
派遣社員の彼氏との結婚を止められます。どうしたらいいでしょうか?
【お悩み】今お付き合いしている人は派遣社員です。趣味を充実させたいからという理由で残業などがない派遣社員という働き方を選んでいます。仕事に対する情熱はないですが、ものすごく良い人で私は大好きです。フィーリングもすごく合います。なので結婚したいと思っているのですが、両親や友人からは派遣社員だから、という理由で止められます。私は40歳なのですが、派遣社員じゃない人とちゃんと付き合って結婚しなさいと言われます。ですが、私だって働いているし、派遣社員として真面目に働いているのならいいと思うのです。ただ正直、妊娠出産で私が働けなくなる時期に彼が派遣を切られたらどうしようとか、両親に心配をかけたくないな、と言う思いもあります。どうしたらいいでしょうか?
心配事の80%は起こらない。20%の心配事も適切な処置で防止できる
Mさんは、お付き合いしている彼が大好きでフィーリングもすごく合うし、結婚したいと思っているんですね。でも両親や友人からは派遣社員だからと止められている…。
自分の思いと、周りの人の意見が違うと悩むところですね。
妊娠で自分が働けなくなったら、彼が仕事を切られたら…など確かに心配ですね。
さて、
米国ミシガン大学の研究チームが行った心配事が起こる確率の調査結果があります。その調査によると、心配事の80%は起こらないとされています。
起きるのは残りの20%ですが、そのうちの更に80%は、あらかじめ準備して対応すれば、心配事には至らずに解決できるそうです。
つまり、「本当の心配事」は全体の4%にすぎない、という興味深い調査結果です。
という事を考えると、起こりもしない事に心を痛め、時間を費やすのはもったいないことですね。
ただ心配するよりも20%の心配事に対処していきましょう。
“適職”と“天職”
彼が仕事に対して情熱はない、という事は少し気になるのですが人それぞれ仕事に対しての考え方は異なります。
「やりがいのある仕事、ありがとうと言われる仕事をしたい」と言われる方は多いです。「今の仕事はやりがいがない、だから辞めたい」というご相談もよくありますが、いわゆる“やりがいのある仕事”とは天職と言われるものでしょうか。
“適職”とはきちんと収入を得られる仕事。
“天職”とは収入はあまり得られなくても、自分の生きがい、やりがいを感じる仕事。
と言う人がいました。
私も、「そうか!」と納得したものです。
もちろん適職と天職が同じであればこれほど幸せなことはありませんが、それも考え方1つだと思います。
仕事自体をやりがいと感じ、経済的に苦しい生活でもそれを幸せと感じるか、
または、仕事とは自分のやりたいこと、やりがいのあることをするための収入の手段だと割り切り、収入を得るためにこだわらずに職に就くか。
現在、彼の場合は後者だと思います。もしお互いに結婚を真剣に考えるのならば、趣味のためだけでなくあなたとの生活も収入を得るための意味に加えて頂くということが大切になってきます。
ギリギリ趣味ができればよいだけの収入では困ります。
お付き合いしてどのくらいかは分かりませんが、一般的にお互いに好きだという感情で盛り上がり良いところばかりを見る恋は盲目の時期があり、喧嘩したり、許したり、離れてみたり「やはり大事な人だ」と思いなおしたり良いところも悪いところも受け入れていけるまでに大体2、3年はかかると思います。
まだお付き合いが浅いのであるならば、お互いにぶつかり合う期間が短い分、彼の心構えもきちんと聞いておく必要があります。
気になることは自然に解決することはありません。
またMさんの年齢的に出産を考えたならば、Mさんと、生まれてくるお子さんのリスクも考えましょう。
40代の自然妊娠の確率は5%とも言われています。不妊治療なども考えるならそのための費用も考える必要があるかもしれません。
妊娠したら子どもを育てるためのお金がかかります。
子供が欲しいのに恵まれなかったら不妊治療のためのお金がかかります。
もしMさんが仕事ができない時に、彼が派遣を切られてしまったら生活費はどうしたらいいのでしょうか。
こういう心配があるのならまずふたりできちんと話し合うことです。
起こるかもしれない20%の心配事のうち、考えれば解決できることや不安が解消できるものにはきちんと向き合いましょう。
そしてふたりで解決できないならば将来の計画の為にFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみるなど、プロを頼ると現実的な生活の経済プランがイメージできるでしょう。
満たされなかった欲求は心に残り続ける
またもう一つ、
自分の満たされなかった欲求は心に残り続けるという性質があります。
好きなのに周りの人が言うからと結婚を諦めた場合、例えば好きという気持ちより、周りが喜んでくれるから…でお相手を決めた場合、ずっと心の中で「でもやっぱり1番好きなのはあの人だった」と思うでしょう。
自分の欲求通り結婚してみて、うまくいかず傷ついてもその傷はいつかは癒えていくものです。私たちの心には傷を癒す力は備わっています。
しかし、私たちの心に後悔として残りつづけるのは満たされなかった欲求です。
Mさんの、「この人と結婚したい」という欲求です。
お勧めするのは、その欲求を満たすために今できる最善の方法をふたりで考えること。
結婚に向けて、ひとつずつふたりで向き合い解決していくことです。
彼が派遣社員ということに周りが抵抗感を持つのは、経済面の心配ですよね。だとすればきちんとふたりが向き合い考えたの具体的な案を伝え、真剣な姿勢を見せることです。
結婚はふたりだけの問題ではありません。
その向き合い方で、彼に対してますます思いが深まるか、または
「あれー?こんな人だったのか。今気づいて良かった。」
なんてことになる可能性もありますよ。
それならそれでよし。
あなたが納得することが大事です。
一生寄り添っていきたい人とともに、幸せになることを目指し、ここはひとがんばり!いろんなことを考えてみる時期です。
この時期にきっと様々なことが見えてくるはずですよ。
心理カウンセラー 鹿屋由佳
東京・福岡を拠点に講座や面談カウンセリングを行う。ボイスマルシェ電話カウンセラー、テレビ番組のコメンテーターなど幅広く活動中。