人生100年時代、更年期は折り返し地点 メノポーズカウンセラーセッション!<第一回>【#FocusOn】 | 大人のワタシを楽しむメディア
人生100年時代、更年期は折り返し地点 メノポーズカウンセラーセッション!<第一回>【#FocusOn】

人生100年時代、更年期は折り返し地点 メノポーズカウンセラーセッション!<第一回>【#FocusOn】

更年期の女性の悩みに寄り添い対策を共に考えてくれる“メノポーズカウンセラー”。人生100年時代といわれる現代において、更年期以降の人生はおよそ50年続きます。更年期をどう過ごすかが、その後の人生に大きく影響しそうです。そこで、更年期の女性に寄り添い悩みを共に解決してくれるメノポーズカウンセラーの3名に集まっていただいて、更年期とは? 更年期とどう向き合えばいいのか? などについて話をしていただきました。


『NPO法人 更年期と加齢のヘルスケア』が認定するメノポーズカウンセラーとは主に更年期について勉強し、更年期についての正しい知識を学び、更年期に悩む女性たちの相談にのり、更年期に関する情報発信をしたりする人たちのことです。

今回は、メノポーズカウンセラーとして活躍されている、女性誌「クロワッサン」で長年更年期の女性のための情報発信をしてきた越川典子さん、40代からの女性の健康管理を主としたクリニックで看護師として更年期の女性に寄り添ってきた江藤亜矢子さん、ヘアケアを専門とし女性の髪の悩みと対策に詳しい元井里奈さんの3人に集まっていただきお話を伺いました。第一回です。

“メノポーズカウンセラー”とは

――今回は、「メノポーズカウンセラー」のみなさまにお集まりいただきました。更年期にはどんな悩みが発生するのか、更年期の対策方法などについてお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします!

一同 よろしくお願いします!

――まずはご自身の自己紹介をお願いします。

越川さん:私は、25年間クロワッサンという雑誌で女性の健康に関する情報発信をしてきました。定年後は、キャリアコンサルタントの資格もとり、女性が健康に働き続ける支援をしています。

江藤さん:私は40代からの女性の健康管理を主とした婦人科のクリニックで20年以上勤務していまして、今まで多くの更年期女性への健康相談を行ってきました。

元井さん:私はヘアケアを専門としていて、更年期女性のお悩みが多いことからメノポーズカウンセラーの勉強もしました。これまでに抜け毛や薄毛に悩む女性1,000人以上のカウンセリングを行ってきましたので、髪の毛のことならお任せください!

――メノポーズカウンセラーとはどういうことをする人なのでしょうか?

江藤さん:まず「メノポーズ」という言葉をご存知ない方もいらっしゃるかと思うのでご説明しますね。メノポーズ(menopause)とは、日本語で「閉経」のことです。メノポーズカウンセラーとは、閉経前後の更年期と呼ばれる時期に起こる心と体の悩みに関する相談を受けたり、更年期の正しい情報を提供したり、啓発活動を行う人のことです。『更年期と加齢のヘルスケア』という団体が認定をしている資格です。この団体は2002年に設立され、これまでに250名近い方がメノポーズカウンセラーの資格を取得しています。

――なるほど。更年期に関するカウンセラーなんですね。250名もいらっしゃるとは驚きました。どんな方が資格を取られているんでしょうか?

越川さん:医療職の方が多いですね。7割くらいが医師、看護師、助産師、保健師などです。3割が医療関係者以外です。鍼灸師やサロン経営者などの美容関連の仕事をしている方、製薬会社や化粧品会社などメーカーにお勤めの会社員の方もいますよ。

――会社員の方も! みなさんどんなきっかけでメノポーズカウンセラーになられるんですか?

江藤さん:女性同士のネットワークの中で、誰かが資格を持っていて、影響を受けて…という方が多いです。関心があれば、バックグラウンドは関係なく取得できるので、ご自身が更年期を経験し、自分や身近な女性のためにという方もいらっしゃいます。

メノポーズカウンセラーが担うのは更年期だけではなく女性の健康すべて

元井さん:母親の更年期を間近で見たことがきっかけになったという方もいらっしゃいますね。

江藤さん:そうですね。それから認定者のほとんどの方が、既に何らかのお仕事をされています。女性向けのお仕事をされていて、仕事柄、更年期の知識が必要みたいですね。エステサロンや美容院は更年期世代の女性が多くいらっしゃるので、知っていること、相談に乗れることが、来てくださる方へのサービスにつながっているようです。

――身近に更年期に詳しい人がいて相談に乗ってくれたら心強いですよね。メノポーズカウンセラーになるためには具体的にどんな勉強をするんですか?

江藤さん:主に更年期に関する一般的な知識から、更年期障害の治療に関すること、更年期とそれ以降に起こる健康問題などを勉強します。年間8回ほど、研修会が開催されています。この研修会では、私も基礎的なことを教えていますが、情報のアップデートや少しアドバンスなことをお伝えする講座もあります。さらに各地域に支部会があり、勉強会を行っていて、メノポーズカウンセラーの交流の場にもなっています。私たちは銀座部会のメンバーでもありますが、銀座部会も独自に勉強会を開催しています。先ほどもお話しましたが。メノポーズカウンセラーの受験は誰でもチャレンジできるので、どんどん認知され広まってほしいなと思っています。

越川さん:メノポーズカウンセラーの活動は、主に更年期の女性を対象にしていますが、女性の一生の健康支援が最終目的なんです。更年期前の「プレ更年期」、更年期後の「ポスト更年期」までを視野に入れています。女性の健康は、ずっとつながっていますからね。

江藤さん:そうですね。ライフコースを見通してフォローしていくということですよね。

――いまさらなんですが、「更年期」って何歳から何歳までのことを言うのでしょうか? 「プレ更年期」と聞いてドキっとしました笑

元井さん:更年期の定義は、閉経前後の約5年間、つまり約10年のことです。閉経時期は平均で50歳前後といわれています。難しいのは、閉経というのは後からわかることなんです。どういうことかというと“最終月経から1年”経ったら閉経と認定されるんです。その5年前からが更年期ですから、月経がなくなって1年して、「あれが閉経だったから、その前の5年間は更年期だったんだ!」となります。

越川さん:一般的に、45歳から55歳が更年期といわれていますが、早い人は40代で閉経する人もいますし、体調が不安定になってきたら、婦人科で一度チェックしてもいいと思います。

――私もアラフォーなので、人ごとじゃないです…

更年期に起こる症状は一概には言えません

――更年期ときくと、ホットフラッシュくらいしか知らない方も多いと思うのですが、他にはどんなことが起きるのでしょうか?

元井さん:私が相談を受ける際に一番多いと感じるのは“眠れなくなる”という方でしょうか。寝つきが悪くなる、夜中に起きてしまう、という方は多いですね。私はヘアケアの相談を受けている流れから「睡眠はどうですか?」と伺ってみて、45歳を過ぎていて眠れないこと、その他にも更年期症状と思われるお悩みを抱えている方には、更年期外来の受診をおすすめすることがあります。

越川さん:あとはイライラしたり、感情の起伏が激しくなる方もいらっしゃいますね。身体やメンタルの不調は100~200種類あるといわれるので、一概に言うのは本当に難しいんです。私がお話を伺った方で、「会社中の人が私を嫌ってる」と感じて、出社するのがつらいと訴える方もいらっしゃいました。ホルモン補充療法をしたら、「なぜあんなふうに思ったのかしら」と笑っていましたが。

江藤さん:私は、更年期を専門に扱う婦人科クリニックで働いているので、更年期女性の方のお話を聞くことが多いのですが、中には電車に乗れなくなったり、車を運転できなくなった方もいらっしゃいました。不定愁訴自体は自律神経の乱れからくるものなので男女問わず起こりますが、閉経前後の卵巣機能の低下によって引き起こされる不定愁訴を更年期症状というんですね。日常生活が営めなくなるほど酷い症状がでていると“更年期障害”といい、病気として治療が必要です。

――更年期障害は病気なんですか…

江藤さん:他にも関節が痛い、肌が乾燥する、膣も萎縮しますから性交痛の悩み、尿漏れの訴えを持っている方もいらっしゃいます。50歳以降、日々の生活を考えると大きな問題です。

――なぜこんなに様々な症状が起こるんでしょうか?

越川さん:それは女性ホルモンであるエストロゲンのレセプター(※)が全身にあるからなんです。なので、更年期にエストロゲンが減少すると、全身が影響を受けます。骨や筋肉が衰えたり、皮膚や粘膜から潤いがなくなったり、血管の弾力が失われたり、さらには認知機能にも影響するといわれています。

――そんなに女性ホルモンはいろいろな役割を担っているんですか! しかし、「皮膚が乾燥してかゆくなったから更年期かも。婦人科に行こう」と思う人はあまりいないですよね。皮膚科に行ってしまうと思います。

越川さん:その通りです。更年期の症状で鬱っぽくなったり眠れなくなったりして、神経科で処方された薬を飲んでいてもよくならない、という方もいらっしゃいますし、耳鳴りがして耳鼻科に行ったけどよくならない、湿疹がでて皮膚科に行ったけどよくならない、という方もいますよ。さまざまな病院を3~10箇所まわってようやく婦人科にたどりつくことも珍しくありません。

――3~10もの病院を回るんですか? そうならないようにするにはどうしたらいいんでしょう?

越川さん:理想的には、かかりつけの婦人科医をもつことですよね。更年期に起きる症状の原因はエストロゲンが少なくなることによるものですから、他の診療科にかかっても、様子をみましょう、となることが多いようです。根本解決ではないのです。

江藤さん:更年期障害は、女性ホルモンであるエストロゲンの変動によるものですが、他にも環境要因やその人の“気質”も原因になります。更年期はちょうど親の介護があったり、仕事が忙しかったり、夫や子供との関係性など、社会的なストレスをたくさん受けることがあって余計に複雑になってしまっているんですね。最近では高齢出産が増えて子育て時期に重なる方もいらっしゃいます。

――他の診療科の先生が更年期について詳しくなってくれればいいですが、なかなかそうもいかないのでしょうね。

越川さん:そうですね。少しずつ理解されている他科の医師も増えてきてはいるようですが、なかなか難しいですよね。

――日本の医療の仕組みの中で、更年期の女性たちが迷子になってしまっている現状がよくわかりました。その窓口を担うのがメノポーズカウンセラーなのだと感じました。第二回では、更年期の代表的な治療であるホルモン補充療法を中心にお届けします。※第二回に続きます。

※レセプター…外界や体内からの何らかの刺激を受け取り、情報として利用できるように変換する仕組みを持った構造のこと。

文/北 奈央子、撮影/鈴木 志江菜



越川 典子(こしかわ のりこ)さん
合同会社ウェルネス&キャリア通信社代表
国家資格キャリアコンサルタント、米国CCE認定キャリアカウンセラー。名古屋工業大学実務型教員。25年所属した女性誌「クロワッサン」では副編集長として医療・美容の編集ディレクションをする。現在は、取材・執筆を続けると同時に、ヘルスケアとキャリアと2つの領域から女性の支援を続け、講演・セミナー活動も行う。日本更年期と加齢のヘルスケア学会幹事。メノポーズカウンセラー、女性の健康とワークライフバランス推進員。



江藤 亜矢子(えとう あやこ)さん
小山嵩夫クリニック看護師長
1997年より現職である40代からの女性の健康管理を主とした婦人科クリニックに勤務。長年にわたり多くの更年期女性への健康相談を行っている。日本女性医学学会代議員、日本更年期と加齢のヘルスケア学会幹事、認定女性ヘルスケア専門看護師 認定シニアメノポーズカウンセラー 聖路加国際大学大学院看護学研究科修士課程修了。2児の母。

元井 里奈(もとい りな)さん
毛髪診断士、メノポーズカウンセラー、サプリメントアドバイザー。髪の毛、女性ホルモン、栄養学に関する幅広い専門知識をもとに抜け毛や薄毛に悩む女性1,000人以上のカウンセリングを行う。女性用・育毛サプリメント「ヘアドルーチェ」をプロデュース。ヘアケアコラムや動画の監修、セミナー等も。慶應義塾大学卒業。1才の娘を育児中のアラフォー。

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