初夢で占い! 古来は新春に見る夢のことではなかった!?
みなさん初夢については気にしていますか?
なんとなく縁起物で、「新年の始まりだから、いい夢を見られたらいいな」というざっくりとした気持ちの方も多いかもしれません。
初夢とは、そもそも占いの一種でした。
初夢によってその1年自分がどんな運勢をたどるのか、古来から占っていたそうです。
たしかに1年の始まりに見る夢には何か意味があるように思えますし、一般的に縁起の良いとされる「一富士二鷹三茄子」の夢を見られたら、なんともありがたい気持ちになりますよね。
歴史的には、平安時代末期の歌集「山家集」に初夢が初出。
この時代、節分の翌日である「立春」が新年のスタートとして捉えられていたことで、「山家集」にある初夢も、節分から立春に見る夢として登場しているようです。
初夢がいつ見る夢なのかは3つの諸説あり!
昔は立春が新年の始まりでしたが、その後、元日が新年のスタートとする現在と同じ認識に変化。それに伴い、初夢も新春に見る夢として捉えられるようになりました。
ではそのまま、大晦日の夜から元日にかけて見る夢のことを「初夢」というのかというと、じつはそうとも限らないよう。いつ見る夢が「初夢」なのか? 諸説あるのでご紹介しましょう。
■大晦日から元日にかけて
1年の始まりに見る夢として、文字通りの初夢です。
■元日から1月2日にかけて
古来は、大晦日から元日は寝ないで過ごすことが多かったよう。ですので、元日から1月2日にかけてを初夢とする、という説があります。
■1月2日から1月3日にかけて
仕事始めは1月2日のことが多いため、1月2日から1月3日の説もあるよう。
これら3つの説のうち、現在では元日から1月2日にかけて見る夢が初夢、と認識する人が多いようです。
「一富士二鷹三茄子」を初夢で見たい!

初夢に見ると縁起が良いとされるものに、「一富士二鷹三茄子」があります。これは江戸時代からのことわざで、由来は諸説あります。
徳川家康が「富士山」「鷹狩り」「初ものの茄子」が好きだったから、という説。
また徳川家縁の地、駿河国で高くて価値があるものの順に「富士山」「愛鷹山」「初物の茄子の値段」と並べた説。
ほか、「富士山=無事」「鷹=高い」「茄子=事を成す」という語呂合わせの説など、さまざま。「一富士二鷹三茄子」は川柳にも詠まれ、大変愛された言葉のようです。
そんな縁起の良い夢を見るために、昔は七福神の乗った宝船の絵に「長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め 波乗り船の 音の良きかな」という歌を書いて、枕の下に入れておくといいとされていました。
「長き夜の〜」をひらがなで書くと「なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな」となり、上から読んでも下から読んでも同じ回文になっています。
一富士二鷹三茄子のあとに続く縁起の良い夢

「一富士二鷹三茄子」のほかにも、初夢で見ると縁起が良いとされるものがあります。四以降には諸説はありますが、「四扇(しおうぎ)五煙草(ごたばこ)六座頭(ろくざとう)」が有名。
これは「一富士二鷹三茄子」に対応しているといわれる言葉で、「扇」は「富士山」のように末広がりであること、「煙草」のけむりは「鷹」のように上っていくこと、さらに「座頭」も「茄子」も毛がないから”怪我ない”としたこと、という説なのだそう。
ほかにも四は「葬式」とする説があり、これは一見縁起が悪いように思えますが、悪い内容の夢がじつはいい意味がある、という俗信からきているのでは、と考えられています。
1年を占う縁起物、ぜひいい夢を見たい!
初夢の意味や由来は諸説があり、これだという確信的なものはありません。
けれども縁起物ということで、「一富士二鷹三茄子」が見られれば1年の幸運を予感させますよね。
今回ご紹介したように、宝船の絵が描かれた紙に回文を書いて、ぜひ枕元に忍ばせてみてはいかがでしょう!
きっちです。
皆の恋バナが好きなこじらせ系女子です。