男性も絶倫俺様系ばかりが不倫するのではない
脳科学的に不倫遺伝子を持っている人がいたり、幼少期の環境で不倫しやすい人がいる事実は脳科学者の中野信子先生の教えでよくわかりました。過去複数の調査結果で男性のほうが女性より不倫する割合が高いことも周知の事実。夫婦仲相談所で話を聞いていると、芸能人や政治家ではない一般人ではガッツリ仕事に打ち込む俺様系夫の不倫に悩む主婦たちの声が目立ちます。
男性ホルモン値が高いので仕事欲も恋愛欲と比例するかもしれません。とは言え、「うちの夫に限って」系不倫もあります。純朴、まじめ、控えめ、おとなしい‥おまけにお酒も弱い。到底そんなことはするとは思えぬ夫の「魔が差した」案件もめずらしくないのです。不倫は性格や男性ホルモン高い体質に限らず突発的に起こる場合もあるということです。では女性の不倫動機はどこにあるのか。
「なんでそんなにセックスしたいの?」と夫から言われたら女心はカチコチに凍る
こんな場面があります。男性にも知っておいていただきたいと思います。
すべて夫婦仲相談所に寄せられた寝室でのやりとりです。ノンフィクションです。
「1年近くセックスレスなので夫を誘ったら、女から誘うなんて冷めると言われた」
「毎月、自分から誘っていたら淫乱と言われた」
そのほかにも「○子、そんなにしたいの? なんで? 病気じゃない」
「そんなしたいなら外でやってよ、僕はもう、こういうことはしたくない」
などなど聞いているこちらの胸が痛くなるような夫側の反応…“言葉のDV寝室編”と言えるかもしれません。妻は性欲が溢れてウズウズしているからその解消のために夫の下半身を使っていけないわけはないのですが。
こんな対応をされ続けた妻はだんだん元気がなくなります。家族としては好きだけど女性として見られていないという感覚。性の欲は一生封印しろと告知された気分で暮らしてゆくわけです。
そんな時に職場で斎藤工タイプの男性にやさしい言葉をかけられたといたしましょう。(注:イケメンである必要はなく、癒し系の加藤諒さんでもムロツヨシさんでももちろんあり)妻の心はジワリとあたたかくなります。この時「亭主がしてくれないからこの人とセックスしたいわ」と相手の下半身を妄想する女性はそれほどいません。そこが男性と違うところです。不倫を社会問題と捉えた著書「はじめての不倫学」(光文社新書)の中で坂爪真吾先生もおっしゃっています。
女性の不倫はまず性欲ありきではなく、相手ありきで、自分の性欲ではなく、相手との関係性によって不倫に対するモチベーションが変化する傾向がある、と。まったく同感です。
セックスのことが頭の中になくとも、「誰にも愛されていない私のことを、こんなやさしいまなざしで見つめてくれるなんて。缶コーヒーくれるなんて・・ズドン」。ズドンというのは、2メートルの穴の中にお尻から落ちた音です。それくらいの始まりなのです。スマホを見ながら道路を歩いていたら穴があって落ちるイメージ。妻たちがそっちの世界に落ちる瞬間は、そんなささいな出来事がきっかけなのです。よって恋愛体質であろうがなかろうが、過去のセックス遍歴が夫一人きりであろうが、セックスは奥手であろうが、オルガズム経験がなかろうがまったく関係ありません。
恋愛に関するアンケートで肉食系ゴーコン主婦、出会い系アプリで隔週デートしている主婦ばかりが「不倫をしていますか? イエス」と回答しているという認識は間違いです。また生活費や子供の塾代のためにライブチャット等で仕事をする妻たちが「不倫をしていますか? イエス」と回答するか、これは筆者には計り知れません。
極上不倫に身を置くと結婚できないと感ずいているなら穴から上がらねば
オバフォー未婚もたくさんいるのが日本社会です。仕事の場で女性が昇進できる、マンションを買えるなど昔のひとが聞いたら驚くでしょう。ではセックス界ではどうなんでしょう。
女性の若さが重要視される日本セックス界。オバフォーの方々も、はちきれん若さを満喫していた頃に不倫体験した方はいるのではないでしょうか。過去「20代女性が40代男性にはまる時代」がありました。これは現代も脈々と継がれています。人生経験が多く、話題も豊富で人脈も経済力もある。未知の体験をさせてくれる。同世代男子と付き合うよりずっと自分が成長できる。
セックスも20代男子ではかなわない。現在はバイアグラやシアリス、レビトラなどED治療薬が充実。エディケアというサプリも人気があります。体力ではヤング男子にかなわないけれど勃起力はカバーできるし、手技に至っては匠の技。
年上男性との不倫は極上で、同世代の男性と結婚なんかしたくなくなる。そして…ずっと独身。
不倫に寄って男性の理想度が上がってしまうと次のステップに進みにくいという定理。アラサーも必ずオバフォーになる。結婚、出産希望があるならば、穴から上がるのは早いにこしたことはない。
オバフォーの不倫経験と未婚観については次の機会に一緒に考えましょう。
参考:光文社「はじめての不倫学」
夫婦仲相談所所長/執筆家 三松真由美
恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。