【#FocusOn】「あくまでも前向きに子どものいない人生を考えていきたい」朝生容子さんインタビュー/第三回 | 大人のワタシを楽しむメディア
【#FocusOn】「あくまでも前向きに子どものいない人生を考えていきたい」朝生容子さんインタビュー/第三回

【#FocusOn】「あくまでも前向きに子どものいない人生を考えていきたい」朝生容子さんインタビュー/第三回

WOMeでアラフォーのキャリアについて連載いただいたキャリアカウンセラー朝生容子さん。現在『子供のいない人生を考える会』という会を立ち上げFacebookなどで活動を続けています。第三回目は「子どもがいない」ことで取り残されてしまう日本社会の構造についてお話を伺いました。


子どもがいないことで治療が受けられない社会

前回の記事はこちらから

―日本は未婚率がどんどん上がっているので、子どもがいない人というのはますます増えていくと思うのですが。

はい、その通りですよね。子どもを持たない人たちが増えていきます。それに伴い、家族や世帯の形もさまざまになっています。ある調査によると全世帯に占める単身世帯の割合は2010年に3割を超え、2040年には約4割に迫るのだそうです。未婚率や離婚率の増加、さらには高齢化に伴って増えるパートナーとの死別によって、ひとり暮らしの単身世帯が急増しているとか。「夫婦のみ世帯」もなだらかに増加していて、これは子どもを持たない夫婦と、子どもが独立した後に二人暮らしをする夫婦が増えているそうです。そんななかで社会制度がまだまだ追い付いていない現状があります。

例えば、自分が急に脳梗塞で倒れて意識不明になったとします。医療行為には同意書が必要ですが、今までは「患者側」として本人か、家族のサインが求められてきました。でも、もしその時に「家族」がいなかったら同意書にサインができず、治療が後手に回ってしまうかもしれない。

高齢になれば、パートナーと死別して一人暮らしになる確率も高まりますから、ますます心配です。自分がいま、高齢になった親にしてあげていることを、自分が年を取った時には、誰もしてくれないかもしれないんですよね。もちろん、子どもがいたら必ず面倒みてくれるとは限りませんが…。
では親しい友人にお願いしたいと思っても、現行の社会制度は親族が優先されがちです。

―確かにそうですね…。本当に今の日本は現代社会にあった体制作りが追いついていませんね。

もちろん、国も手をこまねいているわけではなくて、医療同意の話であれば、その範囲を広げようと検討は進めているようです。

一方で私たち自身も、自分ではどうしようもないことに腹を立てたり憂いたりしてもしょうがないので、前を向いて、自分ができること、やれることに目を向けた方が生きやすくなると思います。そういった意味でも『子どものいない人生を考える会』に投稿する内容はポジティブなもの、前向きなものにするように心がけています。もちろんネガティブなことを発信する場合もありますが、ネガティブな感情で終わらせるのではなく、きちんと考察を入れるようにしています。

すごく落ち込んでネガティブな思いを抱くことは全然悪いことではなくて、どっぷり喪失感に浸ればいいんだと思うんです。ですが、危険なのは『可哀そうな自分が心地よくなってしまうこと』なんです。

この危険性は、読書会をした英国のジョディ・デイさんも著書の中で指摘されていました。「子どもがいない自分がかわいそう」と思うと、すべてのネガティブな出来事を全部“子どもが授からなかった”ことに紐づけてしまうようになります。そうなるとすごく辛いんです。自分を幸せにできるのは自分自身だということに気が付いてもらいたいなと思います。

ただ、『子どものいない人生を考える会』で発言されている方を見ると、前向きな方が多い印象を受けます。いま現在、辛い思いをされている方にはもしかしたら物足りないかもしれません。でも悲しみから前を向こうと思ったときに、なんだか子どもがいなくても元気な人たちがいるなー、と思い出してもらえたらいいなあと。

―それは朝生さんの魅力ですね!類は友を呼ぶって言いますが、そういうところに浸りたいときにはそういう会に参加すればいいんですものね。

そうですね。会じゃなくても何でも話せる友だちにただただ聞いてもらう…とかね。ただ、地方などにはそういったホンネの話や子どもを持たない女性の生きづらさ、ネガティブな感情を共有できる環境があまりないようです。東京だと子どもがいない環境の人は比較的多いと思いますが、地方は結婚や出産が早いですし、都心部より結婚して子どもがいるのが当たり前、みたいなところがありますからね。

―確かにそれはありますね。地方の子どもがいないという女性たちこそ、朝生さんのコミュニティに参加してほしいですね。

先日も静岡県に住む女性が相談したいと連絡をくれました。群馬の方にお会いしたこともあります。私はカウンセリングの仕事もしているので、そういった方には個別にカウンセリングを行っています。まず、こういった悩みをどこに相談したらいいのか分からず一人で抱えている方たちも多いんです。

―確かに…心療内科に行くのも婦人科に行くのも違いますものね…。

ええ、なので、何でも話せる友人がいない方は私のようなカウンセラーに話をきいてもらって欲しいなあと思います。あとは会などに参加して思いを共有しあったり。『子どものいない人生を考える会』ではスカイプなどでオフ会をしたりもしているので、ぜひ参加してほしいです。ただし、オフ会も、前向きに明るい未来を描けるような会にしたいなと思っています。

―少子高齢化社会に突き進む日本と、追い付かない制度。課題が多い日本社会ですが、ジェンダーギャップに苦しむ女性たちが多くいるといいます。その理由とは? いよいよ次回が最終回です。

文/和氣恵子


キャリアカウンセラー
『子どものいない人生を考える会』主宰
朝生容子さん

新卒で、1988年に大手通信会社に入社。営業所窓口を皮切りに、人材開発、マーケティング等に従事。1993年に会社の同期と社内結婚。 1999年に社会人向け教育機関に転職。企業研修部門において 法人向け営業を担当。
夫の単身赴任期間での体調悪化や不妊治療の失敗をきっかけに、 自分のキャリアを見直す。2012年にキャリアコンサルタント・研修講師として独立。現在は社会人のキャリア相談に乗るほか、セミナーや研修講師、執筆等に取り組んでいる。
朝生容子さんの記事を読む



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