初めてのことにチャレンジするのは怖い!そう感じた時に読みたい絵本 【心をうるおす大人の絵本 # 07】 | 大人のワタシを楽しむメディア
初めてのことにチャレンジするのは怖い!そう感じた時に読みたい絵本 【心をうるおす大人の絵本 # 07】

初めてのことにチャレンジするのは怖い!そう感じた時に読みたい絵本 【心をうるおす大人の絵本 # 07】

大人になると初めの一歩がなかなか踏み出せない。新しいことにチャレンジするって勇気が必要。どうしたらその勇気が出るのか? 絵本コーディネーターの東條知美さんにそんな大人のための絵本を教えていただきました。


独特な感性で絵本を紹介する世界観が人気の絵本コーディネーター東條知美さん。新年度が始まる4月、新しいことに挑戦する大人に向けて勇気をくれる絵本を3冊紹介していただきました。

“霊長類最強女子”だって初めてのことは緊張する!

4月。あたらしい環境、あたらしい仲間との日々、あたらしい仕事に緊張の日々を過ごしている人も多いのではないでしょうか。

そういえば朝の情報番組で、元レスリングの世界チャンピオン・吉田沙保里さんが“霊長類最強パーソナリティー”としての新しい環境に身を置いていますね。五輪3連覇を果たし2012年には国民栄誉賞も受賞した彼女ですが、初回放送時のかなり緊張した面持ちを見て、「吉田さんでも、初めてのことは怖いものなのね…」と、ちょっとだけ親近感を感じてみたりして。

春は、周りへの目配り・心配りがこれまで以上に必要とされる季節でもあります。そろそろ疲れもピークになる頃かも?

ところで人は、年齢が上がれば上がるほど、新しいことを生活に組み込むのが億劫になる生き物だといわれています。若い頃は、新しい出会いや変化がもたらすストレスによって、一瞬自律神経が乱れたとしても、すぐに副交感神経(リラックスしている時の神経)でリカバリーされるそうです。

しかし、年齢を重ねるとこの副交感神経の働きが低下するため、疲労の原因となる「変化」が、どんどん億劫に感じるようになるらしいのです。

「・・・どうりで!」と仕組みがわかったところで、まだまだ変化を避けられないのが私たちの世代。どうせなら、「初めてのことにチャレンジするのは怖い!」ではなく、「初めてのことにチャレンジするのはワクワクする!」の方に、気持ちを切り替えてみませんか?

ゆったりとした気持ちで、いくつかのヒントをあたえてくれる絵本を開いてみましょう。

『フランクリンの空とぶ本やさん』 (ジェン・キャンベル 文/ケイティ・ハーネット 絵/横山和江 訳 BL出版)

読書が大好きなドラゴン(フランクリン)は、誰かに本を読んであげるのも好きです。しかし人々は、フランクリンを怖がって近づいてきてくれません。
フランクリンは家の中で、自分を信頼してくれるコウモリやネズミにだけ、体操や音楽の本を読んで日々を過ごしています。

そんなある日、森で本を読む少女(ルナ)と出会います。ふたりは、互いがこれまでに読んできた物語の話で意気投合! お気に入りの本を、町の人々にもぜひ読んでもらいたいと考え、ある素敵な計画を立てます・・・。

* * * *

巨大なドラゴンが、実は優しくて読書好きだなんて、大人はなかなか信じられないかもしれません。

少しでもストレスとなりそうなものは避ける…そんな行動が日常化している大人にとって、フランクリン(ドラゴン)は、「初めて出会う」「正体不明の」「関わると損をする」危険な存在に思えてしまうのでしょう。

その点、ルナ(少女)は柔軟です。

・自分から声をかける
・相手をきちんと理解しようとする
・相手への好意を言葉で伝える
・目標に向かって一緒に計画を立てる
・(ふたり以外の)仲間の協力を得る


ルナは、フランクリン(ドラゴン)に出会って間もなく、これだけのことを実に軽々とこなしてみせます。その果てに、「やりたかったこと」をすいすいとやり遂げてしまうのです。うんと楽しく、町に変化を起こして! 素晴らしい能力ではありませんか。

知らない相手とは、臆せず知り合ってしまえばいい。その際に大切なのは、決して偏見や思い込みを持たないこと、もちろん丁寧に接すること。
ふたりの姿に、私たちは「出会いの作法」を学び直すことができます。

「さあ、いきましょう!」


初めての人も初めてのことも、怖くなんてない。あなたのあたらしい日々の始まりです。

勇気を出して…最初にフランクリン(ドラゴン)の背中にとび乗った町の人々(数名)にも、「いいぞ、イケてる大人たち!」と拍手を贈りたいと思います。

『ジャスミン』(ロジャー・デュボアザン 作、絵/さがの弥生 訳 童話館出版)


「みんなと違うようにしているのは、あたしはきらいだわ」

「あたしたちよりも賢いと、うぬぼれているのよ」

「お高く とまってるんだわ」 「でなければ、病気ね」


* * * *

ドキッとするようなセリフが畳みかけられるこちらの絵本。えっ、これって、現実によくある(個人バッシングの)シチュエーション? と感じた人も多いのではないでしょうか。
「出る杭は打たれる」が私たちの国民性だと思いたくはありませんが、あたらしいことを始めるにあたって、いつも「あと一歩」が踏み出せない…その原因のひとつには、案外こんな意地悪な外野の声もあるのかもしれません。

ある日、偶然にめ牛のジャスミンに被さった(羽飾りつきの)帽子。池の水鏡をみつめたジャスミンは、貴婦人のような自分の姿にほれぼれとして、ずっと帽子を被っていようと決めます。

そんな彼女に、農場の仲間たちが投げてきたのが、上にあるような心無い言葉の数々。
ジャスミンはこう返しました。

「あなたたちが どのように思おうと、わたしは 気にしないわ」

この絵本は、「みんなと同じ」という安心を選ぶのか、「自分を貫いて」一つ抜きんでた存在として生きるのか…読者の人生観・仕事観を試すような、ちょっとおそろしい作品ですね。

ある時から農場の全員が帽子を被るようになるのですが、するとジャスミンは「思いをめぐらせて」一旦帽子をしまいこんでしまいます。(その後みんなが脱いだタイミングで、また自分だけ装着するという…いかにも怒りを招きそうなやり方はどうかとも思いますが…笑)

「あなたも、あなたが こうしていたいと思うように すればいいのよ」

この春、「あたらしい自分」で「あたらしいことを始めたい」、「でも周りの目が気になる」…そんなあなたに。

め牛のジャスミンの言葉は、そっと肩を押してくれるかもしれません。

『ラチとらいおん』 (マレーク・ベロニカ 文、絵/とくながやすもと 訳 福音館書店)

「せかいじゅうでいちばんよわむし」な少年ラチ。犬も暗闇も、おまけに友だちですら怖がっているので、仲間に入れてもらえません。
ある日、どこからともなく現れた、ちっちゃいけれど勇敢なライオンが、ラチに告げます。


「ぼくが つよくしてやるよ」


その日から、ラチはライオンの弟子になりました。ライオンがついていると思うと、勇気凛凛。どんな困難も乗り越えられるラチ。友だちからの信頼も得て、そのうちに相撲でライオンを負かすほど強くなります。

・・・気がつけばライオンは姿を消していました。ポケットには赤いりんごがひとつ・・・。

* * * *

「こわくなんかないぞ。ぼくには、らいおんが ついているんだから!」

この絵本を読んで、「勇気がほしい。勇気さえ手に入れば強くなれる」と思い込んでいた『オズの魔法使い』のあのライオンを思い出す人もいるかもしれません。

自分に欠けているものを知ること、それを補おうとひたむきにがんばることだけが、“なりたい自分”になれる唯一の魔法である…と、私たちはもう、みんな気づいているのではないでしょうか。

でも、この絵本はそんな私たちにも、「やっぱりライオン(師匠)は幻ではなかった!?」と思わせてくれるイリュージョンで締めくくられていて、そこがまたステキなのですよ。


もうすぐ「令和」、新しい時代のはじまりです。

さあ今こそ、少女(ルナ)のように誠実に、ジャスミンのように気高く、ラチのように自分を信じて・・・「初めてのこと」、「初めての仲間」を楽しみながらチャレンジができる春になりますように。

あなたが新しいことにチャレンジする姿は、緊張で固くなっている後輩や、変化をなかなか受け入れられない先輩の心をときほどくきっかけとなるかもしれません。

今のその場所を、もっと素敵に変えていく力を、あなたはきっと持っていますよ。

絵本コーディネーター 東條 知美



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この記事のライター

子どもから高齢者まですべての層に向け“毎日がちょっと豊かになる絵本”をコーディネート。講演・テレビ出演等、活躍の場を広げている。

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東條知美 大人の絵本

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