夫との関係に悩んだら“自分はどうしたいのか”問いかけて 円満離婚弁護士 原口未緒さんインタビュー<最終回>【#FocusOn】 | 大人のワタシを楽しむメディア
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夫との関係に悩んだら“自分はどうしたいのか”問いかけて 円満離婚弁護士 原口未緒さんインタビュー<最終回>【#FocusOn】

夫との関係に悩んだら“自分はどうしたいのか”問いかけて 円満離婚弁護士 原口未緒さんインタビュー<最終回>【#FocusOn】

三度の結婚と離婚を経験し、最近では事実婚を解消された“円満離婚弁護士”の原口未緒さん。著書『こじらせない離婚』では、実際のケースに基づいてスムーズに円満に離婚する方法を丁寧に教えてくれています。原口さんの結婚離婚経験や最近の離婚事情などについてお話を伺ったインタビュー最終回です。


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三度の結婚と離婚、一度の事実婚、出産、そして事実婚解消、と様々な経験をしてきた弁護士の原口未緒さん。インタビュー最終回は“円満離婚弁護士”になった理由と最近の離婚事情についてお話を伺いました。

自分の経験を生かして顧客満足度の高い弁護がしたい!

――原口さんは最初から離婚案件を専門にされていたんでしょうか?

原口さん:いえいえ、最初は普通の弁護士として様々な案件を扱っていました。その中で二番目の夫とも出会いました。だけど弁護士もたくさんいるし、なにか個性を出さなきゃな…と思っていた時に、自分の経験を生かせる弁護領域、となったらやっぱり“離婚問題”を扱うのがいいのかな、と思ったんです。それにね、離婚以外の案件に携わっていた時にしっくりこない感があったんです。「これで満足してもらえているのかなあ?」って。それで、もっと顧客満足度が高い弁護がしたいと思った時に、離婚弁護は私にとても合っていると感じました。

――コーチングなども勉強されたと聞きました。弁護士の先生に話をするというのは弱い立場になっていて女性だったりすると特に気構えしてしまって“怖い”と思う人も多いと思うんです。それが原口さんのような女性の弁護士先生がコーチングのスキルを持って話を聞きいてくれたら、すごく安心して自分の気持ちをきちんと伝えられるのではないかと思いました。

原口さん:ありがとうございます! 私のところに相談に来る方はだいたい一回で終わってしまうんです。離婚の弁護を私がお手伝いしなくても自分でどうにかできる、もしくは“してしまえる”ように情報や方法をお伝えしますし、アドバイスします。もちろん望まれれば弁護を引き受けますよ。でもね、余計なお金をかけずに自分でできるのではあればそれに越したことはありませんよね。皆さん、その後どうなったか、などをメールで報告してくれます。それでやり取りが続いている方もたくさんいらっしゃいます。

最近急増中の“モラ夫”と“発達障害夫”

――最近増えていると感じる離婚原因とか傾向とかありますか?

原口さん:40代後半~50代に増えているのが“モラ夫”と“発達障害夫”が原因の離婚です。どうしてなのか分かりませんが、弁護士仲間の中でも話題になるほどです。

――そんなに多いんですか…

原口さん:どちらの妻にも共通して言えるのが、良い家庭で育った大人しくて真面目な女性である、ということです。「自分が悪いからこうなるんだ」とか「もっと自分が頑張れば良くなるはずだ」と努力して我慢し続けて限界を迎えてしまう

――“発達障害”に関しては子どもはもちろん、大人の発達障害も最近よくメディアにも取り上げられるようになって、今まで社会にうまくなじめなくて苦しんでいる人たちが、“発達障害”であると分かることで、自分も周りも楽になって理解も進んでいるような気がするのですが、“モラ夫”が増えているというのはいったいなぜなんでしょうか? ストレス社会のせいと言っても昔からストレスは多くあったわけですしね…。

原口さん:これはあくまで仮説ですが、今、モラ夫になっている世代って父親が平成の景気が良かった時にバリバリ働いていた企業戦士だったんですよね。その当時は専業主婦の母親も当たり前でしたし、それで無理なく一家を養えていました。そして父親もある程度尊敬されていた。そういう状況を現代のモラ夫たちは妻に要求するんですよね。ですが今、専業主婦で家事や洗濯を完璧にこなして、夫を立てて…ということで生活できる家庭はなかなかないです。妻も仕事やパートをしないと生活できない家庭が多い。そういう自分の欲求と現実とのギャップから生まれるストレスを弱い立場である妻にぶつける夫が多いのかなあ…と思います

――確かに私たち40代が小学生だった頃は名簿も男女別々で男性から先に呼ばれて次に女性と明らかに男女を上下で分けていましたね。家庭科の授業も男子はなかったし、性教育も男女別々でした。それなのに今の世の中は実際は違っていたとしても“男女平等”が当たり前だと表面的には言われていて、家事も育児も男女“平等”にやるべきだと言われています。“イクメン”なんて言葉も生まれましたしね。とまどっている男性たちも多いでしょうね。

原口さん:そうですね。もちろんそういった社会構造だけの問題でモラ男が増殖しているか、と言ったらそうではないと思いますが…。

――モラ男とスムーズに離婚する方法ってあるんでしょうか?

原口さん:難しいですね。モラ男との離婚は裁判までいくことが多いです。何より問題なのが、相談にいらっしゃる妻がもう完全に異常事態なのにも関わらず「うちなんて大したことないんですけど」って仰るんです。殴られてあばら骨が折れたりしているのに

――どうしてそうなってしまうのでしょうか?

原口さん:先ほど申し上げたように、モラ男の妻は真面目で誠実な女性が多い。なので、ずっと一緒に生活しているなかで毎日「お前が悪い」と責め続けられると「自分が悪いんだ」と思い込んでしまうんですね。さらにテレビなどで見るモラ夫は毎日暴力をふるったり酷い言葉で罵ったりするけど、自分の夫は機嫌が悪くなったら“たまに”暴力をふるう、とか、普段は“無口”なだけ、と、大したことはないんだ、って思い込んでしまう。ですが、いよいよ耐えきれなくて私のところにいらっしゃったりするわけです。

――妻が洗脳状態になってしまっているんですね。しかし、そういう状態だとなかなか話すことを真に受けてくれないのではないですか? 真剣にアドバイスをしたとしても「そこまでしなくて大丈夫です」などと言って、根本的な解決ができなかったりしそうです。

原口さん:そうなんです。なので、そういうDV被害者に関わる方が仰っていたのが、まずそういう人がきたら、「私にした話を友だち3人にしてごらん」とアドバイスするそうです。大概そういう方たちは自分がやられていることを人に話してないんですよね。

――なるほど…。

原口さん:友人に話せば「それはおかしいよ!」という反応がくるわけです。でも、一人だけだったら「まあ、彼女はそういうけど」で終わってしまう。でも三人全員がおかしい、と言ったら、いよいよ本当におかしいのかもしれない、と気が付くわけです。そうしたら次に警察に行きなさい、次にDV男やモラ男から逃げる準備をするために区役所の女性相談員のところに行きなさい、と順序だてて一つひとつクリアしてもらうんだそうです。

――長年の呪縛から解き放たれるためにはやはり時間をかけて一つひとつクリアしていかないといけないんですね。

原口さん:そうです。それで、モラ男たちは調停や裁判が始まると「反省しているからやり直したい。俺はもう大丈夫だから」って必ず言うんですよ。これはもう本当に不思議なくらいモラ男たちの反応っていうのは同じなんです。もちろん“絶対”とは言えませんが、モラ男は変わりませんからね。いくら「反省している」「大丈夫」と言われても信じてはいけません

――そうなんですか…発達障害夫に関してはどうでしょうか?

原口さん:発達障害に関して世の中的に理解が進んだからといって、それがパートナーである夫だった場合、妻の負担は相当なものです。我が子だったら頑張れることも、夫だったらどうなのか? どんな判断をするのかは個々の覚悟が問われるところだと思います。

“自分はどうしたいのか?”自分の人生を決めるのは自分自身

――別居婚や事実婚、同性婚など最近は結婚のカタチも多様化してきていますが、今後、日本の結婚制度自体が変わるようなことはあると思いますか?

原口さん:どうなんでしょうね。結局未だに20代が持っている結婚神話みたいなものってあると思うんです。それにプラスして戦前からの日本文化としての家父長制みたいなものが今や幻想なのかもしれないけど根強く存在していて、結局、当事者の私たちがあまり変わりたいって思っていないんじゃないでしょうか。

――なるほど…現在3組に1組が離婚していますが、今後もこの状態が続くのかもっと離婚率が増えていくのか…離婚や結婚に関する意識自体は変わっている気はしますが。

原口さん:うーん。離婚問題に関して言えばとても古典的ですよ。やっぱりまだ恥ずかしいから離婚したって言えない、とか世間体があるから離婚したくない、って仰る方は多いです。だから離婚までしないけど別居したらいいんじゃないかな、とか思いますけどね。日々相談を受けていてすごく感じるのは“結婚とはこういうもの”“妻は母はこうでなければいけない”などと思っている人がほとんどだということ。完全に固定概念に囚われています。別に結婚していたって、当人たちが望むなら一緒に住まなくてもいいわけですしね。

原口さん:もっとね自分の人生だし好きに決めたらいいんです。けれど正しいことをしたがるんです。そして安易に答えを欲しがる。モラ男の妻に多いんですが「私はどうしたらいいんでしょうか?」って聞くんです。正解が知りたいんですよね。でも人生に正解なんかない。そうではなく“自分はどうしたいのか?”と、自分の気持ちに正直にやりたいことをやるべきです。誰かに決めてもらうのは簡単だし楽です。でも自分の人生ですからね、自分がやりたいように決めて実行するのが絶対に楽しいし、幸せになると思います。

――最後まで率直に明るくお話くださった原口さん。人はみんな一人ひとり違う。一人ひとり違う人同士がくっついてパートナーになるのだから、そのパターンは無限大。それぞれのパートナーにとってベストなカタチは当然違います。もし今の関係に悩んでいるのなら、今一度“自分はどうしたいのか?”と自分に問いかけてみることが大切なのかもしれません。

文/和氣 恵子、撮影/鈴木 志江菜

原口 未緒(はらぐち・みお)さんプロフィール

弁護士

東京護士会所属。心理カウンセリング・スピリチュアルカウンセリングも併用しながら、こじらせない円満離婚の実現を目指します。著書『こじらせない離婚―「この結婚もうムリと思ったら読む本」(ダイヤモンド社)
事務所名:弁護士法人 未緒法律事務所
事務所URL:http://mio-law.com

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