【#FocusOn】一刻も早い卵子凍結を勧めたい 産婦人科専門医 船曳美也子さんインタビュー<第一回>

【#FocusOn】一刻も早い卵子凍結を勧めたい 産婦人科専門医 船曳美也子さんインタビュー<第一回>

“卵子凍結”についてあなたはどんな印象を持っていますか? 女性のカラダについて様々な角度から書かれた『あなたも知らない女のカラダ 希望を叶える性の話』。産婦人科専門医の立場から船曳美也子さんが女性が知っておきたいカラダの仕組みについて教えてくれます。そこで今回は著者の船曳美也子さんにどうして産婦人科医になったのか、不妊治療クリニックに勤めるなかで感じていることについてお話を伺いました。


“病人を治す”より“新しい命を手伝う”仕事がしたかった

―『あなたも知らない女のカラダ 希望を叶える性の話』拝読いたしました。知らないことも多くてぜひ大人の女性に読んで欲しい本だと感じました。特に不妊治療をしている女性、更年期など女性特有の疾患に悩まれている人は読むと心が楽になりそうですね。

船曳美也子さんの著書 あなたも知らない女のカラダ 希望を叶える性の話

自分のカラダ、わかっていますか? 生理はなぜ起こるのか? 出産の適齢期とは? 基礎体温の正しいよみ方を知っていますか? 女性は“産む”性なのか?基礎知識から最新医療まであなたらしく生きるための「性」の話。

ありがとうございます。そう言っていただけるととても嬉しいです。みなさん案外自分のカラダについて知らないんですよね。不妊治療をしている方でも妊娠の仕組みやご自身のカラダについて知らない場合も多いです。

―わかります。避妊せずにセックスをすればすぐに妊娠すると思っている人も多いですよね。ちょっと話は変わりますが、先生は大学で心理学を専攻し卒業後は一般企業でOLをして、その後また大学に入り直して医師免許をとられていますよね。

もともと占いにはまったことがきっかけで心理学を専攻したんですが、大学で学ぶうちに精神疾患を患った方々を治療するのは自分に合ってないな、と感じたんです。それでOLになったんですが、親が医者だったこともあってやはり医学の道に進もうと医大に入り直しました。

私の母はすごくパワフルな人で、いわゆるガラスの天井なんて感じさせない女性。その影響か私も自分が面白いと思うことを追求すること、自分で自分の人生を決めることが当たり前だと思っていました。なので「医者になりたい!」と思った後は迷わず医大に入学しました(笑)

―その行動力、すごいです! どうして産婦人科専門医になろうと思われたのでしょうか?

私がお世話になった教授が不妊専門医だったんです。なので情報もとても充実していました。病気の方を治療する医者ではなく、新しい命のお手伝いができる産婦人科専門医になりたいって思ったんですね。

性教育は生物学の延長であればいい

―先ほど、自分のカラダを知らない女性が多い、と言う話をされていましたが、なぜそうなってしまうのだと思いますか?

性教育が偏っている気がします。避妊法や性感染症ばかり教えるとか。卵子の老化や妊娠の仕組み、など知らなければいけない情報はたくさんあるのにまったく教えてくれない。親子間で性教育をしている家庭も少ないですし。そして成長して大人になって、妊娠出産を経験している年上の女性が積極的なアドバイスをするかというと、言い方によればパワハラになってしまったりするので話せない。そしていよいよ結婚して妊娠したいのにできなかったりした時に「どうしよう」となる。

―日本の性教育は世界でも最低レベルだと聞きます。

そうですね。本当に問題ですよね。道徳的なことを入れようとし過ぎておかしなことになっている気もします。シンプルに生物学の延長として自分たちのカラダについて正しい知識を持とう、で良いと思うんですよね。

―なるほど…そういう背景もあってこの本を書かれたのでしょうか?

ええ。もしも妊娠・出産したいと思っているなら自分のカラダについて一刻も早く正しい知識を持って欲しいと思っています。

―先生が一刻も早く、と言われるのにはなにか理由があるのでしょうか?

はい。現状、結婚年齢が上がっているのですが、残念ながらカラダはその分老化しています。卵巣の状態は個人差が大きいので何とも言えませんが、30代で閉経してしまう人も1%くらいいます。40代前半では約10%。50歳前後で閉経する人がほとんどだと思いますが、閉経の10年くらい前から自然妊娠は難しいと言われているんです。

―30代で閉経してしまう人もいるんですか…驚きました。

そうですね、個人差がとても大きいですけどね。女性はみんな胎児の時に卵子がすでに卵巣の中にできていてそこから増えることはありません。排卵されなかった卵子は卵巣の中で消失していくわけですが、そのスピードが年齢を重ねるにつれてドンドン早くなっていくんです。毎月1000個くらいの卵子が起きだしては消失しています。その消失のスピードを速めるのは老化だけではなく、喫煙なども影響があります。

―そういう意味でもタバコは「百害あって一利なし」なんですね。

そう思います。こういう状況があるので、女性が妊娠を望むなら一刻も早く妊娠するための努力をすべきだと思うんです。

―子どもが欲しいと思っていてもそもそもパートナーがいない場合は無理ですし、パートナーがいてもすぐ授かるわけでもない…焦るばかりですね。

そうです。それで私はひとつの手段として一刻も早い“卵子凍結”をおすすめしています。

―“卵子凍結”言葉は聞いたことがありますが、それはとても遠い存在のように思っていました。ですが、パートナーがいてもいなくても将来子どもが欲しいと思っている女性に船曳先生が卵子凍結をすすめる理由を聞いてとても納得しました。第二回をお楽しみに。※2月16日(土)12時公開予定



船曳美也子さん

日本生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医。1983年神戸大学文学部心理学科を卒業後、医師を志し、1991年兵庫医科大学医学部を卒業。兵庫医科大学病院、西宮市立中央病院、パルモア病院を経て、医療法人オーク会にて不妊治療を専門に診療にあたっている。
自らも体外受精を行い、43歳で初めての妊娠、出産という経験を持つ。

著書に、「婚活」「妊活」など女性の人生の描き方を提案する「女性の人生ゲームで勝つ方法」(主婦の友社)、女性の身体について正しい知識を知ってもらえるよう執筆した「あなたも知らない女のカラダ―希望を叶える性の話」(講談社)がある。2014年、健康な女性の凍結卵子による妊娠に成功。出産に至ったのは国内初とされる。(出産は2015年)



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