【#FocusOn】“カラダ学”で正しい知識を得てほしい  産婦人科専門医 船曳美也子さんインタビュー<最終回>

【#FocusOn】“カラダ学”で正しい知識を得てほしい  産婦人科専門医 船曳美也子さんインタビュー<最終回>

あなたは自分のカラダについて正しい知識をもっていると思いますか? 『あなたも知らない女のカラダ』著者 産婦人科専門医 船曳美也子さんは不妊治療専門クリニックの先生でもあります。インタビュー最終回は船曳さんが思う子どもを持つということ、パートナーとの関係についてお話を伺いました。


子どもを持つことは人生の振幅が大きくなること

前回の記事はこちらから

―男性と女性がいなければ子どもはできません。今は同性婚も認知されつつありますが…船曳先生は夫婦とは何だと思いますか?

法的な義務をもって生活をする相手ですかね(笑) 恋愛感情は4年で終わるといわれていますが(笑)、そのあとは感情ではなく現実が待っています。子どもがいるなら一緒に子どもを育てていく相手ですね。

―なるほど(笑) 法的に生活をする相手を得た後は子どもを授かるものだと思っている人がほとんどだと思います。それが当たり前だと。なのでそれが叶わないと苦しむし、治療しなければならない、となる。先生はそれについてはどう思われますか?

自分の人生ですからね。自分が納得するようにしたらいいと思います。自分にとって子どもを持ったら人生がどうなるのか? 一概に子どもを持ったからって良いことばかりじゃないですよね。私も育てているから分かりますが、子どもを育てるということはとても大変です。感情や人生の振幅がとても大きくなります。ひとりや夫婦だけなら感じなかったような感情をたくさん持つことになります。お金もかかりますしね(笑) プラスのこともたくさんあるけど、同じようにマイナスも増える。いないほうがずっと楽だと考えることもできます。

だって一人の自由って、それはそれでプライスレスですよ! 自分が“こうしたい!”って思ったらすぐにできる。だけど、メディアの打ち出す幸せのカタチは“夫がいて子どもがいてマイホームを持って”…だから、そこと比較してズレを感じると不安になるんでしょうね。

―それは本当にそう思います。

TVCMや雑誌を疑った方がいいですね(笑) なぜそういう幸せ感を押し付けてくるのか?

―商品やサービスをプロモーションするためには、そうしたイメージを作る必要があるのかもしれませんよね。

ええ(笑) そういうこともあるかもしれませんね。

子どもを持つという価値観をもっと広げても良い

―子どもを持つ方法として、今、日本では卵子提供者を得て出産することや代理母は認めらえていませんよね?

そうですね。そういったことをしたい方はネットで情報を検索されたり、海外に行かれますね。本当に「子どもが欲しい!」と思った場合には、養子縁組もあるんですけどね…日本で今のように家族が血縁重視されるようになったのって近年なんです。昔はたくさん養子縁組がされていましたよね。

妊活で苦しんでも妊娠出産ができればいいですが、そうでなかった場合どうするのか? 自分の納得のいく形で楽しく生きられるのが一番です。そういう人生を歩めるように情報は正しく得て、自分が望むものを見つめて歩んで行って欲しいと思います。しかしまずは性教育をどうにかしなきゃですね! そもそも“性教育”って言う言葉に抵抗感がある人が多いと思うんです。私はとても抵抗感があります。なにか別の言葉がないかなあって思います。

―先ほど先生が「性教育は生物学の延長で良いんじゃないか」と仰いましたけど、とても腑に落ちました。なので、“カラダ学”なんてどうでしょう?

良いですね! 性教育はこれから“カラダ学”。新しくカラダ学で本も出せるかな(笑)

―ぜひ読んでみたいです! 今日はありがとうございました。

ありがとうございました。

―不妊治療専門クリニックの先生でありながら、不妊治療が授かることのすべて、ではなく様々な選択肢があるということを教えてくれた船曳美也子先生。不妊治療をしている方もそうでない方も自分の人生の幸せをもう一度見つめてみませんか?

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船曳美也子さん
日本生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医。1983年神戸大学文学部心理学科を卒業後、医師を志し、1991年兵庫医科大学医学部を卒業。兵庫医科大学病院、西宮市立中央病院、パルモア病院を経て、医療法人オーク会にて不妊治療を専門に診療にあたっている。自らも体外受精を行い、43歳で初めての妊娠、出産という経験を持つ。著書に、「婚活」「妊活」など女性の人生の描き方を提案する「女性の人生ゲームで勝つ方法」(主婦の友社)、女性の身体について正しい知識を知ってもらえるよう執筆した「あなたも知らない女のカラダ―希望を叶える性の話」(講談社)がある。2014年、健康な女性の凍結卵子による妊娠に成功。出産に至ったのは国内初とされる。(出産は2015年)

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