
別居をしていて離婚協議中だというから付き合い始めたのに、子どもが可愛いくなってしまい子どもが成人したら離婚するという。
「この言葉信じていいの?」
というお悩み。アラフォーになっても恋愛の悩みは尽きないですよね。そこで! 全国心理業連合会認定のプロフェッショナル心理カウンセラーである鹿屋由佳さんに読者の皆さんのお悩みに答えていただきます。
大人気カウンセラーの鹿屋さんの回答は愛にあふれていて読んでいるだけで癒されますよ。
離婚調停中だと言っていたのに離婚は子どもが成人したらと言われた
【お悩み】6歳年上の彼と付き合い始めて4年が経ちました。不倫なんて考えられないと思っていた私が彼と付き合うことにしたのは彼が既に別居していて離婚協議中だと話をしていたからです。ですが、子供のことがやっぱり可愛いのか、子供が成人するまでは離婚できないと最近言われました。彼のお子さんは今8歳です。成人するまであと12年…私は51歳になっています。彼は57歳…その時、結婚して何になるんだろう? と思ったりもしますが、彼の「嫁の事は愛していない、愛しているのはお前だけだ」と言う言葉に別れられずにいます。事実、彼は私をとても愛してくれます。半同棲状態でもあります。私はどうすれば良いのでしょうか。
不倫はふたりだけの問題ではない
Aさんは身動きが取れない状況というところでしょうか。
今のAさんは、彼のことが好きで一緒にいたいし、どうなるか先が見えないけれど
彼の言葉に引き留められ、動けないのでしょう。
しかし彼がどう言おうと“妻”という相手があることです。妻が離婚に応じなかった場合、また妻が納得しても子供が納得せずにそのまま婚姻関係が続き、さらに長引く可能性もあります。
不倫中の男性の、「子供が成人したら」「嫁の事は愛していない愛しているのはお前だけだ」などのセリフはほぼ全員同じです。
しかし、その後どうなるかは人それぞれです。
例えば
・結婚する為に女として一番大事な時期を彼に捧げていたけれど煮え切らないので、40歳を前に決意し別れたが新しいお相手も見つからずよりを戻した方。その際に妻と別れるという以前の約束もうやむやになり、今もモヤモヤしたまま関係を続けている。
・28歳で41歳の彼と出会い、彼が出張の度、彼女の元に通うというお付き合い。彼女は子供が欲しいけれど、彼は子供が成人しても離婚せず、そのままの関係で15年。現在彼女は43歳。
・妻にバレて半狂乱になった妻から、嫌がらせメールや職場への電話、待ち伏せなどにより、引っ越しをしたけれど怖くて身を潜め、鬱になり引きこもってしまった方。
・もう愛していないはずの別居中の妻が妊娠したことが分かり、ショックを受けた方。
妻や子供という存在がある事ですので、2人だけの問題ではありません。
まずは、あなたがどうしていきたいのかということです。
どんなことも乗り越えてこの人と一緒にいたいのか? 考えた結果別れようと思うのか。
不倫をしながら良い相手を見つけようと思っても無理
カウンセリングをしていて思うのは、きちんと別れる覚悟をして、その心の整理のためにカウンセリングを受けた方は心がすっきりすると、次にもっと素敵な方に出会います。
不思議なのですが、ご本人が納得すると今までまとっていた暗いオーラのようなものが取り除かれるのを私は感じます。不倫という関係は暗いオーラをまとっているように感じます。
不倫を続けながら「これではいけない」と、新しい相手を探しても良い方は現れません。
人は雰囲気を発するものですから、暗いオーラをまとっている人には、残念ながらそのオーラに見合った人が寄ってきます。
Aさんは彼が離婚してくれるのを待っているのですよね。
でも、このままだと、多分このままです。
私が思うのは、納得しない関係が長く続いている場合、そのままの関係がずるずると続きがちです。
何とかしたい、と強く思う気持ちは長くは続かないので、お互いに本当に何とかしたいと思っている場合のみに変化が起こると思います。
何とかするにはエネルギーが必要です。
「この人と一緒にいたい!」と思う、「この人を離したくない!」と思う時に、動かなければ、そのまま時間ばかり過ぎていきます。
何かアクションを起こしてみる時かもしれません。
「今後ふたりはどうなりたいのか」「私はどうしたいのか」「叶わないならば、関係にけじめをつける」、などと自分の中でしっかりと決めることです。
自分が別れを告げることを脅しのように使い、「きっと彼が引き留めてくれるだろう」という考えはもたず、相手に伝えることです。
喧嘩をしたときに「もう別れましょう!」なんて言うことがあります。これはほとんどの場合、本気ではなく、相手の気を引くためのものですね。
本当に別れる人はそんなに感情的にはなりません。冷静に淡々と別れていくものです。
勢いで別れるとずっと心に残ります。なぜならあなたの心はまだ準備ができておらず、売り言葉に買い言葉の勢いでした行動だからです。
まずは自分の心を見つめていきましょう。そして自分の意思を伝える勇気を持ちましょう。
自分の気持ちを見つめ、自分で決断する
その答えがAさんの願いと違うもの、話しあっても納得のいかない関係を求められるのであれば、けじめをつける時ではないでしょうか。
自分で決心し起こした行動でうけた傷は時間とともに癒えるようになっています。
しかし、友達に言われたから、占いで別れた方が良いと言われたから…などと
人に頼って本意でないことをしてしまった傷は後悔として残ります。
決めるのは自分です。
また不倫をする人の例として、家庭は家庭で、とてもうまくやっている人もいます。不倫している満たされた余裕から奥さんや子供にも優しくなれるのです。
仕事も順調、家でも恵まれていて、そしてさらに欲が出て、うまくいっている時ほど他に目が向く余裕があるのです。
今の状態だと彼が言うことのみを信じるしかありませんが、夫婦の問題でお悩みをそれぞれに個別に聞いてみると、言い分が全く違います。
本当に全く違うのです!
Aさんは「不倫なんて考えられない」と思っていた方。
本当に彼が破局していていつかあなたのところに来るならばよいでしょうが、Aさんが破局の原因になった場合、罪の意識で悩みませんか?
実際、夫に不倫された妻たちの悲しみ、怒り、苦悩は計り知れません。
あまり幸せそうでない例ばかり上げましたが
ひとつ友人の良い例も上げましょう。
別れた彼が彼の以前の行動を反省しやり直したい、と、プロポーズしてきたという友人がいます。自分も40歳を前に他に好きな人もいないし結婚なんてそんなものかな、と婚約しました。
その後、ひょんなことから知り合った男性から猛アプローチを受けます。彼女は心から彼に恋をするのですが、ここで彼から3年間別居している妻がいる事、子供が可愛くて離婚はしていないことを聞きます。彼女は、不倫する男のよくあるセリフだとは思うのですが、彼を好きだという気持ちは確かなものだと気づきます。
そこで、彼女は婚約を破棄するという大変な手配(式場キャンセルや相手方へのお詫び)を淡々と一人でこなします。そして、妻とのことは彼から聞いているだけではわからないけれどお子さんに悪いと思い彼にも別れを告げます。
きっぱり別れを告げてきた彼女に1年だけ待っていて欲しいと彼は言いました。
彼女は自分の辛さや幸せよりも彼が大事にしているお子さん、そして妻に悪いと身を引きました。しかも、こんな気持ちで結婚するのは婚約者に申し訳ない、と、自分の婚約も破談にし、すっぱりと一人になったのです。
そして、約束の1年後、彼は妻と子供のことも十分話し合いお互いに納得する形で離婚を成立させ、友人にプロポーズしました。結婚して6年。二人は今もお互いを大事にしているのが分かります。
自分が寂しくないよう、傷つかないようにという自分本位な考えではなく相手の立場に立てる女性は魅力的です。そしてその潔い行動が彼に、「この人を離したくない!」という気持ちにさせたのではないでしょうか。
彼とのことを真剣に思うのならば、彼の背景も冷静に考え、行動してみては如何でしょう。
心理カウンセラー 鹿屋由佳
東京・福岡を拠点に講座や面談カウンセリングを行う。ボイスマルシェ電話カウンセラー、テレビ番組のコメンテーターなど幅広く活動中。