映画『おしえて!ドクター・ルース』90歳現役セックス・セラピストが性の悩みを解決!【沁みる映画 #04】 | 大人のワタシを楽しむメディア
映画『おしえて!ドクター・ルース』90歳現役セックス・セラピストが性の悩みを解決!【沁みる映画 #04】

映画『おしえて!ドクター・ルース』90歳現役セックス・セラピストが性の悩みを解決!【沁みる映画 #04】

N.Y在住の90歳現役のセックス・セラピストがいるなんて!聞いただけでワクワクドキドキしちゃいます。映画『おしえて!ドクター・ルース』はその90歳セックス・セラピスト ドクター・ルースを追ったドキュメンタリー。ホロコーストで両親祖母を亡くし、スナイパーとして活動、シングルマザーであり、三度の結婚!いったい何者!?と煽られるだけ煽られて映画を観れば…そこには懸命に前を向いて笑って生きた140㎝の女性がいました。


忙しい日常から離れて、映画の世界へトリップしませんか? 心に沁みる上質なストーリーをご紹介。

今回ご紹介するのは90歳の現役セックスセラピストを追ったドキュメンタリー『おしえて!ドクター・ルース』です。

※あらすじの紹介と一部“ネタバレ”の部分もありますので、ネタバレがOKな方は是非お読みください。

デジャブ!? 今から30年前のアメリカは今の日本!

90歳の現役セックスセラピスト ドクター・ルースを追ったドキュメンタリー『おしえて!ドクター・ルース』。

ドイツのフランクフルト近郊で生まれ、最愛の両親と祖母をホロコーストで亡くしたルース。彼女の幼い頃からの生い立ちが1920年から30年代ヨーロッパの童話を参考にした美しく温かいアニメーションで描かれます。

何でも保存するルースは11歳から22歳までの日記を全部とっていて、監督はそれを基に脚本を書いたそうです。エピソードはどれも瑞々しくルースの悲しみと喜びと青春が生き生きと伝わってきます。

ルースは過去に出演したラジオやテレビ番組の映像もすべて保存していて、当時の様子がとても良く分かります。今では考えられませんが80年代初めのアメリカは、性について表立って話すことはタブー視されていました。ましてや女性が自身の性に関して話すことなどありえないこと。まるで今の日本です。

そんな中、キラ星のように登場したのが当時60歳だったルース。ハーレムなどで性教育をしていたルースに地元のラジオ局が性について話をする番組のパーソナリティとして出てくれないかと話を持ち掛けます。

リスナーのリアルな性の悩みに、明るく誠実に正しい知識をもって答えるルースの番組は一気に人気となり、当初収録で30分番組として放送されていたのに、あっという間に生放送になり、時間も伸びました。まだネットもない時代、リアルな性の悩みを相談できる場所などなく情報に飢えていた人々の前にルースは颯爽と現れ、140㎝で強烈なドイツ訛りの英語を喋るというギャップも相まって、どんどん人気が高まりました。テレビ番組の司会をしたりドラマに出たり、ルースのゲームまで発売されるほど大人気だったのです。

当時のテレビ番組のシーンがいくつも出てくるのですが、スターたちが恥ずかしそうに性についてルースに相談し、質問を投げかけているのは見ものです。

「女の人は男のサイズって気にしないの?」
「女の人って性欲あるの!?」
「男も気持ちが良いって声を上げていいの?」

…これらの質問の解を現代の日本人男性は知っているでしょうか?

エイズが蔓延した時代にルースは強い使命感を持ってセックスについて語った

ルースはどんな時でもフラットです。偏見や差別を許しません。そしてマイノリティの味方です。それはルース自身がマイノリティとして迫害され、疎外された経験をしているから。

80年代はエイズが蔓延し悪魔の病気として恐れられた時代です。エイズに対して酷い偏見もあり、ゲイに感染が広がったのはゲイが淫乱だからだと、ゲイを迫害する運動も起こりました。さらに「結婚するまではセックスをしてはいけない!」などと大統領夫人が発言するほどでした。そんな中、ルースは性感染症であるエイズを正しい知識と共に伝え、予防すれば怖くはない、ということを訴え続けました。

さらに性の人権問題から人工妊娠中絶の自由化の大切さを説き、LGBTQの権利獲得など確固たる信念をもって、伝え続けました。とても難しい深刻な問題を話している時でもルースは常に笑顔を絶やさずポジティブです。

そして「私はフェミニストではないし、政治は語らない」と宣言します。

その理由がとてもキュートです。

「セックスを語って政治についても話すようになったらやり過ぎよ」

客観的に自分を見て、自分を信じられる強いハートの持ち主だからこそ、ルースの存在は広く受け入れられたのではないでしょうか。ルースはこう言います。

「小さくて完璧なものは大好き。私と同じね」

ドクター・ルースに“ノーマル”なんてない!

ルースは「ノーマルなんてないわ!」と言い切ります。

社会が決めたノーマルを押し付け、そこからはみ出した人たちを断罪する。そんな世の中はおかしい。社会が押し付ける“普通”こそが、“普通”ではない。

出る杭が打たれると言われている日本でルースのこの言葉は強く響きます。

「ノーマルなんてない」

分別のついた大人の決断はいつだって正しい。誰かの決めたノーマルなんかに縛られることは一切ないんだという当たり前のことにハタと気づかされます。

ルースはいつだって答えを持っています。奇想天外な人々の性に関する疑問にあっという間に答えていくルースの爽快なことといったらありません。一切偏見を持たず、どんな奇妙な質問にも笑顔で明確に答えるルース。

ルースがいるアメリカがとっても羨ましくなった100分間でした。

『おしえて!ドクター・ルース』は8月30日(金)から新宿ピカデリー他で公開です。

ルースが元スナイパーで3度の結婚をし、当時珍しかったシングルマザーであった理由は映画館でご覧ください。

映画『おしえて!ドクター・ルース』


『おしえて!ドクター・ルース』


監督:ライアン・ホワイト『愛しのフリーダ』
出演:ルース・K・ウエストハイマー
公式サイト

2019年/アメリカ/英語/100分/アメリカンビスタ/カラー/原題:ASK DR.RUTH/日本語字幕/髙内朝子 配給:ロングライド

8/30(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー

映画『おしえて!ドクター・ルース』公式サイト

https://longride.jp/drruth/

アメリカでいちばん有名な“お悩み相談”。ドイツ生まれ、ニューヨーク在住90歳。職業、セックス・セラピスト。自分らしく生きるために学び、恋し、戦い、働く。彼女の言葉には、生きるヒントが溢れてる。2019年サンダンス映画祭出品。8月30日(金)新宿ピカデリーほか全国公開。



本サイトに記載する情報には充分に注意を払っておりますが、この記事の情報及びこの情報を用いて行う利用者の判断について、完全性、正確性、有益性、特定目的への適合性、その他一切について責任を負うものではありません。この記事の情報を用いて行う行動や、判断・決定は、ご自身の責任において行っていただきますようお願い致します。

この記事のライター

WOMe編集部 総合アカウントです。皆様へのお知らせやキャンペーン、ライター募集などの情報を発信していきます。

関連する投稿


ロシア映画『私のちいさなお葬式』可愛いおばあちゃんのほっこり終活物語【沁みる映画 #12】

ロシア映画『私のちいさなお葬式』可愛いおばあちゃんのほっこり終活物語【沁みる映画 #12】

日本では婚活より終活が花盛り⁉ 高齢化社会に伴い、どう人生の終わりを迎えるかが社会問題にもなり日々メディアをにぎわせています。WOMe世代も他人ごとではなく、親の終活もあり関心が高いのではないでしょうか。そんな終活ロシア版ともいえる『私のちいさなお葬式』は、“死”を小難しくシリアスにとらえていない、チャーミングで心温まる優しいロシア映画です。ロシアと日本の意外な共通点も見つかりますよ。


フランス映画『冬時間のパリ』大人の恋の物語【沁みる映画 #11】

フランス映画『冬時間のパリ』大人の恋の物語【沁みる映画 #11】

「恋、してますか?」。大人になり「恋って愛ってなんだろう」なんて思っている今日この頃の皆さま。ぜひ女友達とフランス映画『冬時間のパリ』へ。笑っちゃうくらい身勝手で自分に正直に生きる大人の男女の恋愛模様に、自分がバカバカしくなってしまうかもしれません。もっと自由に人生を楽しみたくなる大人の恋愛映画『冬時間のパリ』。美しい冬のパリの景色と共にぜひどうぞ。


名匠ケン・ローチ監督最新作 映画『家族を想うとき』 ただ家族で笑い合っていたいだけなのに【沁みる映画 #10】

名匠ケン・ローチ監督最新作 映画『家族を想うとき』 ただ家族で笑い合っていたいだけなのに【沁みる映画 #10】

『わたしは、ダニエル・ブレイク』で2016年のカンヌ映画祭のパルムドールに輝き、引退を表明していた名匠ケン・ローチ監督。監督が引退を撤回してまで撮りたかったのはグローバル経済が生み出した社会体制のひずみにはまりながらも懸命に正直に生きる人々の姿。家族一緒にご飯を食べて笑い合っていたいだけなのに…ユーモアを交えながら圧倒的なリアリティで迫る『家族を想うとき』。享受する便利の裏側にある苦しみとやるせなさを直視する義務が私たちにはあるはずです。


フランス映画『人生、ただいま修行中』この秋、心温まるドキュメンタリーを【沁みる映画 #09】

フランス映画『人生、ただいま修行中』この秋、心温まるドキュメンタリーを【沁みる映画 #09】

フランスのドキュメンタリー作家『ぼくの好きな先生』二コラ・フィリベール監督最新作。今回は看護師の卵たちの日々が描かれます。多様性という言葉が広く言われるようになる前から、多様で多層な存在や価値観があることを優しい眼差しでありのままに撮り続けてきた二コラ監督。今回もまたありったけの優しさが看護師の卵たちに注がれます。


主演:吉永小百合 共演:天海祐希『最高の人生の見つけ方』大切な人といつ映画を観る⁉ ○○でしょ!【沁みる映画 #08】

主演:吉永小百合 共演:天海祐希『最高の人生の見つけ方』大切な人といつ映画を観る⁉ ○○でしょ!【沁みる映画 #08】

40代まで生きてくると、親との関係は色々複雑に絡み合い、会えばつい嫌味を言ったりケンカをしたり…なかなか和やかな時間を過ごすことって難しくなったりもします。しかし、“いつまでもあると思うな親と金”。誰もが年を取り、老いていきます。もちろん自分自身も。いつかいつかと思っていたら、ある人突然日常は日常ではなくなってしまうかもしれません。「いつか」という前に「今」やろう。そんな思いを抱かせてくれるハートフルな日本のエンターテイメント作品です。


オススメ情報

dummy

人生100年時代 40代からの転職術

業界最多の非公開求人からご希望に沿った求人をご紹介、あなたの転職を成功に導きます。


リクルートエージェント


dummy

母であり妻であり、そして“働く女性”であり。働き続ける女性を応援!

業界最多の非公開求人からご希望に沿った求人をご紹介、あなたの転職を成功に導きます。


リクナビNEXT


最新の投稿


気になる女性ホルモンの減少 アラフォーになったら積極的に摂りたい栄養素【10年後のために今何を食べるべき?#3】

気になる女性ホルモンの減少 アラフォーになったら積極的に摂りたい栄養素【10年後のために今何を食べるべき?#3】

体や心に変化を感じはじめる女性が増えるのが40歳前後。急激に女性ホルモンの分泌が減少することと大きく関係しています。肌もハリや弾力がなくなってきたり、疲れやすくなったり、ちょっとしたことでイライラするなどの症状がでてくる女性が多いです。そんな時期と上手に向き合っていくために、意識して摂りたい栄養素についてご紹介します。


本当は結婚したい…でもまだしない。シングルマザーの本音【すべての妻へ贈る “幸せ夫婦”コミュニケーション術#30】

本当は結婚したい…でもまだしない。シングルマザーの本音【すべての妻へ贈る “幸せ夫婦”コミュニケーション術#30】

シングルマザーとして、仕事も育児も頑張ってる。大切にしてくれる彼氏もいる。本当は結婚もしたい…でもそれはまだ。ひとりで背負うものが多いシングルマザーの女性たちは、安易な気持ちで結婚を選びません。そこには、子どものことや結婚観など、さまざまな事情があります。実際に伺った話をまとめました。


美しく洗練された女性に共通する3つのこと【忙しいのになぜか優雅に見える仕事術 #2】

美しく洗練された女性に共通する3つのこと【忙しいのになぜか優雅に見える仕事術 #2】

忙しいのになぜか優雅でいつも笑顔な人、そんな女性は同性からも異性からも一目置かれるはず。そこでそういう女性に共通している考え方や習慣、行動についてじっくり解き明かし、優雅に見えるコツやヒントをお届けします。早速試して憧れられる存在になりましょう♪


糖質を楽しみながら上手に血糖値コントロール美人に♪【10年後のために今何を食べるべき?#2】

糖質を楽しみながら上手に血糖値コントロール美人に♪【10年後のために今何を食べるべき?#2】

Optimal Beauty&Health研究家の宮地祥子です。前回は、食べる順番を工夫することで血糖値を緩やかに上昇させ、太りにくい状況をつくり食事を楽しむ方法をご案内させていただきました。今回は、食べると血糖値が急上昇する糖質たっぷりのメニューを楽しみながら、上手に血糖値をコントロールする方法をご紹介します。


アフタヌーンティーで夫婦や家族のコミュニケーションUP! 英国紅茶研究家 斉藤由美さんインタビュー<第二回>【#FocusOn】

アフタヌーンティーで夫婦や家族のコミュニケーションUP! 英国紅茶研究家 斉藤由美さんインタビュー<第二回>【#FocusOn】

英国紅茶研究家であり、ご自身のティールームとショップを運営し、講座なども開催する斉藤由美さん。インフルエンザ予防効果が科学的に証明された紅茶について、ご著書『紅茶セラピー~世界で愛される自然の万能薬』を基にお話を伺いました。


友だち追加






人気記事ランキング


>>総合人気ランキング

画像 apple google