フランス映画『冬時間のパリ』大人の恋の物語【沁みる映画 #11】 | 大人のワタシを楽しむメディア
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フランス映画『冬時間のパリ』大人の恋の物語【沁みる映画 #11】

フランス映画『冬時間のパリ』大人の恋の物語【沁みる映画 #11】

「恋、してますか?」。大人になり「恋って愛ってなんだろう」なんて思っている今日この頃の皆さま。ぜひ女友達とフランス映画『冬時間のパリ』へ。笑っちゃうくらい身勝手で自分に正直に生きる大人の男女の恋愛模様に、自分がバカバカしくなってしまうかもしれません。もっと自由に人生を楽しみたくなる大人の恋愛映画『冬時間のパリ』。美しい冬のパリの景色と共にぜひどうぞ。


忙しい日常から離れて、映画の世界へトリップしませんか? 心に沁みる上質なストーリーをご紹介。

大人の恋愛模様を会話劇で描いた『冬時間のパリ』。これがフランス人か! と日本人はちょっと驚いてしまうほど、話して話して食べて飲んで愛して…人間としての人生を最大限謳歌しているようで、思わず「羨ましい…」とつぶやかずにはいられない【沁みる映画】第11回です。

※あらすじの紹介と一部“ネタバレ”の部分もありますので、ネタバレがOKな方は是非お読みください。

日本なら“じっとり”不倫劇もフランスだと・・・

左/編集者・アラン(ギョーム・カネ)、右/小説家・レオナール ©CG CINEMA / ARTE FRANCE CINEMA / VORTEX SUTRA / PLAYTIME

編集者のアラン(ギョーム・カネ)と女優・セレナ(ジュリエット・ビノシュ)夫婦は最近あまりうまくいっていません。幼い息子が一人いて、お互い不倫をしています。

アランは出版不況の中で電子書籍化問題に苦悩しながらもなんとか対応しようと頑張るやり手編集者。容姿も振る舞いもスマートで隙がなく、惚れ惚れするようなかっこよさ。さすが女優を妻にするだけあるわよねえ…と思っていたら、部下の美人デジタル担当者と不倫中。

ジュリエット・ビノシュ演じる女優・セレナ ©CG CINEMA / ARTE FRANCE CINEMA / VORTEX SUTRA / PLAYTIME

かたやセレナはアランの長年の友人であり仕事仲間の小説家・レオナール(ヴァンサン・マケーニュ)と6年に渡り不倫中。レオナールは自分の恋愛模様を“小説”というカタチをとって世に送り出しています。そしてレオナールの小説が“私小説”であり、自分自身のことを書いたものだということは周知の事実です。

ある日レオナールはアランに“不倫”をテーマにした新作の相談をします。常日頃からレオナールの作品スタイルを古臭いと感じていたアランは企画にOKしません。しかし、妻のセレナはレオナールの新作に乗り気です。

…そりゃそうですよね…自分の愛人が自分との恋を綴った小説なのですから…

どこまでも身勝手に自分の“欲”に忠実な大人たち

初めのうちはレオナールの新作に賛成し不倫ライフを満喫していたセレナですが女優としての転換期も迎え、夫との関係にも新たな一歩を踏み出したいと考えると一方的にレオナールに別れを切り出します。

そしてレオナール“不倫”をテーマにした新作に自分とレオナールの際どい情事が書かれていたことに喜んでいたのにも関わらず、もし今回の一連の別れのシーンを小説にしたら「“絶対に”許さない!」とすごみます。

時を同じくして、夫のアランも美人部下との不倫関係を解消します。理由は美人部下がヘッドハントされイギリスの会社へ転職するから。お別れにネックスレスをプレゼント。最後までスマートです。

話して話して話して話して話して話して、食べて飲んで恋をする

この映画、とにかく登場人物がよく喋ります。ずーーーーっと会話をしています。

食べて飲んでいる時、愛し合っている時、ケンカしている時、仕事をしている時でさえも。

とにかく膨大な量の会話に流されながら映画は進みます。登場人物全員が自分の意志を持ち、自分の意見を正面から相手にぶつけます。時にケンカになるのではないかとハラハラするくらいあけすけに率直に自分の意見を述べます。

しかし、たとえ否定的なことを言われたとしても必要以上に感情的になることはなく、しっかりと相手の意見を受け止めた上で、自分の意見を落ち着いて述べます。もちろん、時には感情的になることもありますが、それで会話が破綻したり仲が決裂したりすることはないのです。

この風景は日本人の私たちにとってとても異質なものとして映ります。なぜこれで成立するのかとても不思議で、なんだか奇妙な感覚に陥ります。

そして少し、いや、“かなり”、羨ましいと思うのです。

率直な自分をさらけ出し、率直に語り、率直に相手を受け入れ、拒絶する。

そんなフランス人の日常を描いている恋愛映画を観て、心の底から“羨ましい”と思うのは、恋をしている姿ではなく、自分の意志と意見を持ち正面から意見を戦わせ仲を深めている姿。

未だに、“空気を読め”、“出る杭は打たれる”、“少しおバカなふりをしたほうが女はモテる”などといった風潮の日本社会で生きている私たちは、自分の意志を持ち意見を戦わせることに憶病になっています。

しかし、本当に自立した大人とは、きっと『冬時間のパリ』に描かれているような人たちなのだろうと思うのです。

12月20日(金)~Bukamuraル・シネマほか全国順次ロードショーの『冬時間のパリ』。本物の大人が人生を謳歌している様をぜひお楽しみください。


『冬時間のパリ』

監督・脚本:オリヴィエ・アサイヤス『夏時間の庭』『アクトレス 女たちの舞台』
出演:ジュリエット・ビノシュ、ギョーム・カネ、ヴァンサン・マケーニュ、クリスタ・テレ、パスカル・グレゴリー

2018年 / フランス / フランス語 / 107分 / 原題:Doubles Vies / 英題:Non-Fiction
日本語字幕:岩辺いずみ / 協力:東京国際映画祭
後援:在日フランス大使館・アンスティチュ・フランセ日本 / 配給:トランスフォーマー

12月20日(金) Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー

©CG CINEMA / ARTE FRANCE CINEMA / VORTEX SUTRA / PLAYTIME



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