映画『ディリリとパリの時間旅行』美しくて可愛くて夢のような恐ろしい物語【沁みる映画 #03】 | 大人のワタシを楽しむメディア
映画『ディリリとパリの時間旅行』美しくて可愛くて夢のような恐ろしい物語【沁みる映画 #03】

映画『ディリリとパリの時間旅行』美しくて可愛くて夢のような恐ろしい物語【沁みる映画 #03】

フランスを代表するアニメーション界の鬼才 ミッシェル・オスロ監督の最新作『ディリリとパリの時間旅行』。主人公の少女ディリリの可愛くて聡明で勇敢なキャラクターと美しすぎるパリの風景。そして19世紀末から20世紀初頭にパリに存在した著名人たち。多様性を尊重し自由で平等な文化を生み出し享受することの大切さを描いた、夢と悪夢が交錯する作品です。


忙しい日常から離れて、映画の世界へトリップしませんか? 心に沁みる上質なストーリーをご紹介。

今回ご紹介するのはフランスを代表するアニメーション界の鬼才 ミッシェル・オスロ監督の最新作『ディリリとパリの時間旅行』です。

※あらすじの紹介と一部“ネタバレ”の部分もありますので、ネタバレがOKな方は是非お読みください。

可愛くて聡明で勇敢な主人公 少女ディリリ

独特の美しい世界を描き出すフランス アニメーション界の巨匠 ミッシェル・オスロ監督。最新作は19世紀末から20世紀初頭を舞台にした『ディリリとパリの時間旅行』です。

主人公は少女ディリリ。「どうしても外国に行ってみたい!」とニューカレドニアからこっそり船に乗り込んでパリにやってきました。開催中の博覧会で現地人の生活を送る姿を見せるキャストとして出演しているところに、配達人のオレルという青年が声をかけて友人となり、一緒にバカンスを楽しむことにします。

その頃パリの街では少女が相次いで誘拐されるという事件が発生していて、“男性支配団”と名乗る謎の集団の一人にディリリも狙われてしまいます。しかし! 自分が狙われているのにも関わらず、正義感が強く勇敢なディリリはオレルと共に事件解決に向けて動き出すのです!

ディリリが出会うベル・エポック時代のパリを彩った著名人たち

事件解決に向けて乗り出したディリリとオレル。ふたりは事件について何か知らないかと、ベル・エポック時代のパリを彩った著名人たちを訪ね歩きます。

パブロ・ピカソ、アンリ・マティス、アンリ・ルソー、ピエール=オーギュスト・ルノワール、ルイパスツール、クロード・ドビュッシー…名前を聞けば「ああ!」とすぐ分かる著名人たちが次々に登場し、ディリリの率直な質問に真摯に答えていきます。

サラ・ベルナールやマリ・キュリー、コレットやカンカンを踊るダンサーやオペラ歌手のエマ・カルヴェなど女性の著名人たちも多く登場します。

『ディリリとパリの時間旅行』というタイトル通り、美しいパリの風景と相まってその時代にタイムスリップしたかのような華やかで活気あふれるベル・エポックの世界を思う存分堪能することができます。

美しいパリ。その陰には想像を超える恐ろしい闇が潜んでいた

ディリリとオレルは誘拐事件の犯人である“男性支配団”のアジトを突き止めるために、パリ中を三輪車で駆け巡ります。

エッフェル塔、凱旋門、ヴァンドーム広場、ルーヴル美術館…美しいパリの名所が次々に登場し、まるでベル・エポック時代のパリ観光を楽しんでいるかのような気分が味わえます。

ですが、この美しきパリの地下には“男性支配団”が支配する恐ろしい闇が潜んでいたのです。誘拐された少女たちはそこで、言うもおぞましいことを強いられていました。

美しすぎる映像からのコントラストでそのシーンはさらに強く強く心に突き刺さります。

「こんなことあってはならない!」「これは異常な考えをもった集団の異常な行為だ!」「現実にはこんなことあり得ない!」

そんな思いが心を渦巻き、怒りがこみ上げ、でも現実ではないんだから、と思います。

ですがそこでふと

「本当にそうだろうか?」

という思いが頭をよぎります。

現代の女性が味わっている体験している現実は、カタチを変えたこのパリの闇なのではないか? と。

自分を守るために外国人を女性を批判し排除しようとする人々

ミッシェル・オスロ監督はインタビューでこう答えています。

「自分たちを安心させるために、外国人や女性の悪口をいう愚か者はどこにでもいます」

映画にはそんな“一般的”な労働者が登場します。もちろん、外国人や女性の悪口を言うのは男性だけではありませんし、男性だってそんなことを言わない人も大勢いるでしょう。ですが、暗黙の了解として、外国人や女性を軽んじてもいい、貶めてもいい、そんな風潮が今もなお、いや、もっと盛り上がってはいないでしょうか。

ネタバレになってしまいますが、『ディリリとパリの時間旅行』は美しいアニメーションとしてハッピーエンドで終わります。ですが映画を観終わったあと、言いようもない恐ろしさが脳内にまとわりついて離れません。心の中はざわざわざわとざわめいたままです。

映画を観て感じるものは人それぞれでしょう。ですが、一人でも多くの知人友人に観てもらって、どんな風に感じたか話したい! と思わずにいられません。

美しきベル・エポックのパリの時間旅行を楽しんだ後、あなたはどんなことを思うのでしょうか。

映画『ディリリとパリの時間旅行』は8 月24 日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMA ほかにて全国順次ロードショーです。

© 2018 NORD-OUEST FILMS – STUDIO O – ARTE FRANCE CINEMA – MARS FILMS – WILD BUNCH – MAC GUFF LIGNE – ARTEMIS PRODUCTIONS – SENATOR FILM PRODUKTION

映画『ディリリとパリの時間旅行』

8月24日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMA ほかにて全国順次ロードショー

公式H.P

映画「ディリリとパリの時間旅行」オフィシャルサイト 

https://child-film.com/dilili/

「キリクと魔女」「アズールとアスマール」のミッシェル・オスロ監督最新作。ベルエポックの時代の美しいパリを舞台に、ニューカレドニアからやってきたディリリが、友人オレルと共に、キュリー夫人、ピカソ、ロートレック、プルースト、サラ・ベルナールらの助けを借りて、誘拐事件の謎を解いていく。



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