを目指すセックスをするのは不可能です。体力のみならず、オバフォー世代には「夫婦仲マンネリ化」という強烈な壁も待ち受けていますからセックスもマンネリになって、面白くなくなっていることでしょう。

となると、今までスタンダードだと思っていた行為そのものを変えてみるというベッド上での決心も必要となります。感動力や対応力が固まってきているオバフォー世代に「セックスのやりかたを変革する」という挑戦なんかできない・・と思うかたがほとんどでしょうが、その決意をせずして「セックスレスを改善したいんです」と相談するなどもってのほか。

高齢化社会、まだまだ先は長いのです。おじいちゃんおばあちゃんになっても手を繋いだり、チュッとできる若々しい夫婦でいたいと思い巡らすなら、セクシーな関係性を排除してはいけません。

関連記事:超高齢化社会! 私たちは何歳までセックスできるのか?【すずね所長のオトナ夫婦の寝室事情#7】

https://wome.jp/articles/1881

人生100年時代。果たしていつまで人間の三大欲求「食欲」「睡眠欲」「性欲」を満たし続けることができるのか? すずね所長こと、三松真由美先生にあつく語っていただきます!

生活力が上がってセックスを拒みやすくなった⁉

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

『セックスレス時代の中高年「性」白書』という本が出版されました。日本性科学会のセクシュアリティ研究会の先生方が関東圏在住の40~79歳の男女にセックスに関する調査(有効回答1,162人)を行い、分析した結果がグラフでわかりやすく掲載されています。SEXの頻度で「この1年まったくない」という女性は40代で30%(意外に少ない?)50代で53%、60代で66%、70代で76%でした。セックスレスの割合は40代で54%、50代で75%です。たくさんの人の統計だからこれがスタンダードだ、と安心してはいけません。著者のお一人、荒木乳根子先生が12年前の過去調査結果と比較されたところ、妻が拒否する割合が増加しており、妻とのセックスを望んでいる男性の半数以上が満たされていないという結果が出たそうです。

私が運営する相談所では「妻側からのセックスレス相談」が大きな割合を占めますが、たしかに「妻を誘ってもスルーされる夫」も数多く存在するわけです。就労女性が増えたため、女性側が「仕事で疲れてるの&明日の朝は早いから」という言い訳ができるようになりました。そして経済的に強くなったので「拒みやすくなった」こともあるように思います。昔は夫の収入に頼る妻が多かったため、「セックスしたくないわ」と言いにくかったのです。生活費用とのバーターでのセックスが余儀なくされる時代でした。(追記:愛ある夫婦なら喜んで受け入れたでしょうが)今や、家庭を仕切るプロデュース妻が増加しています。「今週の私の予定に夫とのベッドインはない」とセックスまでプロデュースする妻がいることは確かです。

シニアだってセックスを諦めない!

フランスの心理学者マリーさんが書いた「セックス・アンド・ザ・シックスティーズ」には数々のシニアカップルへのインタビューが散りばめられています。80代夫婦のピエールとマリーサの話には胸が揺すぶられました。

マリーサはこう言いました。「彼のキスの仕方がうまいから、まいっちゃった。私たちは80代だけど愛をかわしたいと思っている。でも彼が(挿入を)しなくなって久しいから性科学の先生に診てもらう」と。なんてポジティブなご夫婦なんでしょう!

そして今までツインベッドだったから絡み合うチャンスがなかったので、今度大きなベッドを購入するとまで言います。対するピエールは勃起にこだわっていて「挿入がなければ女性は不満でしょう」などと悩んでいますが、このご夫婦は「セックスのスタンダード」から解放されてない気がしました。

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

挿入がなくとも、大きなベッドで愛を与え合うことはできるはずです。シニアセックスの悩みはつきませんが常に二人でセックスに向き合う生き方から、みなぎる力を感じます。とても80代のご夫婦とは思えません。

私がお話をきいた日本人の茂雄さん(仮名・80歳)は病気で入院中の奥さんが、一時期自宅にもどられたときに、お風呂できれいに洗ってあげてそのまま二人とも裸でお布団にはいり、髪や身体、性器を撫で合いました。奥さんは涙を流して喜ばれ「あなたのために早く病気を治す」と、とても力強く答えられたそうです。このお話も、性は元気の源だと感じたお話でした。

シニア世代の恋愛事情には、まだピンと来ないオバフォー世代です。しかし前回も述べたように「セックスの土台を築く」のはもはや今しかありません! セックスレスや、気乗りがしないつまらないセックスをずるずる継続していては、将来、ピエールさん夫妻や茂雄さん夫妻のように「こんな夫婦になりたいな♡」と思ってもらえるような理想のカップルにはなれませんぜ! ということです。

ドライで小言ばかり言い合う夫婦より、「老いたボディで、どうしたら残りの時間をもっと愛し合えるか」を真剣に悩む夫婦のほうがだんぜん幸せな年のとり方だと思います。

夫婦仲相談所所長/執筆家 三松真由美

セックスレス時代の中高年「性」白書

してる? してない? したい? したくない? するべき? 必要ない? 日本性科学会が実施した、中高年の「セックス事情」大調査。そこから見えてきたものは……。 セックスレスが急増するなか、夫婦の性生活、単身者の恋愛、不倫、マスターベーション、性欲、勃起障害・性交痛など、現代の中高年のリアルな性事情について、わかりやすく紹介・解説しています。

セックス・アンド・ザ・シックスティーズ

著者 マリー・ド・エヌゼル 心理学者、心理療法士、作家。英語教師を務めた後に大学に戻り、 臨床心理学・精神分析学を学ぶ。1975年から心理学者としてキャリアを開始。 1986年に当時のフランス大統領フランソワ・ミッテランの勧めにより、 フランス最初の緩和ケアチームに参加。人々の生を見つめ、 幸福な老いについて考えるようになった。 ロベール・ラフォン社から刊行された代表的な著作に、 『死にゆく人たちと共にいて』(邦訳:白水社刊)、 『La chaleur du cœur empêche nos corps de rouiller(熱い心があれば体は衰えない)』、 『Nous voulons tous mourir dans la dignité(みんな人間らしく死にたい)』がある。



本サイトに記載する情報には充分に注意を払っておりますが、この記事の情報及びこの情報を用いて行う利用者の判断について、完全性、正確性、有益性、特定目的への適合性、その他一切について責任を負うものではありません。この記事の情報を用いて行う行動や、判断・決定は、ご自身の責任において行っていただきますようお願い致します。

この記事のライター

恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。

関連する投稿


夫の股間を撫でてみよう「モーニングエレクションチェック」のすすめ【すずね所長のオトナ夫婦の寝室事情#23】

夫の股間を撫でてみよう「モーニングエレクションチェック」のすすめ【すずね所長のオトナ夫婦の寝室事情#23】

セックスレスの専門家、夫婦仲研究所 所長 三松まゆみ先生。毎回ビビットなテーマで大人気ですが、今回もまたとがっています! 朝こそ夫の股間を撫でてみようとはいったい…!?


【#FocusOn】専業主婦から会社設立! 夫婦仲相談所所長 三松真由美さんインタビュー<第一回>

【#FocusOn】専業主婦から会社設立! 夫婦仲相談所所長 三松真由美さんインタビュー<第一回>

【すずね所長のオトナ夫婦の寝室事情】が大好評連載中の夫婦仲相談所所長 三松真由美さん。数万組の夫婦のお悩みに答えてきた三松さんがなぜ今のようなお仕事をしようと思ったのか、今、アラフォー夫婦たちになにが起こっているのか、セックスレスとはなんなのか、なぜセックスが大切なのか、などについてお話いただきました。刺激的なインタビュー第一回目です。


『オトナの保健室』著 性に正面から取り組む 朝日新聞「女子組」取材班インタビュー<後半>

『オトナの保健室』著 性に正面から取り組む 朝日新聞「女子組」取材班インタビュー<後半>

大手新聞の夕刊に“セックスレス”や“不倫”の文字が並ぶ…性に対してオープンになりつつある今でも少しの驚きをもって読み進める朝日新聞の「オトナの保健室」企画。記者の皆さんは朝日新聞という大手メディアのなかでどんな想いをもって、この企画に取り組んでいるのか伺いました。その後半です。


朝日新聞 女子組「オトナの保健室」取材班に突撃インタビュー<前半>

朝日新聞 女子組「オトナの保健室」取材班に突撃インタビュー<前半>

朝日新聞夕刊に月に一回掲載になる「オトナの保健室」という企画をご存知でしょうか? 先日、企画をまとめた一冊の本が発売になりました。そこには2015年4月にスタートしたオトナの保健室に寄せられた読者の赤裸々な想いが詰まっていました。日本を代表する大手新聞の夕刊にこんなことを掲載していいんだ…という衝撃が走り、どうしても記者の方々にお話を伺いたくなり、インタビューを申し込みました。その前半です。


セックスレスは悪い事? 「良いセックスレス」と「良くないセックスレス」【幸せ夫婦コミュニケーション術 #88】

セックスレスは悪い事? 「良いセックスレス」と「良くないセックスレス」【幸せ夫婦コミュニケーション術 #88】

「セックスレス」と聞くと、どうしても「夫婦の間に溝がある」「夫婦仲が悪い」のようなイメージを持ってしまいがちですが、そもそもセックスが必要ない、という夫婦もいます。お互いが精神的に自立していて、セックスがなくても愛情を確かに確認できているなら、それは「良いセックスレス」ということになるのではないでしょうか。まずは自分たちの状態について考えてみましょう。


オススメ情報

dummy

人生100年時代 40代からの転職術

業界最多の非公開求人からご希望に沿った求人をご紹介、あなたの転職を成功に導きます。


リクルートエージェント


dummy

母であり妻であり、そして“働く女性”であり。働き続ける女性を応援!

業界最多の非公開求人からご希望に沿った求人をご紹介、あなたの転職を成功に導きます。


リクナビNEXT


最新の投稿


35歳過ぎて婚活するなら「一生独身」の覚悟を持て【菊乃流 アラフォー本気の婚活術 #34】

35歳過ぎて婚活するなら「一生独身」の覚悟を持て【菊乃流 アラフォー本気の婚活術 #34】

30~34歳の独身女性を10人集めたら、5年後までにそのうち3人が結婚しているという統計があります。では、35~39歳の独身女性を10人集めたら、5年後にそのうち結婚しているのはどれぐらいいると思いますか? 正解は1人です! アラサー気分で婚活しているなら要注意。アラフォー婚活の心構えをお伝えします。


宮本真知のタロット占い【12月10日(月)~12月16日(日)の運気】

宮本真知のタロット占い【12月10日(月)~12月16日(日)の運気】

あなたの心に寄り添いながらそっと背中を押してくれると評判のタロット占い師、宮本真知がお届けする週間タロット占い。直観を信じて…今週のあなたの運気は?


【ユニクロ】プレミアムラムクルーネックセーター ラム素材がめちゃくちゃ気持ちい♡

【ユニクロ】プレミアムラムクルーネックセーター ラム素材がめちゃくちゃ気持ちい♡

ユニクロのプレミアムラムクルーネックセーターはもうチェックしましたか? ラム素材で肌触りが最高♡カラーも豊富ですので、好きなカラーをチョイスすることができます! 今年は断然ダボッとサイズがおすすめ。


【#FocusOn】「頭に思い描いたことが実現するのは脳科学的に立証されています」医学博士 山下あきこさんインタビュー<第四回>

【#FocusOn】「頭に思い描いたことが実現するのは脳科学的に立証されています」医学博士 山下あきこさんインタビュー<第四回>

怒りの感情はコントロールできるし、怒りの原因は自分にある、ということを医学博士の山下あきこ先生に前回教えていただきました。今回は頭に思い描いたことは実現する、と言うお話です。なんとも嬉しいような恐ろしいような…インタビュー第四回目です。


【#FocusOn】社会はみんなで変えていくもの 「#なんでないの」を立ち上げた福田和子さんインタビュー<第二回>

【#FocusOn】社会はみんなで変えていくもの 「#なんでないの」を立ち上げた福田和子さんインタビュー<第二回>

スウェーデン留学から帰国後「#なんでないの」を立ち上げた福田和子さん。いつの間にか自分に刷り込まれていた日本の常識を留学中に感じ、日本の常識は世界の常識ではないことを知ったそうです。スウェーデンでは若者や女性もエンパワーされていて、声をあげて社会を変えていくという意識があります。世界の当たり前を日本の当たり前にしたい。第二回では、その想いをお伺いしました。


友だち追加






人気記事ランキング


>>総合人気ランキング
WOMeアプリダウンロードバナーPC_news_フッター