
難解な医学用語は読み飛ばして理解できるところだけチョイス!
お医者さんの本をプロデュースすることも増えた今日この頃、医学書に触れる機会もあります。「アトラスでみる外陰部疾患プライベートパーツの診かた」とか「セックス・セラピー入門」など大変勉強になります。男性誌FRASHがちょうど医学書特集を掲載していました。私の愛読書がずらり。週刊誌やネットの怪しいセックス記事を正すというテーマでした。
医学書は性に関する事項がまさに医学用語を使って解説されているため、一般人が読むには難解そのもの。私は医学用語は飛ばして理解できる部分のみ読み進めています。
男性性欲の低下原因はこの2つ by 医学書
名著「セックス・セラピー入門」では『男性の性欲低下障害』という項があります。「夫が1年近く誘ってくれません」「彼氏が前みたいにしてくれなくなりました。私に飽きたんでしょうか」という夫婦仲相談所では圧倒的多数のアルアルの症例も医学書の手にかかると、性欲低下の心因は2つ。
ひとつは妻が肉親のように思えて性の対象として考えられないエディプスコンプレックス。もうひとつは「化粧を落とした妻の顔、肥満したおなかに落胆し、やる気を失う。過去の嫌な思い出や金銭的なことを連想し、性的欲求を自ら無意識に消してしまうターンオフメカニズム」と呼ぶ原因。
ほう! 難しい言葉は置いておいて、そう言われればそう思えてしまう。
そして男性ホルモンの低下についての解説へと進むわけです。
心理的になんちゃらコンプレックスを抱え、男性ホルモンの血中遊離テストステロン値が8.5Pg/ml未満・・とか言われてもセックスレスに悩む一般女性にはどうしていいかわからない。
「夫が1年も触ってくれないから、メンタルクリニックに行ってマインドを修正し、泌尿器科に行ってテストステロン治療を開始してもらう。必要ならばバイアグラ云々」という流れには決してなりません。
夫がED気味でセックスに自信がなくてしたくない場合のセックスレスもそうです。
妻「あなた、挿入可能の硬度にするためには病院へ行って治療してもらわないと困るわ。国際勃起機能スコアで21点以下よ。グレード1なのよ」
夫「おっしゃるとおりです。了解です。僕の陰茎はこんにゃくの硬さです。即刻、泌尿器科に行って治療します。」
こんな理想の会話(妻にとって)ができる夫婦は花丸ですが、かくいう高飛車な妻を夫が愛し続けるわけもなく。夫にその気がない場合のセックスレスを改善するのは医学書を読んでもむなしいだけということになります。
セックスレスのメカニズムを知るだけでも救われる
しかし、なぜ夫に性欲がないのかその“メカニズム”を知るだけでも、少し気持ちが軽くなりませんか。
セックスレスに悩む夫婦は、とても深刻で暗い闇を抱えながら年齢を重ねてゆきます。すぐに改善はできなくても原因を知るだけで光が見える。その意味で私は医学書の内容を、医師の方々に教えてもらいながら、相談所で伝えてゆきたいと考えています。
夫の性感染症で信頼関係が崩れる重篤なセックスレス
尾上泰彦先生が書かれた「アトラスでみる外陰部疾患プライベートパーツの診かた」にいたっては、これぞ高校の性教育に教科書として使ってよいのではと思うほど充実した内容です。性感染症に長年取り組んでおられる尾上先生ならではの資料収集。
淋病、性器ヘルペス、マイコプラズマなどの患部写真で詳しく解説。ショッキングです。性感染症への恐怖を肌で感じることができます。ピンクサロンでオーラルセックスしただけなのに陰茎が大変なことに! 口内から感染!? なんて男女ともに未然に防ぎたいですよね。性感染症が恐ろしいことを知っておくだけで全然違います。
オバフォーであれば、子ども達にも教えたい内容です。また、夫に性感染症をうつされた妻たちが少なからずいることも知っておいてください。こうなると、確実にその夫婦はセックスレスになります。夫がどこで感染したかを知る泥沼の喧嘩です。
性感染症が原因のセックスレス。やはりセックスレスの原因は予想を超えるものが数々あります。
性感染症についてはまたの機会にお伝えします。
夫婦仲相談所所長/執筆家 三松真由美
恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。