
アラフォー世代は忙しい。
意気込んで買ったはいいが、難しくて途中までしか読んでない本が積み上がる。
じっくり読み込む時間なんてない。でもたまには、本の世界にトリップしたい。
その気持ち、わかります。
そこで、WOMe編集部では、忙しいアラフォー世代でも気負わず読めてほっこり気分を癒してくれる、そんな本をご紹介します。
今回はお笑い芸人、光浦靖子さん大久保佳代子さん共著『不細工な友情』(幻冬舎)。
お酒片手にマッタリと、たまには本でも。
イエスマン or 依存度が高い どちらと友だちになりたいですか?

お笑いコンビ“オアシス”の光浦靖子さんと大久保佳代子さんの往復書簡『不細工な友情』。若い世代ではもしかしたら光浦さんと大久保さんがコンビを組んでいる、ということを知らない人たちもいるかもしれません。WOMe世代(40代)でオアシスといえば、フジテレビ系列で放送されていた『めちゃ²イケてるッ!』の印象がまずくるのではないでしょうか。光浦さんはレギュラーでいつも出ているイメージで、大久保さんはいるかいないかわからない…そんな状態からいつの間にか大久保さんも大ブレイク。2013年の「VOGUE JAPAN Women of the Year 2013」の一人に選ばれたりもして、今でもふたりは大活躍しています。
“不細工”なんてタイトルにもありますが、正直ふたりはまったく“不細工”じゃない、女性芸人として“不細工”扱いを受けてたりもしていますが、現在48歳のふたりは憧れるほど美しい。そんなふたりのイメージは
光浦靖子さん = 知的でそっけない
大久保佳代子さん = エッチでそっけない
というものでした。なので、“はじめに”を読んで驚きます。
寂しかった私が何かにつけて彼女を誘ったからです。
私が誘えば彼女は百パーセント、「イエス」と言いました。でも彼女が私を誘うことは百パーセントありませんでした。彼女と一緒にいたかった私は、彼女を手放すまいと、手を替え品を替え、いろんなことに誘いました。(中略)返事はもちろん「イエス」でした。
光浦さんは“依存度が高く”て、大久保さんは“イエスマン”だったのです!!!
34歳の光浦さんと大久保さん…なのになんでこんなに共感できるの⁉
『不細工な友情』が書かれたのは2006年。ふたりが34歳の時。にも関わらず、そこに書かれていることは、体調が悪いとか、もう歳だし男にもてない、とか親の問題とか、老後のためのお金の話とか、とてもアラサーの考えていることとは思えず現役アラフォー世代の心に刺さりまくるリアルエピソードが満載で共感度が抜群なのです!
そしてふたりは深刻な問題もそうでもない出来事もお互いへの手紙という形で披露しながら、お互いを華麗に突き刺しつつ丁々発止のやり取りで、ずんずか元気に毎日を送っています。
「そうだよね、ぜんぜん大したことないじゃん! 気にしたってしょうがない」なんて思ったり、「これはひどい! こんなことってない!」と憤慨したり、「そうそうこういうのが結局一番幸せだったりするんだよねえ」と共感したり…読んでいると、とにかく元気になります。
なんでもさらけ出せる親友、いますか?
光浦さんはとっても辛辣です。そんなことまで言ったら大久保さん真剣に立ち直れないんじゃ…なんてあらぬおせっかいな気持ちになってドキドキしちゃうのはこちらの方で。それに答える大久保さんはとても飄々としています。
当時はまだOLの仕事もしていた大久保さんは会社の同僚や上司の悪口(愚痴?)を堂々と書いています。そして少し芸能人としては卑屈です。かたや光浦さんはすでに引っ張りだこの大人気芸人。
光浦さんの方が芸人として上でお金も持っているんだろうし、大久保さんにもっと優しくしてあげればいいのに…そんな言い方したら大久保さんもっと卑屈になっちゃうよ!!
なんて、心配してドキドキしながらページをめくります。すると! なんとも飄々と華麗に大久保さんは光浦さんの毒針をヒラリとかわします。そして光浦さんを攻撃するわけでもなく、淡々と感想と自分の現況を述べ、締めくくります。
そんな時、思うんです。「ああ、これがふたりが築いてきた関係なんだな」と、当たり前ですけど。
こういう関係はきちんと自分をさらけ出して、向き合って、やり合わなければ絶対に築けないことが分かります。毒舌を言っているようで核心はつかず、上っ面で“言いたいことを言い合っている風”の親友ごっこしているような人には、ぜえっっっったいに結べない、友人関係です。
辛辣な光浦さんは
好きなんだけど嫌い、やっぱり嫌いだ、という親友のいる方が読んで、少しでも共感して頂けたら、嬉しいです。
と書きます。
光浦さんにとって、大久保さんは間違いなく親友。
大久保さんは
私は、もともと何かと自分を「取り繕う」ところがあります。そんな私を、光浦さんは見逃さず、まったく「取り繕う」ことなく指摘します。(中略)取り繕っているばかりだと、敵もいないけど味方もいなくなってしまうかもしれません。
と書きます。
大久保さんにとって、光浦さんは替えのきかない親友。
こんな親友がいたら…と思わずにいはいられない、大人になった今だからこそ、ふたりの関係に憧れる。そんな一冊。
秋の夜長のおつまみにぜひどうぞ。
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