
女性ホルモンの更年期にある関節痛
「朝起きると、指の関節が痛い」「手がこわばる」「膝や腰が痛い」このようなことを感じたことはありませんか?
45〜55歳の「更年期」と呼ばれる時期は女性ホルモンの低下から、関節の動きが悪くなったり、手の指や手首、足の関節が痛むなどの症状が出てくることがあります。加齢や生活習慣によって関節を支えている軟骨や筋肉が衰えてしまうことも関節痛の原因の1つです。
女性ホルモンの低下による、関節痛やこわばりの症状は数年で徐々に落ち着いてきます。辛い場合は我慢せず婦人科へ行きましょう。HRTホルモン補充療法を行うことで改善する場合もあります。
更年期症状ではない関節痛
一方で、更年期症状だと思っていたら、実は疾患が隠れていたと言う場合もあります。間違いやすいものは、関節リウマチ、膠原病、甲状腺機能低下症などです。
リウマチは、ちょうど更年期世代でもある40代から発症する方が増え、関節のこわばりや痛みなど更年期の症状と似たような症状が起こるため自分では判断が難しいことあります。不調が続く場合は医療機関を受診しましょう。整形外科・リウマチ科、膠原病・リウマチ内科などがあります。関節リウマチの場合は炎症が起こるため、病院で検査をすれば診断がつきます。
40代半ばからのひざの痛みの9割は「変形性ひざ関節症」
関節痛の悩みの中で、最も多いのは「ひざ」の痛みです。
40代半ば以降のひざの痛みの9割は「変形性ひざ関節症」と言って、ひざの関節にある軟骨が徐々にすり減って骨が変形してしまう症状です。男性より女性の方が圧倒的に多く悩んでいます。理由としては、筋肉量が少なく、女性ホルモンの分泌の減少で骨が弱くなりやすい、と言うことが考えられますが、症状が進行すると歩けなくなってしまうので「予防」がとても大切です。
立ち上がるときに痛みを感じたり、階段の下りが痛かったりと、ひざを動かすと痛むので、それをかばおうとして動くことに消極的になってしまいがちなのですが、関節が腫れて熱を持っていなければ、積極的に体を動かしましょう。
筋肉が発達し使えるようになると関節に負担をかけずに生活ができます。運動をすることで筋力がつくと、ひざを守ることができるのです。また、日本整形外科学会の報告では、運動することで痛みを軽減させる効果もわかっています。
ひざの関節力をアップ!ひざの痛み予防・改善エクササイズ
ここではひざの関節を守るために、最もオススメの対策ケア方法をお伝えします。ひざの痛みに悩んでいる方はもちろん、痛みを感じていない方も予防のために、ひざの関節を守る方法を一緒に身につけていきましょう。

1.あおむけになる。片方のひざを30度以上曲げ、もう片方はまっすぐ伸ばす。

2.伸ばしている側の脚を、床から10cmアップして5秒間キープ。ゆっくりダウン。
3〜5セット行ったら反対の足にチェンジして、同じことを行います。
カラダの中で最も大きな筋肉「大腿四頭筋」
まずは自分ができる回数からスタートし、徐々に回数を増やしてみてください。
このエクササイズで主に使っている腿の前側の筋肉は、「大腿四頭筋」と言って、カラダの中で最も大きな筋肉です。ここを鍛えれば、結果が出やすいので、最初はきついと感じていても続けるうちに筋力の回復も感じられるでしょう。
参考資料:黒澤尚 著『変形性膝関節症と運動療法 その効果と生物学的意義』(順天堂醫事雑誌)
NPO法人ちぇぶら代表理事 永田京子
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ピラティスや産後ケアの指導者として活動する中で、40代の受講者たちの声を受け更年期を迎える女性をサポートする「ちぇぶら」を設立。