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更年期に迷子になる女性たち メノポーズカウンセラーセッション!<第二回>【#FocusOn】

更年期に迷子になる女性たち メノポーズカウンセラーセッション!<第二回>【#FocusOn】

女性であれば誰もが通る道である“更年期”。ですが、正しい知識を持っていますか?日本人女性は自分の大切な体のことでありながら“更年期”について正しい知識をも持たず、誰かに相談することもあまりないようです。そこで更年期の女性に寄り添ってくれるメノポーズカウンセラー3名に更年期に起きる症状や治療法について教えていただきました。


前回までの記事はこちらから

更年期の治療にはホルモン補充療法に代表される様々な方法がありますが、なかなか日本では普及が進んでいないのが現状です。そこには日本の医療界の仕組みと、女性たちの意識が関係しているようです。

そこでメノポーズカウンセラーである女性誌「クロワッサン」で長年更年期の女性のための情報発信をしてきた越川典子さん、40代からの女性の健康管理を主としたクリニックで看護師として更年期の女性に寄り添ってきた江藤亜矢子さん、ヘアケアを専門とし女性の髪の悩みと対策に詳しい元井里奈さんの三人に集まっていただきお話を伺いました。ざっくばらんにお話を伺った第二回です。

更年期障害の治療にはどんなものがあるの?

――更年期障害の治療というとどんなものがあるんですか?

江藤さん:そうですね。まずは診断をしてから治療に入ります。具体的には卵巣機能の状態を、月経の周期、血液検査で確認します。それから、何らかの病気が隠れていないかなど、他の病気の可能性を除外してから更年期障害の治療にはいります。

治療法は、更年期を理解してもらうとともに、ホルモン補充療法、漢方、向精神薬、カウンセリング、サプリメントが代表的なものです。治療の中では話を聞くことがとても大切になってきます。ホルモン補充療法というと注射を思い浮かべる方も多いのですが、経口のものやシールタイプの貼るものもありますし、塗るジェルタイプもあります。更年期障害の場合、治療法の第一選択はホルモン補充療法ですね。

――ホルモン補充療法という言葉は数年前まで聞いたことがなかったのですが、更年期になるとみなさんされるんでしょうか?

越川さん:2004年のデータなのですが、日本での普及率は1.7%といわれています。欧米では30~60%の女性が使っているといわれていますから日本は普及率がとても低いんです。

――そんなに違うんですか…なぜなのでしょう?

越川さん:教育や政治でしょうね。北欧の女性は仕事をするのが当たり前ですから、更年期でも生産性を下げないためにホルモン補充療法を使うということもありますね。かたや日本の女性はというと、“我慢”をしているわけです。ご本人が情報をもっていないなど、更年期に対する知識や意識の差もありますが、夫や職場などの周囲の理解がないこともあるようです。そもそも更年期の話題を日本ではあまり公に話せないですよね。同僚や友人にも話せないと言う方もとても多いですよ。

元井さん:周囲も「更年期ですか?」ってなかなか言えない、というのもあると思います。

女性たち自身が“ホルモン補充療法”に抵抗がある場合も

越川さん:さまざまな企業で「カラダとキャリアの関係」を話すこともあるのですが、ホルモン補充療法の話をすると、「お金がすごくかかるんじゃないか」とか、「そんな方法があったなんて知らなかった」とおっしゃる方もいます。

――保険はきかないんでしょうか?

越川さん:いえいえ。ホルモン補充療法は更年期障害の標準治療ですから、保険診療でできます。それでも、「そんなことまでするの?」という感覚なんですよ。以前にどこかの調査で、更年期世代の女性へ「不正出血があったときにどうしますか?」という質問をしていたんですが、「何もしない」と回答した方が半数近かったんです。何もせずに我慢している方がとにかく多いんです。

元井さん:何科を受診したらいいかわからないから、というのも理由としてありそうですね。

越川さん:そうなんです。なので、メノポーズカウンセラーが窓口になって、相談を受けて更年期の診療ができる医療機関に繋ぐ役目を担いたいんですよね。

江藤さん:例えば関節痛なんかも我慢してから病院にいらっしゃるので、ちょっと痛いと思ったら更年期を疑って相談して欲しいですね。一番自覚的に症状を感じるのが閉経数年前の48歳くらいからなんです。閉経が遅い方は、50歳に入ってからかもしれません。なので、その前にホルモン値を一度測定して、自分の値を知っておくといいと思います。

元井さん:病院の中には40歳未満の場合にはホルモン値を測定してくれない場合もあると聞きますね。

越川さん:まだ月経がある場合は、月経周期のどのタイミングで計るかによってもホルモン値は異なってくるので、そのあたりも考慮に入れて測定するといいですよね。そのときにエストロゲンだけでなく、FSH(※)も測定してもらってください。


さっきも48歳ごろからって江藤さんが言ってましたが、本当に50歳手前から月経が波打ちます。私も月経が3ヶ月止まらなかったり、6ヶ月なかったり、ということが起きました。ホルモン補充療法を開始すると、ホットフラッシュや関節痛、手指の違和感、肌の乾燥などの症状がよくなります。心当たりのある方はぜひ一度検討していただきたいです。

江藤さん:“ホルモン補充療法”って聞くと、自分の身体を“操作している”って思われる方もいらっしゃるんですが、ホルモンの量は低用量ピルの7分の1ですから。ゼロのところにほんの少し補充するだけなんですよ。

越川さん:私の知り合いで、ホルモン補充療法に抵抗をもっていた方がいたのですが、自分の身体にもともとあるものだと知って、「なくなったものを補充するだけで不自然なことではない」と理解して、始めた方もいらっしゃいます。

元井さん:不思議なんですよね。みなさん、薬は結構平気で飲んでいるのになぜホルモン補充療法に抵抗があるのか…。

婦人科でも更年期を診られる医師は少ない?

江藤さん:実は、婦人科とはいっても、更年期をしっかり診てくれるところは限られているんですよね。

――どういうことですか?

越川さん:『女性の健康とメノポーズ協会』というNPOが以前行った全国調査では、婦人科の1割しか「更年期を診られます」と回答しなかったそうです。最近は産婦人科学会が女性のヘルスケアアドバイザーという認定資格をつくり、勉強するドクターが増えてはいますが、まだまだ婦人科にいけば安心、というわけではないんです。

そもそも婦人科にたどりつく人が少ないのにね…ホルモン補充療法を始めると定期的に内診をすることになります。内診って敷居が高いですよね。だから婦人科を受診したくないって方は結構多いんです。

――なるほど…更年期かなと思った時にどうやって受診する婦人科を探したらいいんでしょうか?

江藤さん:さきほど話に出た、『女性の健康とメノポーズ協会』が更年期外来のリストを公開していますので、聞かれた時にはそのページを紹介したりしています。私たちの団体でもメノポーズカウンセラーが活躍するような仕組みを作っていきたいと思っています。

※FSH … 卵胞刺激ホルモン卵巣内で未成熟の卵胞の成長を刺激し成熟させるホルモン。エストロゲンの分泌が減ると、分泌を促すようにFSHの値が高くなる。

――女性たちが更年期以降も楽しく元気に生きていくには何重にもバリアがあることがわかりますね。そのバリアをひとつでもなくしてくれる、メノポーズカウンセラーの活躍に期待したいです。次回、三回目に続きます。※7月1日(月)12時公開予定

文/北 奈央子、撮影/鈴木 志江菜



越川 典子(こしかわ のりこ)さん
合同会社ウェルネス&キャリア通信社代表
国家資格キャリアコンサルタント、米国CCE認定キャリアカウンセラー。名古屋工業大学実務型教員。25年所属した女性誌「クロワッサン」では副編集長として医療・美容の編集ディレクションをする。現在は、取材・執筆を続けると同時に、ヘルスケアとキャリアと2つの領域から女性の支援を続け、講演・セミナー活動も行う。日本更年期と加齢のヘルスケア学会幹事。メノポーズカウンセラー、女性の健康とワークライフバランス推進員。



江藤 亜矢子(えとう あやこ)さん
小山嵩夫クリニック看護師長
1997年より現職である40代からの女性の健康管理を主とした婦人科クリニックに勤務。長年にわたり多くの更年期女性への健康相談を行っている。日本女性医学学会代議員、日本更年期と加齢のヘルスケア学会幹事、認定女性ヘルスケア専門看護師 認定シニアメノポーズカウンセラー 聖路加国際大学大学院看護学研究科修士課程修了。2児の母。



元井 里奈(もとい りな)さん
毛髪診断士、メノポーズカウンセラー、サプリメントアドバイザー。髪の毛、女性ホルモン、栄養学に関する幅広い専門知識をもとに抜け毛や薄毛に悩む女性1,000人以上のカウンセリングを行う。女性用・育毛サプリメント「ヘアドルーチェ」をプロデュース。ヘアケアコラムや動画の監修、セミナー等も。慶應義塾大学卒業。1才の娘を育児中のアラフォー。

女性用・育毛サプリメント「ヘアドルーチェ」
ブログ「ワーママ毛髪診断士が教える、35歳から始める育毛・美髪ケア」
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