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家庭の経済観念がない元夫のおかげでエステティシャンの道に入り、自宅サロンを開業するまでになったスピリチュアル ビューティセラピストの田中由佳さん。『「指プレス」でシワのばし』を出版するなど美容業界では知らない人がいないゴッドハンドの持ち主ですが、現在に至るまでには娘さんとの不思議な体験がありました。インタビュー第二回です。
「今回の人生は命が短いの」と子供の頃から普通に言い続けていた娘

田中由佳さん:夫婦でいることに何年も悩み続け、離婚を考えていたんですが、29歳で自宅サロンを開業したその次の年に娘が生まれたんです。それまでに二度流産していたので、娘が宿った時には驚いたのですが生命力の強さをお腹に感じ「この子は産まれてきてくれる」と思い人生を覚悟しました。
――無事に生まれてくれて本当に良かったですね。
田中由佳さん:ええ、実は二年前に娘は他界してしまったんですが、本当に不思議な子どもでした。生まれる時は死産の危険があって緊急帝王切開で生まれたんです。
――娘さんお亡くなりになったんですね…。
田中由佳さん:享年18歳でした。脳死になり5人に臓器提供しました。でもね、娘は小さい頃から「「今回は人生が短いよ」って言われたけど人間になりたくてきたの」と普通に何度も言っていたんです。
――ええ⁉ どういうことでしょうか?
娘は魂の記憶を持って生まれてきた
田中由佳さん:魂の記憶をもって生まれてきた子ども、彼女はそうだったようで。そしてどうやら私の娘として生まれてくる前は雲の上にいて、肉体はなかったのだけど、今回、また人間になりたくなったらしく(笑)「10歳になったら今のこの記憶はすべてなくなる。だから大人になりたくないな」ってしょっちゅう言っていました。そんな娘から私は多くの大切なことを教えてもらいました。
――魂の記憶をもって生まれてきた子どもの本は読んだことがあります。『ママのおなかをえらんできたよ』(二見書房)だったかな…
田中由佳さん:その本の著者の産婦人科医で体内記憶の研究をされている池川明先生に娘は取材していただいて、そのエピソードが『ママ、生まれる前から大好きだよ!』(学研プラス)に載っています。
――そうだったんですか…娘さんはどういうことを教えてくれたんですか?
田中由佳さん:死んでからどうなるか・魂のこと・命のことありとあらゆることを教えてくれました。どうして宗教があるのか、とか、人は生まれるより死ぬ方が大変だと思っているだろうけどそうじゃない、とか、善と悪があるのはなぜか…とか…摂理(せつり)についてです。
――なぜ、善と悪はあるのでしょう?
田中由佳さん:そもそも善と悪のどちらかが善くてどちらかが悪いということはないんです。そして善と悪の両端にいたら片一方を見ることはできません。悪のまっただ中にいたら善は見えないし、善のまっただ中にいたら悪は見えない。正しいか正しくないかの判断をしようと思ったら真ん中にいて、両方を見るようにしなければいけないということです。そして、“善”と“悪”という概念を作り出しているのは人間ですが、人によってその尺度、価値観は違います。中庸(ちゅうよう)は大切なんですね。
――奥深い話ですね。理解するのはなかなか難しいですが。
田中由佳さん:難しいですよね(笑)こういうことを小学生の娘が冷静に話すんです。
――すごいなあ…。
田中由佳さん:でもね、老成した賢い大人のようなのに自分勝手な行動をするんですよ。なのでそのたびに「あのね人間界ではね…」と協調社会のルールを教えていました(笑)
――人間界のルールがまだ分からないんですね(笑)
田中由佳さん:そうなんです(笑)それで…「大人になりたくないなあ」って言いながら10歳になって…その後も元気にしていたんですが15歳になった頃から、しょっちゅう倒れるようになりました。学生生活も難しくなり…でも最後まで食べたいものをたくさん食べて好きなことをして、好きな人たちに囲まれいい顔で旅立ちました。亡くなって悲しかったけれど、娘が子どものころから早く亡くなると自分で言っていたし、“死ぬ”という事がどういうことなのか、ということも教えてもらっていたので、辛いよりも母親に選んでもらって感謝の気持ちが強くあり、今もすぐそばに元気で娘がいるのが分かります。
体の仕組みを勉強するために医療学校へ
――特別な田中さんの力と娘さんから教えてもらった、たくさんのこと…そういうことが田中さんのセラピーにすべて盛り込まれているのでしょうか?

田中由佳さん:ええ。でも、今までの知識だけでは駄目だと思って、ちゃんと体の仕組みを分かったうえで施術できるように42歳の時に医療学校に入学して骨格や筋肉の仕組みなど4年かけて解剖・生理などを勉強しました。
――『「指プレス」でシワのばし』も体の構造や筋肉の状態などがロジカルに説明されているので読んでいて納得感がありました。
田中由佳さん:よかったです。実は『「指プレス」でシワのばし』は2冊目なのですが、そこにこだわって作ったんです。
――そうだったんですね! ロジカルに書かれているのにメソッドは簡単なステップで構成されていて、モデルさんが実際に指プレスをしている写真がメインなので本当に分かりやすかったです。
田中由佳さん:ありがとうございます!
――田中さんがセラピーを行う時はまず、その方のオーラというか…“気”のような目に見えないものを見てから始めるのでしょうか?
田中由佳さん:いえ、その人の体の状態から見ます。左右でどう歪んでいるか、むくんでいるか、皮膚の排出状態はどうか、とか…まず、見て分かる情報をインプットしてから施術をしながら緩み方、気の流れの様子をみていきます。
たまに、お客様が予約をしてくださると同時に、その方のを守っている存在や亡くなった肉親の魂などが私のところにやってきて「彼女は自分では気が付いていないけれど、実はこういうことで悩んでいてそれが体に出ているんです」とか教えてくれることもあります。
――そうなんですか!
田中由佳さん:自分のことを分かっているようでわかっていないこともとても多いんです。なので、その方がいらっしゃった時に、様子を見ながら「実はお母さまがいらっしゃってこんなことをお話されていますよ」とお伝えすると、びっくりされて…そのまま施術はせずにずっとお客様のお話を聞いて助言させていただくことも多いんです。当初、そういうコースはなかったんですが、ご要望がとても多いのでリーディングだけのコースも作りました。
――予約がなかなか取れないと聞きました。
田中由佳さん:ありがたいことに。サロンは個室を2つ用意しているんですが、それは施術が終わった後、ゆっくりとしていただいて落ち着いてから帰っていただくようにしたくてそうしたんです。後ろを気にして急かすようなことはしたくなくて…
――素晴らしいですね。予約は何か月くらい先までいっぱいなんですか?
田中由佳さん:急にキャンセルが出たりもするので何とも言えないのですが、週末だと1ヵ月半くらい先になってしまうかもしれません。
田中由佳さん著『指プレスでシワのばし』(SDP)からちょこっと紹介!~ほうれい線を増やさないためにしたいこと~
たるみを加速させない

カギ手にし、人差し指の角でほうれい線をプッシュ。
ほうれい線に沿って、カギ手にした時の人差し指の第2関節の角でゆっくりプッシュしていきます。たるみやすい部分を刺激することになり、美しい笑顔になります。
――インタビュー最終回は、田中由佳さんがなぜ女性を癒したい、美しくしたい、と思うのか。女性の体の仕組みや田中さんが今後行っていきたい活動などについてもお話を伺いました。お楽しみに。※4月17日(金)12時公開予定
文/和氣 恵子、撮影/鈴木 志江菜
■田中由佳さんプロフィール
愛媛県出身。都内の短大を卒業後、エステ業界へ。
29歳で東京三宿に『サロン・ド・スウィン』をオープン。
その後、42歳で医療学校に通い始め卒業。
25年を超えるエステティシャン歴において、
延べ8万人以上をトリートメント。
医者、僧侶、救命消防士の家系から幼少期より勘が良く、
人の「気」に敏感。
施術に今までの知識とシックスセンスをとりいれて
「肌・体・魂」に響くトリートメントを提供。
現在は女性誌でのメソッド提案のほか、
ティーチング、プロデュース、講演なども行っている。
サロン名はミャンマー語の「シンスウィジン=幸せ」の意味。
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