“言いづらいこと”を伝える時の言葉選びと心配り【“心のマナー”メソッド#06】

“言いづらいこと”を伝える時の言葉選びと心配り【“心のマナー”メソッド#06】

言いづらいことを伝えるのは勇気がいりますし、嫌われたどうしよう…と心配になりますよね。逆に「嫌われてもいい、どう思われてもいい」と無作法に相手に言葉を投げかけることも決していいことではありません。大人の女性はだからこそ、心のマナーをもって、人とコミュニケーションを持つことを大切にしたいですね。


▶この記事をWOMeのアプリでサクサク読もう♡ コスメから大人の恋愛事情まで…

“褒め上手”はコミュニケーション上手

私は現在アメリカと日本を行き来しながら仕事をしています。アメリカには世界中から多くの人々が集まっていて、私を含め、英語を母国語としない人達がたくさんいます。言葉が理解できれば通じ合えるのはもちろんのことですが、コミュニケーションは言葉だけではないと、改めて感じています。

近所で買い物をしていると、毎日のように知らない人が、「とてもエレガントね」「あなたのバック可愛いわね」と挨拶と一緒に、一言、誉め言葉を添えてくれます。私はそれがとても素敵な習慣だなと感じています。私が暮らすアメリカ南部独特の陽気さゆえかもしれませんが、誉め上手な人が多いように思います。

コミュニケーションの潤滑油になるようなひとことを、自分からかけられる。自分から相手に興味をもって、さりげなく褒められる。そういう女性は、そこにいるだけで、人間関係の温度をあげられると思います。とっさのときにすぐでてくるように「ひとこと誉め言葉」のストックの大切さを感じながら日々、過ごしています。

自分の価値観を広げる努力をすることで可能性の扉が開く

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

私の大好きな絵本に『It ’s Okay to Be Different』(byToddParr)というものがあります。「違っていてもいいんだよ」という内容で、全米で何週にもわたって売り上げランキング第1位に輝いていました。

肌や髪の色が違っていても、車イスを使っていても、背が高くても低くても、いろんな形の家族がいてもいいんだよ。すべて「It ’s Okay」という本です。そんな風にすべての人に対して、「It ’s Okay」と言ってあげられる寛大さを持てる女性は素敵です。

“アンコンシャス・バイアス”という言葉をご存じでしょうか。「無意識の偏見」という意味です。おそらく誰もが持ってしまっている「無意識の偏見」を減らしていくことで、誰に対しても優しい気持ちで接することができるコミュニケーションをとれる人になっていけるのではないでしょうか。

ただそのためには、自分の価値観を広げようとする努力が重要になってきます。2018年がちょうど半分過ぎました。これから後半の6カ月を過ごすとき、「新しい感動」を探すことをちょっと意識してみてはいかがでしょうか。新しい感動を探すことは、大人になればなるほど難しくなります。いろんなことを知り、たくさんの物を見る目がすでにできてしまっている、そんな状態で、新しい感動を探すのは困難かもしれません。ですが、どんな小さなことでもよいので「365日感動する意識をもつ」こと。そんな毎日の積み重ねが、私たちの価値観を広げてくれると思います。

「事実」と「情熱」を分けてゴールを決めて話す

さて、いよいよ本題に入ります。今回は「言いづらいことを、伝える時の言葉選びと心配り」についてです。私はこう言った内容を伝える時に、「事実」と「情熱」に分けて話をすることをおすすめしています。たとえば、クレームを伝えるとき、まずは実際にあった「事実」を冷静に話します。そして最後に、「こうして欲しい」「このようにしてもらえませんか」という自分の希望、気持ち(=情熱)を伝えます。私たち女性はつい、「このような事態になって私がどんなに辛かったか、大変だったか」という自分自身の気持ち(=情熱)を最初に話してしまいがちです。

これは、恋人や家族とのケンカの時でもそうです。しかし、この伝え方の順番を間違って伝えてしまうと、こちら側に非がなかったとしても、時としてまるでこちらに非があるように取られてしまうこともありますので、話す順番はとても重要です。

そしてもうひとつ、「ゴールを決めておく」こと。ゴールがどこかわからないと、どこにパスを出したらよいかわからないのと同じで、「最終的に私はどうしたいのか?」というゴールを決めておかないと、話している自分自身も、結局何を言いたいのかがわからなくなってしまいます。そうすると、相手もあなたの話の意図が読めずに話の結論がまとまらずお互いに不完全燃焼の形で終わってしまいます。

自分が伝えるべき領域かどうか見極める

私たち人間には、それぞれ「パーソナルスペース」があると言われています。たとえば、恋人や家族がすぐそばにいるのは心地よく感じても、見知らぬ人に近くに寄ってこられるのは怖く感じたりしますよね。パーソナルスペースの中に、入ってきていい人、イヤな人がそれぞれいらっしゃると思います。

私は言葉にも「言葉のパーソナルスペース」が存在すると感じています。 家族のひとことが時として、イラッとしたり鬱陶しく感じたりしてしまうのは、お互いの存在が近く重なり合う部分が多いからこそです。まったくの他人であれば、何とも思わず流せたような言葉も、流せなかったりします。特にそれが、言いづらいことであればなおさらです。相手と自分のパーソナルスペースに合わせて、伝え方を変える必要があります。

どんな言葉を伝えるときでも「タイミング」というのは重要だと思います。パーソナルスペースが近い人であればあるほど、つい「わかってくれるだろう」思い、朝出かける直前などの忙しい時にパパっと話してしまって、誤解を生んでしまいがちです。誰でも忙しいときや余裕がないときは、普段なら素直に聞けることも聞けないものですから、まずは相手がどのような状態でいるのかを観察する必要があります。言いづらいことを伝えられるのは、信頼関係を築けているからこそだと思います。ですので、「自分が踏み込んでいい領域なのか?」を確認してから、伝えることが大切です。時には、「ここは私が伝えるべきではないな」と配慮できる姿勢も大切だと思います。

相手を想ってかけた言葉は必ずどこかで生きている

心を込めて伝えたつもりのひとことが誤解されてしまうのはとても悲しいことです。それでも誤解を与えてしまったのであれば、まずは誤解を与えてしまったことへの謝罪をしましょう。そして、誤解を与えてしまったけれど、あなたのことを思って伝えたつもりだった、というあなたの想いを伝えることです。

それでもすぐにはわかり合えないかもしれません。けれど本当に相手のことを思って、考えて伝えた一言なら、いつか届く…ということもあると思います。禅語で私の好きな言葉のひとつに、「一夜落花雨 満城流水香(いちやらっかのあめ まんじょうりゅうすいかおる)」というものがあります。 大雨で花が散ってしまったとしても、翌日川の流れとともにその香りが国中に広がる。影響力というのは、時に自分の想像の及ばないところで、伝わっていくもの。そして、思いがけないところに影響を与えていたりするものである。と私は捉えています。

当時は理解できなかった言葉が大人になってから理解できるようになったり、ずっと心のどこかに引っかかっていた一言が、時を経てストンと沁みることがあったりするように、たとえすぐではなくても、相手を思ってかけた言葉は必ずどこかで生きていると思います。

リサ・コミュニケーションズ代表 大網理紗



本サイトに記載する情報には充分に注意を払っておりますが、この記事の情報及びこの情報を用いて行う利用者の判断について、完全性、正確性、有益性、特定目的への適合性、その他一切について責任を負うものではありません。この記事の情報を用いて行う行動や、判断・決定は、ご自身の責任において行っていただきますようお願い致します。

この記事のライター

話し方&国際基準マナーのスクールRiSA Communicationsを設立。国際基準マナー講師。

関連する投稿


親しき仲にも礼儀あり 夫婦の境界線 【“心のマナー”メソッド#05】

親しき仲にも礼儀あり 夫婦の境界線 【“心のマナー”メソッド#05】

“親しき仲にも礼儀あり”という言葉がありますが、特に夫婦は長い時間を一緒に生きていく共同体だからこそ、相手を尊重する思いやりが必要です。仲良くなり、慣れ合い、つい超えてはいけない一線を簡単に超えてしまえるのも夫婦。そうならないためにどんな心構えが必要か教えていただきます。


お願い事を気持ちよく引き受けてもらう頼み方【“心のマナー”メソッド#04】

お願い事を気持ちよく引き受けてもらう頼み方【“心のマナー”メソッド#04】

お願い事をするのが苦手…という人は多いと思います。特に相手の気持ちを必要以上に考えてしまう日本人女性ならなお更ではないでしょうか。しかし、そのせいで自分が大変な思いをしている、という場合も多いと思います。そこで、国際基準マナー講師 大網理紗さんに相手に不快な思いをさせることなくお願い事をする方法を教えていただきます。


上手な「断り方」を知ってもっと生きやすく!【“心のマナー”メソッド#03】

上手な「断り方」を知ってもっと生きやすく!【“心のマナー”メソッド#03】

断るのが苦手、という人は多いのではないでしょうか?それが、会社の上司やママ友だったりしたら余計ですよね。そんな時、“断りの作法”を知れば、もっと楽に断れるようになるかもしれません。そこで、国際基準マナー講師 大網理紗さんに教えていただきます。


「苦手な人・嫌いな人」の克服方法とは? 【“心のマナー”メソッド#02】

「苦手な人・嫌いな人」の克服方法とは? 【“心のマナー”メソッド#02】

苦手な人、嫌いな人とコミュニケーションを取らなければいけない時、ちょっと憂鬱な気分になりますよね…。でもそんな時、心のマナーをもって接すればちょっと楽になるかもしれません。そんな心のマナーのポイントを国際基準マナー講師 大網理紗さんに教えていただきます。


大人として “心のマナー” を持って生きませんか?【“心のマナー”メソッド#01】

大人として “心のマナー” を持って生きませんか?【“心のマナー”メソッド#01】

“心のマナー”という言葉を聞いたことがあるでしょうか? マナーというと外見や立ち居振る舞いを想像しがちですが、40代の大人の女性であれば“心のマナー”も大切にしたいものです。それでは、具体的に“心のマナー”とはどういうものなのか、国際基準マナー講師の大網理紗さんに教えていただきましょう。


オススメ情報

dummy

人生100年時代 40代からの転職術

業界最多の非公開求人からご希望に沿った求人をご紹介、あなたの転職を成功に導きます。


リクルートエージェント


dummy

母であり妻であり、そして“働く女性”であり。働き続ける女性を応援!

業界最多の非公開求人からご希望に沿った求人をご紹介、あなたの転職を成功に導きます。


リクナビNEXT


最新の投稿


あなたが幸せになれない本当の理由 【自立美人のススメ#07】

あなたが幸せになれない本当の理由 【自立美人のススメ#07】

「幸せになりたい!」そう思うのはみんな同じ。そして某映画ではありませんが、誰にでも幸せになる権利があります。幸せになりたいと願っているのになぜか思い通りにならない…そんな人は自分に理由があるのかもしれません。コミュニケーション講師の吉井奈々さんに解説していただきましょう。


39歳 「転職」すべきか悩んでいます…【人間関係に悩んだら…“ロジかわ”で世渡り上手に!#13】

39歳 「転職」すべきか悩んでいます…【人間関係に悩んだら…“ロジかわ”で世渡り上手に!#13】

せっかく好きな仕事につけたのに、人間関係でストレスを感じる。転職理由の多くは、「人間関係の悩み」というデータがあります。上手に気持ちを切り替えるにはどうしたらいいか。転職する前にできることはなにか?ロジかわ思考でお悩みを解決します!


食事を変えればセックスが復活すると信じて!【すずね所長のオトナ夫婦の寝室事情#14】

食事を変えればセックスが復活すると信じて!【すずね所長のオトナ夫婦の寝室事情#14】

前回、オッサン化予防は、まず筋力をつけるところから始まるとお伝えしましたが、同時に妻が気をつけなければならぬことは「食事」です。今回はその「食事」についてお話します。


37歳 付き合って3年目 1日でも早く結婚したいのに…【オトナの幸せ恋愛心理術 #10】

37歳 付き合って3年目 1日でも早く結婚したいのに…【オトナの幸せ恋愛心理術 #10】

アラフォーになっても恋愛の悩みは尽きないですよね…。そこで! 全国心理業連合会認定のプロフェッショナル心理カウンセラーである鹿屋由佳さんに読者の皆さんのお悩みに答えていただきます。大人気カウンセラーの鹿屋さんの回答は愛にあふれていて読んでいるだけで癒されますよ。


子どもが生まれてから旦那の態度が冷たい… そんな時はどうしたら?【幸せ夫婦コミュニケーション術 #76

子どもが生まれてから旦那の態度が冷たい… そんな時はどうしたら?【幸せ夫婦コミュニケーション術 #76

子どもが生まれるまではラブラブだったのに、出産後、何だか旦那さんの態度が冷たい。育児にも参加してくれない。子どもが産まれてから、旦那さんの態度が変わったと悩む女性は多いですが、原因は環境の変化かもしれません。まず生活を見直してみることが大切です。改めて旦那さんへ愛情を向ける時間を持ちましょう。


友だち追加








よく読まれている人気記事


>>総合人気ランキング
WOMeアプリダウンロードバナーPC_news_フッター