NPO法人ピルコン主催:大人のための性教育講座開催! WOMe編集部レポート | 大人のワタシを楽しむメディア
NPO法人ピルコン主催:大人のための性教育講座開催! WOMe編集部レポート

NPO法人ピルコン主催:大人のための性教育講座開催! WOMe編集部レポート

7月13日(土)~9月14日(土)4回に渡って港区立男女平等参画 リーブラ 助成事業<ジャンプ>としてNPO法人ピルコンが「大人のための性教育講座」を開催しました。子どもたちが自分のからだと心を大切に自分らしくすこやかに生きることをサポートするために、大人や保護者が身につけたい知識や伝え方・向き合い方・困った時の支援先などを学ぶ本講座の第4回目を取材してきました。


大人のための性教育講座を4回に渡って開講!

2019年度 港区立男女平等参画センター リーブラ 助成事業<ジャンプ>として、7月13日(土)~9月14日(土)までに4回に渡って、NPO法人ピルコン主催で「大人のための性教育講座」が開催されました。

NPO法人ピルコンとは、正しい性の知識と判断力を育む支援により、これからの世代が自分らしく生き、豊かな人間関係を築ける社会の実現を目指す非営利団体です。医療従事者などの専門家の協力を得ながら、中高生向け、保護者向けの性教育講演や、性の健康に関する啓発活動を行っています。最近では緊急避妊薬(アフターピル)のOTC化にむけて積極的に活動を行っています。

「大人のための性教育講座」の第一回目はNPO法人ピルコン理事長 染矢明日香さんによる「子どもの性の現状とおうちでできる性教育」、第二回目は(株)教育ネット お助けネットインストラクター 清水夏樹さんによる「思春期のインターネット トラブルの現状と対策」、第三回は助産師の土屋麻由美さんによる「親子向け講座“親子で学ぶ性(せい)のおはなし”」、第四回目は一橋大学等講師の水野哲夫さんによる「ジェンダー・セクシュアリティの学びを深めるために」です。

今回は第四回の講座についてレポートします。

若者たちと共に考える『人間の性』~高校での授業から~

『大人のための性教育講座』第4回で「ジェンダー・セクシュアリティの学びを深めるために」を講義するのは一橋大学他で教鞭をとる水野哲夫さんです。

講座が始まる前に、なぜ水野さんが高校生や大学生を相手に性教育を真剣に行うことになったのかというお話がありました。元々、水野さんは私立女子高の教員として教鞭をとっていました。その学校の勤務時代に自分自身の性に関する無知によって生徒たちを苦しめていた、ということを知り、愕然とします。自分が正しいことだと思って行っていた指導が生徒たちを苦しめていた、ということを助産師になった卒業生から教わったというのです。

当時、学校ではコンドームを持っている生徒は“不純異性交遊”をしているので厳しく指導しなければいけない、という方針のもと、保護者を呼び出し生徒を同席させ指導を行っていたそうです。そしてそのために生徒たちは大人に何も相談することができなくなってしまい、ただ苦しんでいた、という事を助産師になった卒業生から告白されます。

それだけでも衝撃を受けた水野さんでしたが、さらに驚いたのは、その話を同僚や先輩教師にした時に「その指導はおかしいと思っていたので、自分はやらなかった」という人がいたということです。

自分の無知を恥じて水野先生は性教育に真剣に向き合うことになります。

水野さんの性教育の授業の特徴は一方的に教え続けるではなく、様々な性に関するクイズを出し生徒たちとやり取りをしながら進めること。そして、性の多様性についてもしっかりと生徒たち自身に考えさせるという点です。

授業を受けた女子大学生のとても印象的な言葉を水野さんが教えてくれました。授業を受けた後しばらく経って、その女子大生が水野さんのところに来てこう言ったそうです。

性の多様性と言われてもなんのことだかイマイチピンとこなかった。私は肉体は女性として生まれてきて性自任も女性で、好きになるのは男性で、マジョリティ側の人間だと思っていた。そして多様性というのはLGBTQと呼ばれているマイノリティ側の人の話だと思っていたので多様性と言われても別の世界のような気がしていた。けれど、この前、友だちの女の子と恋バナをしていてピンときた。私は彼女が好きになる男の子のことを絶対に好きにならない。どこがいいのか分からない。自分には憧れの女性の先輩がいるけど、その先輩はどうしてかダメンズばかりを好きになる。先輩のことは大好きだけど、先輩が好きになる男性たちのことは絶対に好きにならないし理解できない。そう気が付いた時に、これが性の多様性かと思った。私は『異性愛者』とくくられているけれど、その中でもみんなちがう。これが性は多様だということなんだと」

性教育に関して動かない・動くつもりのない文科省。市民の声との大いなるギャップ

水野先生が個別に文科省の調査官や元文科省事務次官の方に「『学校における性教育の考え方・進め方』を改定するつもりはあるのでしょうか?」「文科省は、性教育を進めるつもりはあるのでしょうか?」などと質問をしたことがあるそうです。すると

「まったく予定にありません」
「文科省という単一の人格はありません。あくまで一つの行政機関であり、政治が変わればコロリと変わります。今の政治の元にある限り、文科省は性教育を進めるつもりはありません」


という答えを得たそうです。政治が教育を決める。その通りです。しかしながら世間の性教育に望む状況は文科省とは少し違うようです。テレビ番組で「中学3年生に性交・避妊・中絶を詳しく授業するのは“あり”か“なし”か」という問いに関して視聴者投票の結果は

あり:34075票
なし:3270票

と圧倒的に“あり”だったのです。(※日本テレビ『スッキリ』2018年5月)

水野先生の高校では、総合科目で3つの「セイ」を学びます。

性 … セクシュアリティ
政 … 平和
生 … 人権


これらは人がより良く生きていく上で欠かせないキーワードです。しかし、この3つを教育機関や親などからしっかりと学んだ、という経験を持っている日本人はいったいどの位いるのでしょうか?

実際、水野先生が生徒たちと行う性教育の一部でも知らないことだらけです。例えば、性に関する10問クイズのひとつ。

Q:母親の血液と胎児の血液はつながっている。

どうでしょうか? すぐにわかりますか? 胎児はへその緒で母親の胎盤とつながってるから血液がつながっているということ…だから答えは「〇」最初そう思いました。

しかし答えは「×」。「もしつながっていたら母親と子どもの血液型が違うことの説明がつかなくなりますよね」と水野先生に言われて「そうだった!」と気が付く体たらくです。

私たちが性について思うとき、それは、いわゆる“エロイ”事柄なのではなく、私たち自身がよりよく生きるために必要不可欠なことなんだ、ということを水野先生の授業は教えてくれます。

先生の授業を受けた高校一年生が次の年に授業を受ける新入生に向けてメッセージを書くそうです。そのなかの一つをご紹介したいと思います。こんなメッセージを届けられる大人を一人でも増やすことが日本の性と人権の底上げをしていくために欠かせないことなのではないでしょうか。

「この授業では、みんな最初に恥ずかしみのある言葉“SEX”などの言葉がでてくるよ。けど、それで笑うのは子どもだと一年間を通して学びました。だって、1+1=2と言って、みんな笑わないよね? それと同じで、この授業は性について、そして未来の自分に必要な知識が学べるので、恥ずかしいとは思うけど、知ってないと損をするのは自分なので、しっかりと自分の知識にしてくださいね‼」

PILCON

https://pilcon.org/

対話から学ぶ性の健康教育を広げるNPOピルコンの公式サイト



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