
アラフォー世代は忙しい。
意気込んで買ったはいいが、難しくて途中までしか読んでない本が積み上がる。
じっくり読み込む時間なんてない。でもたまには、本の世界にトリップしたい。
その気持ち、わかります。
そこで、WOMe編集部では、忙しいアラフォー世代でも気負わず読めてほっこり気分を癒してくれる、そんな本をご紹介します。
今回は『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』(幻冬舎)。
お酒片手にマッタリと、たまには本でも。

夫婦と同じ! 一緒に住めばなんだか似てくる!?
お笑いコンビ、“阿佐ヶ谷姉妹”のお姉さん(エリコさん)と妹(ミホさん)がリレー形式でエッセイをやりとりしたものをまとめた一冊『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』。“お姉さん”と“妹”といっても、コンビの設定のお話でおふたりに血は繋がっていません。
繋がっていないけど、いないのに、なんであんな似ているの? という外見の不思議。
しかし、エッセイを読むに従い妙に納得。よく言うじゃないですか、「夫婦は顔が似てくる」って。仕事場でも一緒、帰る家も一緒、食べるものも一緒、生活用品も恐らくほぼ一緒。ある意味夫婦より親密で共に時間を過ごしている阿佐ヶ谷姉妹のルックスが似るのは自然の流れ。
将来の夢はアパートを買い取って独身友だちと一緒に住むこと
しかし、ルックスが似ているからと言って、おふたりの性質が似ているかといえば、それはまったく違います。実の姉妹だって違うんだから当たり前ですが本当に色々とこまかーく違います。
根本的にお姉さんは身内がいるとわかるとつい嬉しくなってじゃれついてしまう“犬タイプ”、妹のミホさんは自分のテリトリーに入ってきて欲しくない“猫タイプ”だそうです。しかしながら、そもそも同居のきっかけとなったお姉さんの住む阿佐ヶ谷の6畳一間のアパートに入り込んできたのはミホさん。ところが同居生活をいざ始めるとどうもミホさん優位な生活状況。
この辺りに姉妹の不思議を感じます。
ですが人間というのは、関係性に置いて自分のポジションを把握するもの。“状況が”とか“常識的に考えて”とかいうことは、一定以上の親密な人間関係のなかでは一切関係なくなるわけですよね。よく母娘逆転のしっかり娘、とか、部下の方が幅をきかせてる上司、とか、良くも悪くも後輩になめられちゃう先輩、とかいますよね。“本来ならば”の関係が通用しない関係性。それはもう、そのふたりの間で確立されたものなのですから、それでオールOKなわけです。
ミホさんのひそかな夢は「今住んでいるアパートを姉妹で買い取って、お母さんや独り者の友だちとみんなで住むこと」。でもそんなつぶやきをした後に「でもみんな集まっちゃうと近すぎて面倒かな」「姉妹で買ったら相続する時揉めると困るかな?」とか言って思いなおします。
新しい家族のカタチ、なんて難しく考えなくていい
ミホさんはとても“ツン!”です。一人の時間が少なくて不満が溜まると「ああ、お姉さんが多いわ~『エリコ過多』だわ~」と言ってみたり、お姉さんと一緒にご飯を食べるにも関わらず自分の分のシチューしかよそわず、「いただきます」とお姉さんの目の前で食べ始めたりします。
お姉さんはそんな仕打ちをミホさんにされるたび、切ない気分になったりカリカリしちゃったりします。ですがミホさんはお姉さんが心底落ち込んでいた時に“自分は絶対食べない・買わない”お姉さんの大好きな○○〇をそっけなく作って置いてくれたりするんです。
これは…こんな関係は…恋人同士じゃなければ(恋人同士でも難しいか)いったい何と表現したらいいのでしょうか!!!!
お仕着せの“家族”なんていう呼び方にしちゃうのは何だかおかしな気がします。
なのでこれはもう“阿佐ヶ谷姉妹”ということでいいのではないでしょうか。
私も阿佐ヶ谷姉妹の関係になれる相手が欲しいです。気はおけず、一定の距離感を保ちながら相手を尊重し、めんどくさい恋愛感情なんてもちろんなし! 趣味は合うような合わないような。でも日々のトーンは合っている。そんな阿佐ヶ谷姉妹の関係に憧れる方にぜひ読んでいただきたい一冊。
ほっこりリレーエッセイ『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』は幻冬舎から発売中です。
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