【#FocusOn】「人生100年時代!心と体と向き合って楽しんで生きていこう」永田京子さんインタビュー<後半>

【#FocusOn】「人生100年時代!心と体と向き合って楽しんで生きていこう」永田京子さんインタビュー<後半>

WOMeで【更年期は人生が輝くチャンス】を連載中のNPO法人ちぇぶら代表理事の永田京子さん。今回は永田さんに「なぜ更年期をサポートするNPOを立ち上げたのか」、「世界と日本の更年期に関する常識の違い」、などについてお話を伺いしました。インタビュー後半です。


1,014名のアンケート結果から見えてきた更年期のこと

前半はこちらから

――アンケートをとってどんなことが分かりましたか?

そうですね。更年期を快適に過ごすために本当に必要な3つの大切なことを知ることができました。まず一つ目は、「運動」です。体を動かすと体調がよくなるんです。二つ目は「知識」です。事前に更年期について知っておくことです。三つ目は「コミュニティ」です。「大切な人や友だちに分かってもらいたかった」という声がとても多かったんです。

――やはり運動をしているのとしていないのでは症状の出方や重症度が違うんでしょうか?

はい。運動は更年期に乱れがちな自律神経を整える効果があるので、身体を動かすと体調が良くなるんです。「ちぇぶら」のセミナー受講者からは、「教えてもらった体操をしたらその場で体が楽になったので驚いた」という声が多く寄せられます。アンケート調査でも運動をすると多くの更年期症状が緩和されるという結果が出ています。

――二つ目の事前に更年期について知っておくこと、というのは具体的にどういうことなのでしょうか?

更年期障害は正しく知ることで予防することも対処することもできるんです。知れば心構えもできますし、症状を和らげる方法や、治療法もあります。アンケートでは「更年期について正しい知識を持っていれば、あんなに翻弄されることもなかったのに」と書かれている方もいました。また、「人生これまでかと思った」という声もありました。知らないと、出口のないトンネルを延々と歩いているような絶望的な気持ちになってしまいます。更年期は必ず終わりがあります

――たしかに更年期の知識がまったくなくて体調が悪くなり、病院に行って薬をもらって飲むけど症状が改善されない状態が何年も続いたら、「もはやこれまでか」と思ってしまうと思います…。

自分の体のことなのに、正しく知る機会が圧倒的に少ないですよね。親からも更年期について教えてもらうことは稀で、症状は個人差が大きいですし、ネガティブなイメージもあって周りの友人とも話題にしづらい。アンケートでは「大切な人や友だちに更年期について知ってもらいたかった」という声が多くて、「辛いのは私だけじゃないか」「わかってもらえない辛さがあった」「孤独を感じていた」と話してくれた方もいました。

――女性は話をするだけで救われるところが多分にありますものね。

そうですよね。人とのつながりやコミュニティは気持ちの支えになったりもしますよね。私が強く思うのは、更年期一歩手前の、30代やアラフォーの時に更年期について、正しい知識を知ってもらいたいんです。知っていれば更年期の過ごし方や余裕が格段に変わってきますから。

――本当に知っているのと知らないとでは大違いですよね。永田さんは企業研修も良く行われていますよね。

日本始まって以来、企業で更年期の女性が働いている時代

はい。ありがたいことに、企業に招いていただいて管理職の方や働く女性に向けて更年期を学ぶ研修をさせていただいています。こんなに多くの更年期を迎える女性が企業で働く時代は、日本が始まって以来、初めてなんです。

――あー! 確かに…男女雇用均等法世代の方たちが今、更年期世代ですね。

そうなんです。企業にとっても、多くの働く女性が更年期に突入するというのは初めてのことで、対策はほとんどとられていないのが現状です。私たちは、更年期に起こる体の変化と、その場でできる体調管理方法や、どうしたら症状が軽くなったり予防ができるのかということを伝えています。

――男性にも更年期がありますが、それを知らない男性も多いですよね。

はい。男性も女性もお互いの健康を知る機会があれば生きやすくなると思います。男性更年期症状はうつ症状がでやすく、日本の自殺者数の5分の1を男性更年期世代がしめている現状もあります。もちろん体調面だけではなく、様々なストレスが複雑に絡んでいますが、知っていることで選択を変えられるかもしれない。だから、何度でも伝え続けていきたいと思っています。

性教育後進国ニッポン

――性教育もそうですが、更年期の教育も日本は本当に遅れていますね。永田さんは今年バンクーバーで開催された更年期の学会に参加されました。海外と日本の更年期に対する知識などにずれや差を感じましたか?

他の国と比べたら、日本は遅れているんだと気がつきました。私が参加したのはイギリスに本部がある、国際閉経学会というものです。世界28か国の医療関係者や研究者が参加して、自分の研究分野について発表をおこないます。

――何人くらい集まるのですか?

そうですね。大勢集まっていました。500人ほどはいたかと思います。

――そんなに! そもそもなぜ日本はそんなに遅れているのでしょうか? 

日本人女性の社会進出の遅れ、女性の健康が重要視されて来なかったこと、女性が声をあげられなかったこと、更年期への研究費の課題もあるでしょうし。一つではなく複雑な背景がありますよね。

――なるほど…。海外の更年期症状へのアプローチは日本とどんな風に違うのですか?

更年期というと、日本ではネガティブに捉えられがちですが、学会では「Evolution of the human menopause!(更年期は人の進化)」「the change of life(人生の転機)」など、前向きな言葉が多かったです。

それと、海外では避妊をしないでセックスが楽しめるという意味で、閉経以降を「セカンドハネムーン」というそうですよ。


――そうなんですか…更年期の治療で「ここが違う!」ということはありますか?

性ホルモンを補充するホルモン補充療法(HRT)は日本では2%程度の人が行なっていますが、欧米では3~5割の方が受けています。それと、更年期治療として女性への男性ホルモン補充療法の研究発表が多くて驚きました。日本ではあまり見聞きしなかったので。

――永田さんが学会で行ったプレゼンテーションは海外の皆さんの反応はいかがだったんでしょうか?

私は体操によって更年期症状が緩和されるという研究を発表してきました。世界の専門家の皆さんと一緒に体操をしたりもして、好評いただきました! 薬ではなく、知識と体操によるサポートや予防という観点が珍しかったようで、「これはおもしろい」「とてもユニークだ」と声をかけてもらいました。

――素晴らしいですね。しかし、お話を伺っているとやはり他国と比べ日本は性に関する教育が未熟なんだなとつくづく感じます。

学校で教えてくれることは出産に焦点が当てられていたり、とても限られていますよね。私たちの人生は産む産まないに関わらず死ぬまで続きます。年齢を積み重ねることによって、自分の体にどんなことが起こるのか、知っておくってとても大事です。体の変化を知るということは、自分の体を守ることであり、人に思いやりを持てることなんです。

――「生理が終わったら女性として終わり」と言う人もいますよね。

終わりません! 安心してください(笑)女性でいたいと思う限り、私たちは灰になっても女です。人生の後半は女性ホルモンで作られる女性性を超えた人としての美しさが出る時期なのかもしれません。

――そういえば以前お会いした時に、日本人女性は10代の女性の次に40代の中絶率が多いと聞いて驚きました。

今、40代の出生数より40代の妊娠中絶数の方が多いんですよね。「もう妊娠はしないだろうと思って避妊をしなかった」ということがあるようです。しかし、女性は閉経までは常に妊娠の可能性があります。自分のカラダを知らないことで傷ついてしまうというのは、悔しいですよね

――本当に…一人でも多くそんな思いをする女性をなくしたいですね。最後にWOMe読者であるアラフォー女性たちへ、どんな心構えで更年期を迎えてほしいかメッセージをお願いします。

WOMeで更年期について連載させていただいていますが、まずは更年期とは何かを知って欲しいです。知ることで予防したり、対処することができるからです。今現在、更年期の渦中で悩んでいる方もいるでしょう。今がどんなに辛くても更年期には終わりがあります。一生続くことはありません。だから大事な決断は焦らないで体調がいいときにしてほしいと思っています

今から生活習慣を少しずつ変えていくことで、更年期や、その先に続いていく未来の自分の快適さが変わります。人生100年時代を自分の心と体と向き合いながら、めいっぱい楽しみましょう!

文/和氣恵子

NPO法人ちぇぶら代表理事 永田京子さん
演劇活動後、ピラティス指導者や産後ケアの指導者として活動する中で、40代の受講者たちの声と自身の母が更年期障害になった経験から、更年期を迎える女性をサポートすることを目的とした「ちぇぶら」を設立。
ちぇぶらは「the change of life」の意味。医師のもと女性の健康・更年期について学び、また1014名の女性たちの調査協力を経て更年期に本当に必要な “更年期対策メソッド”を研究・開発・展開。日本全国の企業や自治体、医療機関、海外ではカナダで講演会を行うなど、国内外のべ1万5千人以上が受講。女性のエンパワメントを引き出す講師として定評がある。兵庫県出身、愛知県在住。2児の母。

永田京子さんの記事を見る



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