おせち料理の由来とは? 正月だけのものではなかった!?
重箱の中に色とりどりの食べ物が詰まったおせち料理。
野菜からお肉・お魚系まで幅広く揃えられ、また保存もきくとあって正月三が日には欠かせないですよね。
おせちとは、もともと神様にお供えするための料理として誕生しました。元は季節の節目に作られていたようですが、時を経てお正月だけ作られるように変化。
「かまどの神様」を休ませるという意味もあり、たくさん作っても保存がきくような料理が揃っています。
また、神様に供えるという観点から、五穀豊穣や安全祈願、子孫繁栄などの思いを込めて、海の幸から山の幸まで豊富にラインナップ。いわゆる古来からの「ご馳走」ですね。
おせち料理それぞれに込められたおめでたい意味
華やかな料理が詰められたおせちには、ひとつひとつの料理に縁起の良いいわれがあります。代表的なものをご紹介してみます。
■黒豆の煮物
「まめに働けるように」との意味を込めて作られるようになったそう。
■田作り
小魚を炒って甘辛く味付けした田作りは、五穀豊穣を願って田畑に小魚を撒いたことが始まり。
■数の子
ニシンの卵である数の子は、子宝と子孫繁栄を願って。
■海老
腰が曲がっていて、ヒゲも伸びた海老を長生きになぞらえ、おめでたいものとして重宝されています。
■栗きんとん
こっくりとした黄色が目をひく栗きんとんは、黄金色の財宝になぞらえて、豊かさと勝負運を願う一品として用いられています。
■昆布巻き
昆布は、「よろこぶ」という言葉とかけて縁起の良い食べ物。おせち料理の定番です。
料理が詰められている重箱にも意味があった
おせち料理といえば重箱に詰められているイメージですが、じつは単に詰めているだけではなく意味があるのです。その意味とは、「幸せを重ねる」ということ。縁起の良い料理を何段にも重ねることで、幸せが増幅するという思いが込められています。
重箱は4段が正式で、上から「一の重」「ニの重」「三の重」「与の重」として、それぞれに詰めるものも正式に決まっています。それぞれ正式な料理をご紹介しましょう。
■一の重
きんぴらごぼうや数の子、黒豆、伊達巻など、祝い肴や口取りという種類の料理を入れます。
■ニの重
焼き魚や海老などの焼き物を入れます。
■三の重
紅白なますなど、酢の物を入れます。
■与の重
筑前煮や根菜を使った煮物などを入れます。
正式にはこのような形ですが、現代ではおせちも多様化しており、3段のものや5段のものも売られていますので、購入する際は好みに合わせて自由に選んで問題ありません。
おせち料理の正式な食べ方ってあるの?
4段のお重にさまざまな料理が詰め込まれたおせちには、実は正式には食べ方が決まっています。
基本的にはいちばん上の「一の重」から食べるのが良いとされています。
一の重には祝い肴である「田作り」「黒豆」「数の子」の3種類が入っており、これらがあればおせちとしての体裁が整う、とされるほど重要な要素なのです。
さらに、重箱の真ん中あたりから食べるのも正式なルール。
これは、隅の食べ物が先になくなると家族の隅々にまで食べ物が行き渡らない、という考えからきているそうです。
さらにおせちを食べるタイミングも決まっているよう。
まずは「おとそ」を飲み、おせちの「一の重」を食べ、その後「二の重」などその他重箱の中を食べていき、最後にお雑煮で締めるのが正式。元日に食べるのが一般的だそうです。
縁起物をたくさん食べて1年の始まりに願掛け!
最近ではお肉を中心とした洋風のおせちなども人気ですが、伝統的なおせち料理には一つひとつにさまざまな意味が込められていますので、できれば食べておきたいですよね。とくに「祝い肴」3種はぜひ食べて、1年の安全と繁栄、健康を願ってはいかがでしょうか!
きっちです。
皆の恋バナが好きなこじらせ系女子です。