家族はチーム パパが“アウェイ感”を感じているかも ファザーリング・ジャパン安藤哲也さんインタビュー<最終>【#FocusOn】

家族はチーム パパが“アウェイ感”を感じているかも ファザーリング・ジャパン安藤哲也さんインタビュー<最終>【#FocusOn】

これさえ読めば夫がイクメンに!?ファザーリング・ジャパン代表の安藤哲也さんに夫を“イクメンにする方法”をインタビューした最終回。夫をフラリーマンにさせない方法やセックスレスにならないためのコミュニケーション術も教えてもらいました。笑っている父親を増やしたいという安藤さん。父親が笑顔なら妻も子どもも笑顔になる!


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「“よい父親”ではなく“笑っている父親”を増やしたい!」とファザーリング・ジャパンを立ち上げた安藤哲也さん。

3回に渡ってお話を伺った最終回は、社会問題でもあるセックスレスについて男性の目線から語っていただきました。

“子どもパーテーション”をつくって寝ていませんか?

――今までWOMeでは女性の方にセックスレス問題を語っていただいてきたのですが、男性の安藤さんの視点から見て、なぜ日本はセックスレス夫婦が増えているのだと思いますか?

わが家がどうかは別として(笑)、子どもが小さい時って寝るときに「川の字」。つまり子どもを真ん中にして“子どもパーテーション”を作って寝ている家庭が多いんじゃないかな?

――子どもパーテーション…たしかに…

それじゃなかなかできないよね。あとは、パパもママもお互い仕事や家事が忙しすぎて疲れていて、やっぱり余裕がないんだと思います。これは本人たちの問題だけではなく、企業とかも一緒になって働き方を変えていかなきゃいけない問題ですよね。

少子化対策で保育園を増やすとか教育費無償化も大事だけれど、働き方を変えてもっと夫婦が日常の生活に余裕をもてるようにしないといけないと思います。

――本当にその通りだと思います。

セックスレスっていうけれど、そもそも夫婦でコミュニケーションがしっかりできていないんだと思います。コミュニケーションレス。セックスの前に会話やスキンシップがないとダメだよね。日常的にそれがしっかりとあって夫婦の信頼関係が高まっていたら自然とセックスもできるようになるんじゃないかなと思います。

夫をフラリーマンにさせないで

多くの人は真面目じゃない? だから仕事も一生懸命やって、家事も育児も“完璧に”やらなきゃいけないって頑張ってしまう。でも現実的には無理ですよね。手抜きしたっていいと思うんです。「これが今日の我が家のベストフォーマンス」って思えばいい。仕事も家事も完璧を目指さなくていいんです。

――ああ…確かにお総菜を買って帰ると罪悪感を感じる…とか、そういう話もよく聞きます。

深刻な事態でない限り、「こんなもんだ」でいいと思うんですよ。子どもが小さいうちは終わりなき子育てだし、完璧に過ごすなんて不可能。そこにストレス感じてるより、どうやって楽しむかってことを考えませんか。

――夫婦がお互い楽しんで家事をして育児をする…それができたら家庭は笑顔にあふれて子どもも幸せですね。

そうです。家族は同じ船の乗組員。本当はチームで一緒に船を漕がなきゃいけないのに、夫は妻に向かって「なんか手伝おうか?」って言っちゃう。そんなこと言われたらママも切れちゃいますよね。「あんたもチームの一員なのよ! “手伝おうか?”じゃないでしょ!」ってなる。

――まさしく(笑)

「手伝おうか」じゃなくて「手を取り合う」んだよね。そして一緒に進むという感覚が大事です。でもその時にね、男は最初から家事や育児が上手くできないってことは女性の皆さんに知っておいて欲しいなあと思います。ファザーリング・ジャパンに集う父親たちだけで愚痴を言い合う会があるんですが、そこではもう妻への不満が爆発してますから(笑)

――え! 知りたい。どんな不満でしょうか?

家事をやったのに文句を言われたってことですね。例えば、洗濯物を干したのに干しなおされた、洗濯物をたたみなおされたとか、食器を洗ったのに目の前で洗いなおされた、とか。

――あるあるですね…そして妻は「どうしてこんなことすらできないの!?」となる。

そうそう。そんなこと言われたら「じゃあ、お前がやれよ」ってなっちゃう。まあ面倒なんだけど、やっていたらまずはちょっと感謝を。人は感謝されるともっと褒められたいから、次はもっとがんばろうって考えて上手くできるようになる。そうやって上手にね、男性を導いて欲しいと思います。夫の家事力が上がった方が結局、ママも楽になると思うんだけどね。

――なるほど。上手に“導く”んですね。

そう、甘やかすんじゃなく、育てるという感覚です。今ね、家が“ホーム”じゃなくて“アウェー”になっているパパが結構多いんです。家に居場所がない男性は早く家に帰ろうとは思わなくなってしまう。

最近「フラリーマン」なんて言葉が出てきた。働き方改革で残業も減ったので家に帰りたくないという夫のことです。会社では頑張ったら上司に褒めてもらえるし評価してもらえるから、家より会社の方が居心地よくなっちゃう。そうなると家には帰りたがらないし、居ても必然的に会話もしなくなるし、育児も家事もしなくなって、妻のイライラは募る一方…マイナスのスパイラルに陥ってしまうよね。

親が楽しく働いていれば子どもは社会に出るのが楽しみになる

――安藤さんは本当に生き生きされていて楽しそうです。安藤さんのように生きるためにはどうしたらいいのでしょうか?

自分の気持ちに正直に生きることじゃないかな。僕は仕事も育児も自分のやりたいことで、どうせやるなら楽しみたいって考えます。飽きっぽいっていう性格もあって、何度も転職しているんですが、やりたいことがどんどん出てきちゃう。今も名刺を7枚持っていろんな活動をしてますけど、それで育児や家事を疎かにしようとも思わない。どうやったら全部楽しめるかのバランスをいつも考えます。

――7枚! すごいですね。

親が辛そうに働いてたら、子どもは働くのは嫌だって思っちゃいますよね。楽しそうに親が仕事していれば子どもは「働くことは楽しいことだ!」って思ってくれる。社会に出ることをポジティブにとらえる子どもが増えたら社会も活気づいてくると思う。そのためにはまずパパが仕事も育児も楽しまないとね。“笑っている父親”を増やすことで、ママや子どもの笑顔も増えていくと思う。だから、ファザーリング・ジャパンの活動をもっと広めていきたいんです!

――終始笑顔で話をしてくれた安藤哲也さん。夫婦の在り方について男性目線で語っていただきました。夫やパートナーに父親スイッチを入れて欲しい方は、ぜひ夫婦でファザーリング・ジャパンの活動に参加してみてくださいね。

文/和氣 恵子、撮影/鈴木 志江菜


ファザーリング・ジャパン代表 安藤哲也さん

1962年生まれ。3児の父。出版社、書店、IT企業など9回の転職を経て2006年にファザーリング・ジャパンを設立。「育児も仕事も人生も笑って楽しめる父親を増やしたい」と講演や企業セミナーなどで全国を飛び回る。著者に『「パパは大変」が「面白い!」に変わる本』(扶桑社BOOKS)、『パパとママの育児戦略』(repicbook)等多数。

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