小さな選択の積み重ねが自分の人生を創る【大網理紗 エッセイ “自分軸”で生きるということ#8】

小さな選択の積み重ねが自分の人生を創る【大網理紗 エッセイ “自分軸”で生きるということ#8】

私たちは朝起きてから夜眠るまで、小さな選択を繰り返します。着ていく服は? メイクの色は? 朝ご飯は? 何の仕事から取り掛かる? ランチは? 誰とのアポを優先する? …小さな選択すべてが一日をつくり、自分自身を創り上げます。ですが、その“小さな選択”に私たちは敏感でしょうか? 選択にきちんと向き合っているでしょうか? 国際基準マナー講師の大網理紗さんがアトランタから発信するエッセイ第8回目です。


私たちの日常は小さな選択の積み重ね

Strawberry pickingができるSouthern Belle Farm。ビニールハウスではなく、一面に広がった畑で、青空の下、バスケットにいちごを摘んでいきます。週末は大勢の人で賑わっています。

5月のアトランタはStrawberry picking(いちご狩り)のシーズン。私はいちご狩りというと、女性同士だったり子ども連れだけが行くようなイメージを勝手に持っていました。ですが、こちらでは家族の恒例行事のようで、週末はどこのFarmも朝から大混雑。お父さんも一緒にファミリー全員で楽しんでいる様子を多く見かけます。

アメリカはFarmとの距離感が近く、小学校の遠足などでもよく訪れる遊び場のひとつです。バケツいっぱいにいちごを採ったあと、青空の下、アイスクリームやストロベリータルトを食べる家族たち。トランポリンや滑り台で遊ぶ子どもたちやFarmで作られた新鮮な食材を真剣に選ぶ老夫婦などのどかな光景が広がります。

スタッフとも親しげに話し込んでいて、家族にとって身近な存在であることが伝わってきます。自分が口にするものは自分で選びたいと考えるアメリカ人がアトランタには多いようです。

だからこそ、わざわざFarmまで足を運ぶのでしょう。家のすぐ近くにあるスーパーマーケットでも、オーガニックの野菜がズラリと並び、日本よりもずっとオーガニック食材が簡単に手に入りやすいように感じます。

Frozen yogurt(フローズンヨーグルト)がおいしいYoforia。フルーツやナッツ、チョコレートなどを好きなだけトッピングします。なんとグミまであります! こちらのパーティーでは、全員に決まったアイスクリームが出されるのではなく、このようなアイスビュッフェコーナーが用意されることもあります。

そして、アイスクリームでもハンバーガーでもカスタマイズできるお店が多く、ファーストフードやカフェのような気軽なお店でも、自分好みにさまざまに選ぶことができます。

アトランタで1番お気に入りのハンバーガーショップFarm Burger。産地直送の野菜やお肉にこだわりがあり、スーパーフードのキヌアを使ったハンバーガーが特にお気に入りです。

バンズの種類はもちろん、チーズの種類はチェダーチーズ? ゴーダ―チーズ? イタリア産? フランス産? お肉の焼き具合はレア? ミディアム? と、何からなにまでカスタマイズ×カスタマイズ。日本で完成形のハンバーガーの中から選んで食べることに慣れてしまっているからでしょうか。正直ちょっと選ぶことが面倒に感じてしまうこともあります。

もちろんそんな人のために、すでに完成された組み合わせのバーガーも用意されています。が、ふと隣のアメリカ人グループのテーブルをみると、見事にひとりひとり全員が違ったバーガーを選んでいます。「私も同じのにしようっと」というような発想はないのでしょうか。

私たちの毎日は「小さな選択×小さな選択」の繰り返しです。今日の洋服は? ランチは? コーヒーは? その小さな選択が自分の人生をカスタマイズすることなのだと、私たちはもっともっと敏感になる必要があるのかもしれません。

“話せる”と自分に自信がもてる

卒業式に向けて、子どもの幼稚園からクラスの集合写真が送られてきました。ワクワクしながら見てみると、なんと、私の子どもだけしょんぼりした顔で写っています(他の子は可愛く写っているのに!)「写真を撮るとき、なにかイヤなことでもあったの?」ときくと、「足がうまく組めなかった」といいます。見ると全員が、手を組んで、足首を交差するように組んで写っています。日本でよく言われる「手は膝に置いて足は揃える」というのではなく、どうやら手も足も組むようにカメラマンから指示されたようです。

“ピン!”と姿勢がよく、歯をみせて笑っている子どもたちが多いことにも驚きました。アメリカでは大人の宣材写真でも、足を組み、腕を組み、自信満々に映っている写真をよく見かけます。それが時に、日本人には横柄に感じられてしまうこともあるようですが、アメリカでは“自信に満ち溢れていて素敵”という印象になるのでしょう。

こちらでは「Public Speaking」という話し方の習い事がたくさんあり、小学生の頃から通いはじめる子どもが多いようです。話し方や立ち居振る舞いによって、「自分をどう魅せるか?」ということに、とても重きを置いていることがわかります。親の中には、「子どもに身につけさせたいもっとも大切な資質」と言いきる人もいるほどです。

「話せないと自信を持てないでしょう」と英語以外の言語の習得に熱心な親もいます。中には、複数の言語を同時に習っている子どもたちも。友人の小学1年生の男の子は、中国語、スペイン語、フランス語の語学学校へ通っているそうです。

初めてその話を聞いたときは「そんなにたくさん!?」と驚きましたが、「息子だけではないのよ。アメリカでは複数の言語を同時に勉強している子どもたちはけっこういるわよ」とのことでした。

そして、教育機関を取材する中で日本ではあまり見かけない教育法だと感じたのが、「鏡に映った自分を見つめる」というものです。子どもに手鏡を持たせて、鏡に映った自分を見つめさせて他の誰とも違う美しい自分に気づかせるというもの。

うっとりと鏡を覗き込む子どもたちを称賛するのです、「あなたはとても素晴らしいのよ」と。これが「自分の魅せ方を確立する一歩」へとなっているのでしょう。

自分の魅せ方を確立する第一歩は○○○を捨てること

先日、ある教育施設長の70代の女性と話す機会に恵まれました。彼女は娘が2人、息子が1人、7人の孫がいるそうです。自分軸をはぐくむ幼児教育の第一線で活躍している彼女に、「自分の魅せ方を確立する一歩」について質問してみました。すると彼女は「Feelings of guilt(罪悪感)」と言いました。

「罪悪感、後悔、執着、選ばなかったほうの選択肢、もしかしたらあったかもしれない人生。大人はね、いろんなものを持ってしまっているから、心の中、頭の中を断捨離することが大事なのよ」続けて彼女は「こんなデータがあるそうよ」と言いました。

「仕事をしている約80%のアメリカ人の母親が、仕事や毎日をまわすことが忙しくて、家族や子どもに自分はできていないことがあると罪悪感を持っている。そして約80%の女性が、家族や子どもを理由に、仕事を思うようにやりきれていなくて罪悪感を持っている。これって不思議よね?」

「仕事をする人生を選んでも、家族に申し訳ないって罪悪感を持って、仕事をしないで家族といても罪悪感を持っているのよ。つまりね、私はこう思うのよ。仕事をする人生を選んでも、家族といる人生を選んでも、私たちは選ばなかったほうの人生と比較して、罪悪感を持ってしまう。“もしかしたらこうできるかもしれないのに、本当はこうできるはずなのに”ってね」 最後に彼女はこう言いました。

「もし今あなたが、選ばなかったほうの選択肢、もしかしたらあったかもしれない人生を考えて過ごしているとしたら…。たとえ選ばなかったほうの選択肢を選んで、もしかしたらあったかもしれない人生を送ったとしても、今と同じように罪悪感を持って生きることになるのよ。だから私たちは今持っている罪悪感を捨てないといけない。それが自分の魅せ方を確立する第一歩なのよ」

リサ・コミュニケーションズ代表 大網理紗

大網 理紗

リサ・コミュニケーションズ代表
世界の王室・皇室・政府要人といったVIP接遇業務に従事した後、全国アナウンスコンクール優秀賞、国際優秀賞受賞などの経歴を活かし、話し方&国際基準マナーのスクールRiSA Communicationsを設立。
独自のメソッドを開発しコミュニケーションスペシャリストの育成を行なう。大学、教育委員会、企業等で数多く講演。また、宮内庁・王室主催の舞踏会などで社交界の経験を積む。

著書
『人生を変えるエレガントな話し方(講談社刊)』
『大人らしさって何だろう。(文響社刊)』



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この記事のライター

話し方&国際基準マナーのスクールRiSA Communicationsを設立。国際基準マナー講師。

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