【#FocusOn】大人に伝えたい 性教育の現場から やまがたてるえさん×大貫詩織さん 助産師対談<第一回> | 大人のワタシを楽しむメディア
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【#FocusOn】大人に伝えたい 性教育の現場から やまがたてるえさん×大貫詩織さん 助産師対談<第一回>

【#FocusOn】大人に伝えたい 性教育の現場から やまがたてるえさん×大貫詩織さん 助産師対談<第一回>

WOMeで連載していただいている助産師でバースセラピストのやまがたてるえさん。そして助産師で思春期保健相談士であり、現在は精神科病院で看護師として働く大貫詩織さん。おふたりとも性教育の講演会を全国で行っています。そこでアラフォー世代代表としてやまがたさん、アラサー世代代表として大貫さんにお越しいただき、なぜ今、性教育が大切なのか、ということについてお話いただきました。


ここ2~3年で性教育の現場も変わってきた

―今日はお越しいただいてありがとうございます! おふたりに日本の性教育やなぜ性教育が大切なのか、ということなどについてお話いただけるのを楽しみにしておりました。よろしくお願いいたします。

やまがたさん、大貫さん:こちらこそ楽しみにしていました! よろしくお願いします。

―まず、おふたりが今どういう活動をしているのか教えていただけますでしょうか?

やまがたさん:私は子育て支援を中心として、性教育講演を全国で行っています。性教育は保護者向けを中心にしています。あとは小学生や親が話せない思春期の子どもたちが対象ですね。ただ、性教育というのは学校やエリアによって考え方も違っていて難しいところもあるので、基本的に自治体からのリクエストをいただいたものだけにしています。子どもたちには私が助産師として赤ちゃんを取り上げた瞬間に感じる「生まれてきてくれてありがとう」という気持ちをお伝えしています。悲しいですが望まれない出産もあります。ですが、私が助産師としてその赤ちゃんに対して「生まれてきてくれてありがとう」と思う気持ちは紛れもない真実ですから。

大貫さん:私は主に思春期の子どもとその保護者の方にイベントや子育てサークルなどを通じて性教育を行っています。あとは、20,30代の大人も自分たちの性について全然知らないんですよね。なので、「自分の性について知りたい!」という人たちで集って“今から性のことを考えよう”という活動も行っています。それから普通の学校に通えない子どもが行くフリースクールでも性教育を行っています。そういう学校に通う子どもはやんちゃな子も多いので、“今日から使える”実践的な知識を教えます。コンドームの付け方も実際に配って開け方から具体的に。

あと私は精神科の児童思春期病棟に務めているんですが、そこに来る子どもたちは虐待を受けていたり、家庭が複雑だったりが原因で精神的に不安定になり入院しています。その子どもたちの話を聞いて、自分のカラダを守る方法なども教えています。

―おふたりともSNSなどを通じてご自身の活動を報告されていますが、現場で活動されている実感として、これまでタブー視されてきた性に関する情報がどんどん表にでてきているなと感じることはありますか?

やまがたさん:すごくありますね。ここ2~3年じわじわと言った感じですが…オリンピックが決まって“多様性”という言葉がフォーカスされるようになって、どんどん後付けで焦って色々な活動が始まってきているようにも思えます。今まで見てこなかったもの、見えなかったこと、隠されてきたようなことが表に出てくるのは本当にいいことですよね。

大貫さん:本当にそうですね。あとは、今まではメディアが情報を発信し、一般の人が受け取る、と言うカタチしかありませんでしたが、今はネットの時代で個人が自由に発信することができるので、メディアが報じてこなかった第三者視点を当事者として発信することができるのがとても良いなと思います。自分の活動などを自分で発信するので規制をかけられることがないですからね。

性的同意年齢は13歳 明治時代の法律のままの違和感

―実際に性教育の現場に立たれているおふたりだからこそ感じる違和感ってありますか?

やまがたさん:もうたくさんありますよ!

大貫さん:本当に山のようにありますよね(笑)まず私がすごく違和感をもつのは性的同意年齢が13歳であるということです。これは明治時代の遊女が水揚げされる年齢を制定した法律なんです。平成も終わる今もまだこの年齢って絶対おかしいです。しかも13歳といえば中学生ですが、性教育で避妊の方法を教えちゃいけないんですよ。

―え⁉ なぜですか?

やまがたさん:避妊法を教えたらセックスするかもしれないから、ということですね。

―だとしたらなぜ性的同意年齢が13歳なんですかね? 矛盾だらけじゃないですか?

大貫さん:本当にそうなんです。法律の改正を求めたんですが見送られてしまいました。

―意味が分からなさすぎます…他に性教育をしていて違和感をもつことはありますか。

やまがたさん:高校生の講演で「女性の外性器のイラストは省いてください」と言われたケースを聴きました。女性の外性器のイラストを見せちゃいけないんですよ。どういうこと? って思いますよね。それならミケランジェロのダビデ像とかしょうべん小僧とかの存在はどうして堂々と公開されているの?って(笑)

―ほんとうだ(笑)しかしなぜダメなのですか?

やまがたさん:なぜでしょうね? 卑猥なもの、エロイもの、という考えが大人にあるからかもしれませんね。そもそも女性自身自分の外性器を見たことがある人はとても少ないと思います。

―確かにそうですね。

やまがたさん:助産師でも自分のものを見たことが無い人は多いと思いますよ。

―他人のはさんざん見ているのに!

やまがたさん:ええ(笑)

大貫さん:VIOで脱毛するときに初めてきちんと見る人も多いですよね。なんとも言えない気分ですよね(笑)

―わかります(笑)

性教育とは人権とライフスキルを教えること

―世界の性教育と日本は随分乖離があるようですね。

大貫さん:もう本当にそうです! ユネスコが定めている国際セクシュアリティ教育ガイダンスがあるんですが、それを読むと「あれ⁉ あれ⁉ あれ⁉」ってなります。日本の性教育の現場にないものが多すぎて! もうどこから話したらいいのやら…って感じです。

やまがたさん:そこに定められているものでいうと性教育は5歳からスタートしましょう、となっています。正しい部位の名称を5歳児から教え始める。かたや日本では女性器の正しい名称を大人の女性でもどのくらい知っているんでしょうね?

大貫さん:表に出して言ってはいけない完全に隠さなけれいけないものになっていますよね。

やまがたさん:陰部なんて言うくらいですものね。でもね、昔の人は“おひし”って呼んで普通に会話のなかで使っていたんですよ。「おひしが崩れるからきちんと正座しなさい」などと言って。昔の日本人には隠さなければいけないもの、と言う感覚はなかったんですよね。あとは“ほと”などと言っていましたね。セックスのことも“まぐわい”と言っていました。大和言葉です。まぐわうっていうとすごくいい感じがしませんか? きちんと目と目が合って交流しているような。

―本当にそうですね! セックスっていうとなんだか…

やまがたさん:日本語の“さ行”は離れたり、否定をするエネルギーをもった音なんです。「去る、裂く、死ぬ、捨てる、責める」などすべてさ行から始まります。言霊といいますが、日本人にとって“さ行”から始まるセックスという音は良いイメージを持ちづらいのかもしれませんね。

―なるほど。確かにそんな気がします。海外の性教育はいわゆる“性教育の授業”というのがあるのではなくて数学や化学、理科、歴史などあらゆる教科に性教育の要素が入っていると聞きました。

大貫さん:そうなんです! 性教育ってカラダの発達について教える側面と人間関係、コミュニケーションをきちんと築くことができるか、ということを教える側面があると思うんです。コミュニケーションをきちんととることができなくてセックスなんて本来できないはずですよね。それなのにそういったことは一切教えずいきなりエイズの話をしたりする。

やまがたさん:本当にね。性教育はライフスキルと人権について教えることですよね本来は。でも日本でも先進的な性教育を行っている学校はあるんです。秋田県の中学校は性教育を音楽や理科、数学などの教科に取り入れました。すると中絶率が下がったんです。

―素晴らしいですね!

大貫さん:だんだん日本の教育現場でもそういう動きがありますよね。この前、厚木の小学校に行ってきたんですが、4,5,6年生を対象に「自分と相手は違う」「差別はいけないこと」「みんな大切な人」であるということなどを性教育として伝えてきました。

やまがたさん:人権について性教育の現場で教えることがどれだけ大切か…この動きがもっと増えていけばいいなって本当に思いますね。

―実際に子どもたちや保護者、教育者と関わりながら日々、性に伝える活動を行っているおふたり。第二回目は夫婦の関係についてと大人が自分のカラダについて知らなすぎるというお話です。

(写真左)大貫詩織さん
助産師/思春期保健相談士 神奈川県立保健福祉大学 看護学科卒業。 総合病院産婦人科にて勤務ののち、現在は精神科児童思春期病棟に勤務し入院患者への性教育プログラム立ち上げに従事。 また学校での性教育に関する出張講座や、若者向けの性と命の語り場イベント『イノチカタルサロン』の主催も務める。
Twitter
公式サイト

(写真右)やまがたてるえさん
助産師 、看護師、バースセラピスト、JADP上級心理カウンセラー、NPO法人ちぇぶら 更年期ライフデザインアドバイザー
臨床経験をした後、妊娠出産を経験。産後に地域の育児支援活動にかかわりながら、BLOGでのライフワークを発信。BLOGをきっかけに5冊の本を出版。等身大の母から伝える「いのち こころ からだ」をテーマとした講演、保護者向け講演、お話し会や、雑誌などメディアにも取り上げられている。「心が軽くなる」育児のアドバイスが好評。子育て学講座講師、産前産後ケアに携わり、セラピストとしての個別カウンセリングなども行っている。
やまがたてるえさんの記事はこちらから



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